耳鼻咽喉科展望
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47 巻 , Supplement1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 吉山 友二, 菅家 甫子, 松田 貴邦, 西林 徹, 小富 正昭
    2004 年 47 巻 Supplement1 号 p. 3-8
    発行日: 2004/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ネブライザー専用の薬剤として新たに開発された塩酸プロカテロール吸入液ユニットを試験薬剤として, 各種ネブライザー療法における噴霧特性および薬剤安定性について比較検討した。ネブライザーは大きく分けて超音波式とコンプレッサー式の二つがある。超音波式の新型メッシュ式超音波ネブライザーNE-U22は, ネブライザーからの噴霧割合, 有効噴霧割合および有効指数のいずれも高い値を示した。また, 塩酸プロカテロール吸入液ユニット0.5mLとユニット0.3mL単品のみを用いても生理食塩液等で希釈した場合と同等の噴霧特性を保持しており, 希釈を要することなく塩酸プロカテロール吸入液ユニットを短時間で噴霧し得ることが示唆された。一方, コンプレッサー式ネブライザーでは, 有効噴霧割合が高いものの, ネブライザーへの残存量が多いため, ネブライザーからの噴霧割合と有効指数が低下した。また, 塩酸プロカテロール吸入液ユニットは各種ネブライザーに対して安定しており, 治療上有効な薬剤であることが示唆された。総じて, 簡便性および誤飲による危険性の回避が期待できる塩酸プロカテロール吸入液ユニットのネブライザー療法は大変有用で, 利便性 (ポケットサイズ, 消音, 高性能など) が向上した新型ネブライザーの登場と相俟って, 多くの患者に福音をもたらすことを強調したい。
  • 平石 光俊, 石塚 洋一, 曽根 一倫, 千葉 良子
    2004 年 47 巻 Supplement1 号 p. 9-13
    発行日: 2004/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ジェット式ネブライザー装置より噴霧された, 芳香剤添加ネブライザー溶液中の塩酸セブメノキシムの安定性について検討した。芳香剤はハッカ油, ストロベリーエッセンス, バニラエッセンスを用いた。噴霧気体中の塩酸セブメノキシム, マウスピースに付着した塩酸セブメノキシム, 薬液槽中に残存した塩酸セブメノキシムの残存率と力価について, 芳香剤添加ネブライザー溶液と芳香剤を添加しないネブライザー溶液を比較検討した。いずれの実験において, 各々の芳香剤を添加したものは残存率, 力価の両面において, 芳香剤を添加しないものとほとんど差がなかった。ネブライザー溶液に芳香剤を添加しても, 塩酸セブメノキシムの噴霧に影響を与えないものと考えられる。
  • 高野 頌, 小島 沙耶香, 伊藤 正行, 兵 昇, 間島 雄一
    2004 年 47 巻 Supplement1 号 p. 14-19
    発行日: 2004/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    薬剤吸入療法においてドライパウダー吸入剤の使用頻度が増加しているが, 一般にドライパウダー吸入剤は非球形でかつ製剤ごとに異なった粒子密度を持つことから, 同じ幾何学的形状をしていても空気力学径は異なることが知られている。したがって, 気道内での薬剤局所沈着量は空気力学径により求められる慣性力や拡散力を因子として推測されることから, 非球状ドライパウダー吸入剤の薬剤局所沈着量を正確に予測できないという問題点がある。本研究では, 吸入剤の空気力学径が, 製剤の粒子径, 粒子密度, 粒子形状, 気流との配向角に影響を受けることを明らかにした。ここで, 非球状薬剤粒子の気流との配向角は流体力学的モデルの数値解析により評価できた。また実験により, 飛行時間法により空気力学径を直接に測定した結果はこれらの数値解析結果を支持するものであった。ドライパウダー吸入剤の気道内での薬剤局所沈着率は空気力学径と吸入条件により求められるが, ヒト気道をモデル化したアンダーセン法を用いて局所沈着率を実験的に確認した結果, 実験結果は数値解析結果と極めてよく一致することがわかった。
    以上の知見より, 非球状ドライパウダー吸入剤の使用の際には, 製剤の物理化学的性状を十分に把握して, 吸入剤の局所沈着率を予測することが必要である。
  • 西澤 芳男, 西澤 恭子, 後藤 グレイシイ・広恵, 吉岡 二三, 野坂 修一, 雨森 保憲, 谷垣 由美子, 永野 富美代, 山田 まゆみ ...
