耳鼻咽喉科展望
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51 巻 , 4 号
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カラーアトラス
綜説
  • 池田 稔, 生井 明浩, 佐藤 正美, 野村 泰之
    2008 年 51 巻 4 号 p. 208-214
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/11/19
    ジャーナル フリー
    Burning tongue syndrome is a collective name for diseases that cause a burning pain of the tongue, however, no clear clinical or laboratory abnormalities may be observed. The pain is a superficial, described as a burning sensation, and may occur in the tongue, palate, lips, buccal mucosa, gingiva, and teeth. Seventy-five percent of patients with burning tongue syndrome are middle aged women in their 50's and they are often post-menopausal. However, this syndrome may be observed in all ages regardless of gender. A variety of pathological causes have been proposed for this mysterious syndrome.
    Pain can be classified as nociceptive, neuropathic, or psychogenic, and the mechanism for the onset of burning tongue syndrome has been investigated in relation to all of these. Pain can be classified as acute or chronic. While acute pain may be alleviated with rest or analgesics, chronic pain lasts beyond a reasonable time needed for healing of an acute disease or wound and it may overlap with psychogenic pain. Many cases of burning tongue syndrome have been classified as chronic pain (psychogenic pain).
    Marked inflammation or tissue damage in burning tongue syndrome that are sufficient to account for the pain have not been detected. However, mild glossitis, micro-trauma caused by dentures, and dry mouth are often observed. Therefore, burning tongue syndrome may result from chronic pain caused by chronic irritation to the nociceptor in these minor lesions. In recent years, burning tongue syndrome has been proposed to be a neuropathic pain of the lingual nerve involving a taste disorder.
    Since the causes and background factors of burning tongue syndrome are not obvious, multiple treatments exist. The cases with dry mouth are treated with oral drugs such as pilocarpine hydrochloride, to promote salivation. For cases with taste disorder, zinc therapy using polaprezinc has been effective. For cases with suspected non-organic pain, anti-anxiety drugs or anti-epileptics, such as benzodiazepine, are recommended. The anti-epileptics, Rivotril® and Landsen®, enhance the GABA neuron activity specifically and are considered to be effective for neuropathic pain in burning tongue syndrome. For cases with masked depression, tetracyclic antidepressants or SSRIs are recommended. Patients with masked depression may have physical complaints and autonomous neurological symptoms, while the symptoms of depression are inconspicuous. Therefore, they have some common characteristics with patients with burning tongue syndrome.
