耳鼻咽喉科展望
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48 巻 , Supplement1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 勝井 則明, 真鍋 美智子, 喜多 英二
    2005 年 48 巻 Supplement1 号 p. 3-8
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    院内感染における医原性因子の一つであるネブライザーの微生物汚染対策について検討した。本研究では, 病院で使用中のネブライザーの管理方法と微生物汚染度との関連性, ネブライザーの消毒とその効果, 蛇管・鼻管あるいはエアフィルターからの汚染菌飛散の有無, ジェット式および超音波式ネブライザーについての細菌汚染試験, 超音波式ネブライザーの薬液カップの損傷と汚染菌の侵入性などについて調べ, ネブライザーの効果的かつ実際的な汚染防止対策をまとめた。
  • 平石 光俊, 石塚 洋一, 千葉 良子
    2005 年 48 巻 Supplement1 号 p. 9-12
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    芳香剤添加ネブライザー溶液の芳香剤の抗原性について, モルモットを用いた実験的研究を行った。芳香剤は1-メントール, ネブライザー溶液は塩酸セブメノキシムを使用した。抗原性試験はSchultz-Dale反応を用いた。1-メントール含有ネブライザー溶液のSchultz-Dale反応は陰性で, 1-メントールの抗原性は低いと考えられた。動物実験の検討であるが, ネブライザー溶液の薬液に添加する芳香剤としてよく用いられる1-メントールに抗原性を認めなかったことから, ネブライザー溶液に1-メントールを添加して用いても, 安全性に問題は少ないと考えられた。
  • 山田 満美, 高橋 昇, 山田 武千代, 藤枝 重治
    2005 年 48 巻 Supplement1 号 p. 13-16
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鼻粘膜の温熱療法は急性鼻炎やアレルギー性鼻炎の治療の一つとして知られているが, その作用機序については, 不明である。急性鼻炎やアレルギー性鼻炎において, ケモカインは主要な役割を担っているが, 鼻粘膜を構成する線維芽細胞は代表的産生細胞である。そこで我々は温熱療法の効果発生機序を調べるために鼻粘膜由来線維芽細胞からのケモカイン産生に対する温熱刺激による影響について検討した。
    方法 : 鼻粘膜由来の線維芽細胞を温熱刺激した後, 炎症性サイトカインであるTNFα, IL-1βで刺激し, そこから産生されるIL-8, RANTES, Eotaxinの量をELISA法で測定した。
    結果 : 温熱単独刺激ではII-1β刺激による変化がなかったのに比べ, IL-1βと温熱刺激の両方で刺激した場合では, IL-8産生量は抑制され, RANTES産生量は増強された。TNFαの刺激時には温熱刺激を与えた場合と与えない場合でのIL-8やRANTESの産生量に変化がなかった。また, IL-4刺激下でのEotaxin産生量について比較したが, これも温熱刺激による影響はなかった。
  • 吉山 友二, 橋倉 利佳, 菅家 甫子, 朝井 慶
    2005 年 48 巻 Supplement1 号 p. 17-21
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    メプチン吸入液ユニット (塩酸プロカテロール) は, 1回使いきりを可能としたネブライザー専用薬剤として有用視されている。今回, メプチン吸入液ユニットについて, ネブライザーにより噴霧されたエアロゾルが至適粒子径を持ち治療の標的部位に到達しているかをCascade Impactor法により検証した。メプチン吸入液ユニットはメッシュ式超音波ネブライザーNE-U22による噴霧に対して安定で, 薬剤は治療の標的部位である細気管支に到達されるため, 治療上有効な薬剤であることが示唆された。また, メッシュ式超音波ネブライザーNE-U22ではメプチン吸入液ユニットを原液で噴霧することができることから, 吸入時間の短縮および発作症状の速やかな改善が期待でき, 患者のQOLの向上に大きく貢献し得ると考えられる。総じて, 簡便性および誤飲の危険性を回避し得るメプチン吸入液ユニットによるネブライザー療法は大変有用で, 利便性が向上した新型ネブライザーの登場と相俟って, 多くの患者に福音をもたらすことを強調したい。
  • 夏目 秀視, 前野 拓也, 大竹 一男, 森本 雍憲
    2005 年 48 巻 Supplement1 号 p. 22-29
