耳鼻咽喉科展望
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47 巻, 1 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 感染症 (I)
    西山 茂夫
    2004 年 47 巻 1 号 p. 8-9
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 湯本 英二
    2004 年 47 巻 1 号 p. 10-18
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 慢性緑膿菌性骨髄炎による外耳道骨破壊壊死の2症例を経験して
    榎本 仁司
    2004 年 47 巻 1 号 p. 19-30
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    無痛性耳漏, 骨壊死および緑膿菌を三主徴とし, 慢性的経過で骨部外耳道に著明な破壊的病変を生じた2症例を経験した。これらの症例は極めて軽度な自覚症状の間に緩慢に経過したと思われ, 初診時既に腐骨化を伴う壊死により骨部外耳道が全周性に高度に拡大し, 膿苔の付着, 骨面の露出, 少量の肉芽組織などが見られ, そして緑膿菌が分離された。表皮角化物 (keratin debris) の堆積は認められていない。
    骨部外耳道の壊死や拡大を主病変とする疾患としては, 悪性外耳道炎 (壊死性外耳道炎), 良性壊死性外耳道骨炎, 外耳道真珠腫, 閉塞性角化症 (keratosis obturans) および悪性腫瘍, 放射線壊死などが知られているが, 今回の報告例は臨床的にも病理学的にもこれらの疾患とは著しく異なった病態を示している。症例は52歳男性と76歳女性で, 両患者ともその心身状況から免疫力低下状態が推測されるものの, 糖尿病の合併がなく, ある程度の免疫力が保持されたため, 緑膿菌性外耳道炎が悪性外耳道炎のように劇症的に進展することなく, 緩慢な経過で外耳道の比較的血流の乏しい部位から骨内に侵入し, 慢性外耳道骨髄炎を発症, 腐骨化を伴う壊死による破壊の結果, 外耳道の高度拡大を生じた特殊な病態であろうと推測される。この病態に対し「破壊性外耳道炎」なる称呼を提唱したい。
    また, 骨部外耳道の壊死性疾患を論じるに際し, 本邦ではいずれも外耳道真珠腫と呼ばれている外耳道真珠腫と閉塞性角化症について, 自験例を提示し, 別個の疾患である両者を明確に区別して称呼すべきであることを提案する。
  • その2
    上出 洋介
    2004 年 47 巻 1 号 p. 31-42
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    急性中耳炎鼓膜の経時的変化を画像データベースに保存することは極めて有益である。5年分の保存した鼓膜画像をもとに急性中耳炎を5段階に分類, 提唱し, それを用いて患児の経過をstage分類で評価した。対象は1999年9月1日から2001年8月31日までに, 当院を受診した0歳から6歳の乳幼児で急性中耳炎と診断された811名である。内訳は0歳168名, 1歳148名, 2歳81名, 3歳147名, 4歳134名, 5歳78名, 6歳55名である。初診時以後5日目, 10日目, 2週間目, 20日目に観察した。
    初診時0, 1歳では増悪した状態であるstage4と5が約半数を占めていた。2~6歳ではstage4と5は25%にまで減少した。急性中耳炎はどの年齢においても炎症が一度始まってしまうとstage3程度にまでは進行することが多いことがわかった。
    0~1歳では50~60%が20日以内に治癒する一方で25%前後が2ヵ月かそれ以上の治療期間が必要であった。stage5では2ヵ月を経ても約90%しか治癒しなかった。2~3歳ではstage1の場合20日以内に90%が治癒し, stageが進行してもほとんどの例が2ヵ月以内に治癒した。
  • 小森 敦史, 葉山 貴司, 中島 康博, 深見 雅也, 吉見 充徳
    2004 年 47 巻 1 号 p. 43-48
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    当院において経験した, 急性乳様突起炎患者4症例を報告した。4症例のうち, 3例は点滴療法による抗生剤投与と鼓膜チューブ挿入術にて治癒したが, 1例は乳様突起単削開術を施行した。4症例のうち, 2例で肺炎球菌が検出されたが, ペニシリン低感受性肺炎球菌を始めとする薬剤耐性菌の存在を考慮し, 耳漏培養及び鼻咽腔培養を全例に施行し, 適切な抗生剤を使用するよう心がける必要がある。急性乳様突起炎は, 抗生剤の発達した現代においても, 重篤な合併症を引き起こす可能性の比較的高い疾患であり, 迅速かつ適切な治療が望まれる。
  • 高橋 優宏, 熊川 孝三, 武藤 奈緒子, 山根 雅昭
    2004 年 47 巻 1 号 p. 49-52
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    2001年8月より耳科手術に対して, 従来のラリンジアルマスクより喉頭のシール圧の高いLaryngeal Mask Airway ProSeal (LMA ProSeal) を用いている。以前と比べて術中の麻酔ガス漏れや呼吸性体動は軽微で, 手術の妨げとなることはほとんどなかった。また経口挿管麻酔に比べて咽頭痛・嗄声など術後の合併症は少なく, 特にアブミ骨手術においては術後のめまいが軽減された。LMA ProSealは耳科手術において有用であり, 今後の積極的な使用が推奨される。
  • 千葉 伸太郎
    2004 年 47 巻 1 号 p. 53-59
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 金子 明寛
    2004 年 47 巻 1 号 p. 60-65
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    歯性感染症起炎菌は口腔レンサ球菌と嫌気性菌の複数菌感染症である。起炎菌に対する薬剤耐性化が1980年代後半から認められ, 口腔レンサ球菌のペニシリン耐性化およびPrevotella属のβ-ラクタマーゼ産生菌が増加している。内服抗菌剤が適応となる中等症までの歯性感染症に対するβ-ラクタム剤の有効率は90%程度であるが, 今後MICの劣化によっては有効率に影響を及ぼすと考える。深頸部感染症の起炎菌の一つであるP. intermediaを用い溶血活性およびエラスターゼ活性の検討を行った結果, 実験感染モデルの重症度と溶血活性およびエラスターゼ活性は相関する傾向が認められた。
  • 尾尻 博也
    2004 年 47 巻 1 号 p. 66-69
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 北村 正樹
    2004 年 47 巻 1 号 p. 70-73
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 今野 渉, 浅賀 英人, 内藤 文明, 白坂 邦隆, 吉田 博一, 馬場 廣太郎
    2004 年 47 巻 1 号 p. 74-80
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    スギ花粉飛散期におけるロラタジンの効果および効果発現時期を検討するために, 平成15年3月9日宇都宮市森林公園にて野外比較試験を実施した。試験当日はスギ花粉飛散の最盛期にあたり, 試験当日の公園内の花粉飛散数は264.5個/cm2と大量飛散であった。被験者に偏倚のないようにプラセボ内服群とロラタジン内服群に分け, 単純盲検試験を行い症状の推移を検討したところ, ロラタジン内服群では内服後2時間以内にくしゃみ・鼻閉・眼症状・日常生活の支障度の各項目において症状の抑制が認められた。この結果よりロラタジンはスギ花粉症に対して有効性ならびに即効性を有する薬剤であることが示唆された。
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