耳鼻咽喉科展望
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46 巻, 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 口蓋の疾患(VI)
    西山 茂夫
    2003 年 46 巻 2 号 p. 114-115
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 北野 博也, 片岡 英幸
    2003 年 46 巻 2 号 p. 116-120
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    内視鏡下頸部手術 (頸部内視鏡外科手術) は最近行われるようになった手術方法である。術後の頸部状態が美容上優れていること, 低侵襲であることが従来の手術方法より優れている。本法には, 完全内視鏡下頸部手術と内視鏡補助下頸部手術がある。それぞれに利点と欠点がある。前者の利点は手術痕が頸部に残らないこと, 後者のそれは比較的技術の習得が容易であることである。前者の欠点は技術の習得が難しいこと, 確立された術式がないこと, 頸部手術に適した器材がないこと等である。後者のそれは頸部に手術痕が残ることである。それぞれの利点欠点をよく理解した上で, 手術を行う必要がある。
  • 茂呂 八千世
    2003 年 46 巻 2 号 p. 121-133
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    スギ花粉抗原に対する免疫応答の季節性変動は, 従来報告されているように花粉飛散期には活性化され, 花粉飛散後は徐-に低下し, 翌年の花粉飛散前にはほとんど認められないといったパタ-ンである。しかし, 最近では花粉飛散開始以前においても症状を示す患者が認められることから, スギ花粉抗原に対する免疫応答の季節性変動はこれまでとは異なったパタ-ンが存在すると思われる。そこで, 本研究では従来測定されてきたIgE抗体価ばかりでなく, 発症に至るまでの中心的な役割をしているT細胞の観点から免疫応答の季節性変動に関して検討を加えた。方法は, 平成12年4月, 平成13年1月, 4月, 9月の各時期に18名のスギ花粉症患者末梢血を用いて, スギ花粉主要抗原Cryj 1, Cryj 2およびそれぞれの患者の主要なT細胞エピト-プに対するT細胞の増殖反応性, さらには抗原認識に関連するMHCクラスII分子についてDNAタイピングを行った。B細胞の観点からは, スギ花粉抗原特異的IgE抗体価および総IgE量, さらには他のアレルゲン特異的IgE抗体価を測定した。なお, 採血時には問診を行い発症時期や症状の程度と免疫応答性との関連を検討した。その結果, 従来の報告と同様なIgE抗体価の季節性変動を示す患者群 (変動群) では, 抗原に対するT細胞の反応性も相関して季節性変動を示すことが判明した。さらに興味あることに, IgE抗体価ばかりでなくT細胞の反応性が花粉飛散前においても高値を示す患者群 (持続群) が3分の1も存在することが判明した。持続群の発症時期は花粉飛散開始日より早いか飛散開始日より1週以内であり, 変動群に比べ早いことが問診で明らかになった。HLA-DPB 1*0501の対立遺伝子を有する患者は75%と高い頻度であったが, 変動群と持続群の問には明らかな差は認められなかった。以上より, 免疫応答が花粉飛散後も持続する患者では極微量のスギ花粉曝露によっても発症することが示唆された。
  • 三谷 浩樹, 鎌田 信悦, 苦瓜 知彦, 米川 博之
    2003 年 46 巻 2 号 p. 134-143
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    当科では1946年から舌癌の治療を行っており, 1980年代初期までは臨床進行度にかかわりなく原発巣の治療方法はラジウム小線源が主体であった。1946年から1970年までのT3以上の進行舌癌における5年粗生存率は20.3% (N=137) で思わしくなく, それまでの照射方法を改善し, DP皮弁を用いた切除再建法を導入, さらに大胸筋皮弁を用いた手術治療に移行したことで1971年から1980年においてはT3+T4舌癌の5年粗生存率は37.0% (N=40) まで向上した。とりわけ1982年からの機能保存と治療成績向上の両立を目指した遊離皮弁による再建術が確立したことはその後の治療を一変させ, 嚥下機能を保ちつつ拡大切除が行えるようになったことにより, T3+T4舌癌の5年粗生存率は51.6% (N=126) が得られるまでになった。
    本稿では過去20年間にわたる手術を主体としたstage III・IV進行舌癌の治療成績を示した。1981年1月から1999年12月までに根治手術治療を行ったstage III・IV舌扁平上皮癌, 未治療例192例を対象とし, 以下の成績を得た。5年粗生存率 (疾患特異的生存率) はstage III : 65.3% (71.8%), stageIV : 38.2% (40.0%) でT分類別5年原発巣制御率はT1 : 100%, T2 : 83.8%, T3 : 81.7%, T4 : 77.4%, 5年頸部制御率は77.1%であった。