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ポリカチオンの一つであるポリモアルギニン (poly-L-Arg) の高分子医薬品の経鼻吸収促進メカニズムを電気生理学的手法および免疫抗体法により検討した。家兎摘出鼻粘膜にポリ-L-アルギニンを適用すると, 自発的膜電位 (PD) および短絡電流 (Isc) は一過性に上昇し, その後減少した。阻害実験からこの初期の自発的膜電位および短絡電流の一過性の上昇は, ポリーレアルギニンによるモデル高分子薬物のFD-4の透過の促進とは関係していなかった。ポリ-L-アルギニン適用後の自発的膜電位および短絡電流から計算した経上皮電気抵抗 (TEER) は, 自発的膜電位および短絡電流の減少に伴い減少し, これに一致するようにFD-4の透過は増加した。この現象を種々の阻害剤を用いて調べ, また免疫抗体法によりtight junction関連タンパク質 (ZO-1, occludin) を染色した結果, メカニズムの一部は, カルシウム非依存的なシグナリング分子の活性化を導くような細胞内イベントを介して, セリン/スレオニンキナーゼを活性化してZO-1のセリン/スレオニン残基のリン酸化によりZO-1を細胞内へ分散させる一方, チロシンポスファターゼを活性化してoccludinのチロシン残基の脱リン酸化によりoccludinを細胞内へ分散させ, 結果的に細胞間隙部が開口し, 水溶性高分子薬物の透過を促進したと考えられた。このように, ポリ-L-アルギニンは, tight junctionの調節に働き, 高分子薬物の経鼻吸収性を改善できる極めて有用な添加物として期待される。
  • 大越 俊夫, 大木 幹文
    2005 年 48 巻 Supplement1 号 p. 30-35
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    今回は「ネブライザー機器の使用状況と問題点」としておもにネブライザー機器本体の使いやすさ, また汚染などに対する保守・点検などを問題点として取り上げ検討した。方法は全国の大学病院耳鼻咽喉科73施設, 実地医家の先生方92施設の計165施設に対しアンケート調査を行った。アンケート内容はネブライザー治療の有無, 使用機種および作製メーカー, 使用上の注意点, ネブライザー機器の点検の有無, 希望する改良点などについて行った。
    その結果, 大学群ではネブライザー治療を行っている施設は56施設 (76.7%), 行っていない施設は17施設 (233%) であった。実地医家群では全92施設においてネブライザー治療が行われていた。使用機種別に見ると, 大学群56施設中, ジェットネブライザーのみが39施設, 超音波のみが8施設, 両方使用が9施設であった。
    実地医家92施設では, ジェットのみ56, 超音波のみ7, 両方使用29施設であった。
    ネブライザー機器に対し何らかの点検を行っていた施設は大学群41 (73.2%), 実地医家群69 (75%) であった。機器の点検はメーカーに依頼されていることが多かった。ネブライザー機器使用の注意点, 希望改良点は両群とも同じであり, 注意点は機器の消毒, ネブライザー液の汚染や細菌感染, 薬剤アレルギー, 部屋の換気などであった。希望改良点は消毒しやすい機器の開発, 噴霧液の逆流防止, 機器の小型化・軽量化, モーター音の改善などであった。
  • 耳鼻咽喉科実地医家の立場より
    小山 悟
    2005 年 48 巻 Supplement1 号 p. 36-39
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    耳鼻咽喉科実地医家において, ネブライザー療法は局所に効率よく薬剤が到達する上, 無痛性で, 投与も簡便なため, 幼年児から高齢者にいたるまで汎用される局所療法である。現在, 耳鼻咽喉科領域で, 最も販売台数の多い外来ネブライザー機器のタイプは, ジェット型ネブライザーで薬液内蔵型である。このタイプは複数の人数分の薬液を一度にかつ事前に作り収納でき, 使用時に薬液量や薬剤の入れ間違いがなく, 人体に接する吸入器の部位のみ交換するだけでよいため, 忙しい外来診療にあって大変有用である。しかし機器に頼るところも多く, これを介する問題点もある。検討すべき点として, 1) 機器を介しての院内感染, 2) 複雑な構造, 3) 器具の消毒法, 4) 吸入器具の品質, 5) 圧縮空気, フィルター, 6) 定期的なメンテナンスシステムなどがあげられた。
  • 竹内 万彦, 今西 宜義, 間島 雄一
    2005 年 48 巻 Supplement1 号 p. 40-43
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    耳鼻咽喉科外来で一般的に使用されている薬液内蔵式ネブライザーユニット内の細菌感染の状況を把握するために, 11施設において細菌検査を行った。ネブライザー球内とそれに連結するチューブの洗浄液および噴霧エアーから培養し, 菌数の測定と菌同定試験を行った。その結果, ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌が比較的多く検出され, Corynebacterium sp, P. aeruginosa, S. Paucimobilisなどの細菌が検出された。ネブライザーユニットの器具洗浄法の改善により, 細菌数を著明に減少することができた。
  • 吉田 慶司, 本林 健
    2005 年 48 巻 Supplement1 号 p. 44-48
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    当社のジェット式ネブライザーは, 副鼻腔炎の治療を行う上で, 効果的なエアロゾル粒子が出ていることが確認された。噴霧圧力は0.08MPaが最適である。ネブライザー装置本体の点検を行うことは, 副鼻腔炎のネブライザー療法を効果的に行う上で重要と考えられる。今後は感染症対策を踏まえた, より安全でメンテナンスが簡易な製品の開発に努めていきたい。
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