    2004 年 47 巻 Supplement1 号 p. 20-27
    発行日: 2004/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    我々は先に神秘湯吸入療法時, 気道病変局所神秘湯濃度がin vivo, in vitro実験系と同等濃度になるため, 神秘湯が同所5-リポキシゲナーゼ活性を抑制し, アスピリン喘息予防に有効であることをソディウムクロモグリセート (sodium cromoglicate : DSCG) 吸入療法との前向き無作為多施設二重盲検試駈で報告した。本報告ではアスピリン喘息例を無作為に2群に割りつけ外見上識別不可のソディウムクロモグリセート用カプセルにA群 (n=81) に神秘湯 (500μ9/1カプセル), B群 (n=80) にソデイウムクロモグリセート20mg/1カプセルを1日4回, ソディウムクロモグリセート用スピンヘラーで現治療を変化することなく6時間おきに追加吸入させた。3年間にわたり併発気管支喘息症状がいかに改善するか検討した。その結果, A群がB群に比較し, (1) 喘息自他覚症状, (2) 併用薬剤減量を統計的に右意に改善し, かつ (3) 副作用, 臨床検査値異常も少なかった。
    以上の結果, 神秘湯吸入療法は気管支喘息治療薬としソディウムクロモグリセートより優れている可能性が示唆された。すなわち, 従来漢方薬の実験系使用濃度を臨床用量の病変局所濃度差を神秘湯吸入療法という手段を用い実験系同等濃度に達して, 実験系で示された多彩な神秘湯の抗アレルギー, 抗炎症反応がアレルギー反応を示す気道で直接発揮しえた結果と考えられた。
  • 局所ステロイド薬の初期治療を中心に
    小岩 哲夫, 鈴木 秀明, 鈴木 直弘, 小林 俊光
    2004 年 47 巻 Supplement1 号 p. 28-32
    発行日: 2004/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    エアロゾル療法は薬剤を必要とする部位に高濃度に投与でき, そのため全身的な副作用を少なくすることができる。鼻腔は気道の入口であるため, 薬剤の投与は他の部位に比べ容易でありエアロゾル療法に適している。今回スギ花粉症患者にエアロゾル療法の一つである局所ステロイド薬併用の初期治療を行い, 臨床症状の発症を遅らせることができその治療効果を示すことができた。このことを中心にアレルギー性鼻炎に対するエアロゾル療法の有効性を述べる。
  • 内藤 健晴
    2004 年 47 巻 Supplement1 号 p. 33-37
    発行日: 2004/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    喉頭アレルギーは臨床的および基礎的研究から確実に存在すると考えられるようになってきた。アレルギー性病変にステロイドが有効であることには異論のないことから, 喉頭の病変がアレルギーであると確定できれば局所のステロイド療法は有用な方法と考えられる。喉頭アレルギーに対するステロイドのエアロゾル療法について検討することはエアロゾル療法の新たな展望が開ける点で我々耳鼻咽喉科医にとっては重要な課題といえる。しかし, 喉頭アレルギー症例へのステロイドのエアロゾル療法のまとまった治療成績の報告はない。
    そこで, 本論文では, まず喉頭アレルギーをどのように的確に診断するか, 次いでエアロゾル粒子がどのように喉頭粘膜に効率よく到達するか, 局所に到達したステロイドのエアロゾル粒子が喉頭で本当に臨床的薬効を発揮するのかについて論理的に提示することでエアロゾル療法が喉頭アレルギーに有用であり得ることを示した。
  • 気管支喘息のエアロゾル療法
    大河原 雄一
    2004 年 47 巻 Supplement1 号 p. 38-41
    発行日: 2004/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    気管支喘息は気道の慢性炎症性疾患であることから, 長期維持管理治療を必要とする。現在その第一選択薬として吸入ステロイド薬が推奨されているが, 従来のフロン製剤で定量噴霧式吸入薬 (MDI) のプロピオン酸ベクロメタゾン吸入薬 (CFC-BDP) はエアロゾルの空気動力学的粒子径 (MMAD) が大きい上噴射速度が速いため吸入効率が悪く, 臨床効果は不十分であった。現在, 代替フロン製剤のハイドロキシフルオロアルカン (HFA) -134aを噴射剤とする空気動力学的粒子径が最も小さいHFA-BDPやドライパウダー製剤が新たに開発されて, 吸入効率と肺内沈着率の改善により, より良好な臨床効果が得られるようになってきた。しかし, 新たな吸入ステロイド薬にも未だ問題点が多く, 十分な臨床効果を得るためには薬剤の特徴や患者の状態をよく把握して患者にあった吸入薬を選択し, さらに適切な吸入指導を繰り返し行う必要がある。今後, 喘息治療の更なる発展のためには, 患者の負担にならないより寛容な吸入ステロイド薬の開発が必要であると考える。
  • 竹内 万彦, 間島 雄一
    2004 年 47 巻 Supplement1 号 p. 42-44
    発行日: 2004/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    薬物を局所投与する利点として, 簡便にそして速やかにアレルギー反応の場に高濃度の薬物を投与できることのほか, 全身投与によって起こる副作用の回避があげられる。アレルギー病態では気道粘膜透過性が正常とは異なることを念頭におく必要がある。アレルギー疾患では気道上皮の透過性は亢進しており, 透過性亢進の機序は複雑ではあるが, 少なくともケミカルメディエーターであるヒスタミンとトロンビンが関与すると思われる。気道粘膜の透過性変化により薬剤の吸収が変化するので気道粘膜透過性を亢進させることで, 薬物吸収を亢進させることが可能である。
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