    当科では原則として40Gyの外照射を行ってきたが, 原発巣切除標本を組織学的に術前照射の効果別に再分類し, 治療成績と比較することで補助療法としての意義を検討した。その結果, 照射無効群は40% (53/132), 照射有効群は60% (79/132) の出現頻度となり, 原発巣・頸部制御率・粗生存率において両群間に有意差 (p<0.05) をみとめたことから, 40Gy程度でも放射線の治療効果を享受することが可能な症例があり, 手術療法単独では成績向上に限界がある進行舌癌の治療において術前照射は有効な補助治療の一方法である可能性が示唆された。
  • 森脇 宏人, 千葉 伸太郎, 内田 亮, 徳永 雅一, 千葉 幸子, 八木 朝子, 太田 正治, 森山 寛
    2003 年 46 巻 2 号 p. 144-150
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    睡眠呼吸障害の評価において, 終夜睡眠ポリグラフ検査は重症度を判定するのに役立つ。しかし, 重症度判定だけでは病態を完全に把握することは困難であり, 経時的な上気道の形態変化を考慮することが病態の解明に必要である。これまで上気道の閉塞部位診断は行われているがそのほとんどが静的な診断であり, 上気道の形態変化を評価するような動的診断法はあまり行われてこなかった。そこで今回我-は, 舌・下顎の動きに着目し, Dynarnic MRIを用いて睡眠時の上気道の形態変化を評価する方法を試み, Apnea Hypopnea Indexとの関係を検討した。睡眠呼吸障害が疑われた62症例を対象として終夜睡眠ポリグラフ検査およびDynamic MRI検査を施行し, 上気道の動きを解析した。その結果, 舌の回転角度が60以上の群および下顎の動きが覚醒時に比較し睡眠時に1.4倍以上の群において重症であった。
  • 宇田川 友克, 柳 清, 石井 彩子, 今井 透
    2003 年 46 巻 2 号 p. 151-156
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    通年性のアレルギ-性鼻炎に対するハ-モニックスカルペル手術の長期成績について検討した。今回対象となった35例では, 術後1年以上経過した時点での症状改善率はくしゃみ56%, 鼻汁66%, 鼻閉71%, QOL79%であった。術後のQOLに影響を与える因子として有意差を認めたものは年齢のみであった。小児8例のQOL改善率は100%と良好な成績が得られた。ハ-モニックスカルペル手術は保存的治療に抵抗するアレルギ-性鼻炎に対して長期的に有用な治療法の一つであると考えられた。
  • 丹羽 洋二, 石井 正則, 山崎 ももこ, 宇井 直也, 歌橋 弘哉, 濱田 幸雄
    2003 年 46 巻 2 号 p. 157-166
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    突発性難聴症例において, 経時的に純音聴力検査と二つの耳音響放射 (誘発耳音響放射 : transientlyevoked otoacoustic emissions TEOAE, 歪成分耳音響放射 : distortion-product otoacoustic emissionsDPOAE) の測定を行い, 聴力予後と耳音響放射検出との関係について検討した。1,000Hzの低周波数帯域では誘発耳音響放射の関与が高く, 4,000Hzの高周波数帯域では歪成分耳音響放射の方が若干関与が高い結果が得られた。今回のこの結論は, 今までの諸家の報告とある程度合致していると思われた。耳音響放射は, 突発性難聴の予後推定法としては有用性に乏しいとされているが, 突発性難聴は純音聴力検査像で数種の型に分類されており, この2種類の互いの耳音響放射で補完しあえば, より多くの情報が得られる利点がある。そしてその内耳の障害部位の客観的判定や臨床的有用性としての情報が得られ, これらを同時に測定してみる価値がある検査と考えられた。
  • 藤本 保志, 長谷川 泰久, 中島 務
    2003 年 46 巻 2 号 p. 167-173
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    愛知県がんセンタ-では頭頸部癌による嚥下障害へのよりよい対応を目指して, 頭頸部外科と5階東病棟が協力して頭頸部癌術後の嚥下障害に取り組める体制を構築した。それは術後からの対応ではなく, 治療法決定時から積極的に患者に関わっていくものである。切除再建の情報をもとに嚥下造影検査によって診断した病態に応じた訓練法を選択し, 病棟看護師の協力を得てリハビリテ-ションプログラムを実行した。1996年から2002年までに術後嚥下障害のリスクがあると考えられた頭頸部癌患者239例中229例で経口摂取を獲得した。とくに難治例32例に対しては間歓的径管栄養法を導入し, 25例で経口摂取可能となった。これは直接的な訓練効果も認められる他, 口腔咽頭衛生上も有利であり, 早期社会復帰を実現できる方法と思われた。
  • 成田 賢一, 尾尻 博也, 多田 信平
    2003 年 46 巻 2 号 p. 174-177
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 北村 正樹
    2003 年 46 巻 2 号 p. 178-180
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
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