臨床
  • 大橋 正嗣, 千葉 伸太郎, 太田 史一, 森山 寛
    2008 年 51 巻 4 号 p. 215-221
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/11/19
    ジャーナル フリー
    気管内狭窄や声門開大障害などによる気道狭窄は比較的まれであり, 睡眠時無呼吸症候群を合併した症例の報告はごく少数である。今回われわれは気道狭窄を合併した閉塞型睡眠時無呼吸症候群の3症例に対して, 閉塞部位診断および努力性呼吸の評価目的に咽頭食道内圧検査を併用した終夜ポリグラフ検査を施行した。検査結果からは3症例いずれも著明な努力性呼吸を認めたが, 無呼吸の原因となる閉塞部位は異なっていることが推測された。治療として3症例中2例においてCPAPを施行し有効であった。3症例の病態の解明には喉頭ファイバースコピーや画像検査による喉頭・気管の器質的な狭窄の診断と, 咽頭食道内圧測定による機能的な閉塞部位診断の両者が必要であると考えられた。
  • 井上 真規, 中川 千尋, 小倉 健二, 佃 守
    2008 年 51 巻 4 号 p. 222-225
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/11/19
    ジャーナル フリー
    逆性歯牙とは歯冠部が正常の萌出方向と逆の方向へ向かい, 固有鼻腔内や上顎洞内, 上顎骨内へ転位した歯牙のことをいうが, 無症状に経過することも多い。今回我々は, 当院にて初めて鼻腔内逆性歯牙の症例を経験したので報告する。本症例は, 左鼻違和感にて当科を受診した。左鼻腔内所見では左総鼻道底部に骨様の腫瘤を認め, CTでは左固有鼻腔内鼻底部に歯牙様陰影を認めた。生来, 歯列は正常であり欠如歯牙もなかったことから, この腫瘤を過剰歯牙と考え抜歯を行った。病理組織所見は犬歯であった。
    以上より固有鼻腔内に萌出した過剰犬歯の逆性歯牙と診断された。原因としては歯胚の転位が最も多く, 本症例でも歯胚転位が原因と考えられた。
  • 嶋根 俊和, 古矢 彩子, 三邉 武幸, 洲崎 晴海
    2008 年 51 巻 4 号 p. 226-231
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/11/19
    ジャーナル フリー
    耳下腺腫瘍の治療は, 手術療法が第1選択となる。しかし, 耳下腺内には顔面神経が走行しており手術後に顔面神経麻痺の可能性があるため, 患者側も手術をためらうことがある。病理組織像も多彩で, 術前に診断をつけるのが困難な場合も少なくない。今回我々は, 2002年4月から2007年3月までの5年間に, 当科で治療を行った耳下腺腫瘍84例について年齢, 性別, 病理組織, 病悩期間, 腫瘍の大きさ, 腫瘍の局在, 術後合併症, さらに症例数の多かった多形腺腫, ワルチン腫瘍について検討を行ったので報告する。
    全体の平均年齢は55.5歳, 性別は男性43例 (51.2%), 女性41例 (48.8%) であり, 良性腫瘍が80例 (95.2%), 悪性腫瘍が4例 (4.8%), 病理組織学的分類では, 多形腺腫29例 (34.5%), ワルチン腫瘍35例 (41.6%) であった。腫瘍の大きさは, 8mmから92mmで平均29.7mm, 腫瘍の局在では, 浅葉55例 (65.5%), 深葉29例 (34.5%) であった。
    合併症は, 顔面神経麻痺14例 (16.7%), 唾液瘻10例 (11.9%), フライ症候群1例 (1.2%), 合併症率25例 (29.8%) であった。
    多形腺腫とワルチン腫瘍の比較では, 多形腺腫の方が平均年齢が低く, 女性に多く認められ, ワルチン腫瘍は平均年齢が高く, 男性に多く認められた。病脳期間はワルチン腫瘍の方が長く, 大きさもワルチン腫瘍の方が大きかった。腫瘍の局在は, 多形腺腫が浅葉に多く認めるのに対し, ワルチン腫瘍では浅葉と深葉に明白な差を認めなかった。術後合併症においては両腫瘍に差は認められなかった。
  • 門田 哲弥, 古矢 彩子, 嶋根 俊和, 寺尾 元, 三邉 武幸
    2008 年 51 巻 4 号 p. 232-236
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/11/19
    ジャーナル フリー
    神経鞘腫は末梢神経のSchwann細胞に由来する良性腫瘍である。したがって末梢神経系では全身のどこにでも発生する可能性がある。今回我々は頸部舌神経由来の神経鞘腫の1例を経験したので報告する。本症例は顎下神経節から発生しており, 顎下腺腫瘍, 慢性顎下腺炎との鑑別が困難であった。さらに術中, 由来神経が特定でき神経を切断せずに被膜下摘出を行い, 術後に神経脱落症状が出現したが約2週間で改善したというまれな症例であった。
    症例は16歳女性で右顎下部腫脹を主訴に受診した。術前にCT, 超音波, 穿刺吸引細胞診では診断がつかず, 術中迅速病理にて良性の神経鞘腫と診断した。手術は顕微鏡下で神経温存のため被膜下摘出術を施行し, 術後右側の舌のしびれ, 腫脹感は自覚したが約2週間で改善し, 良好な経過をおさめることができた。
解説
  • 渡辺 美智子, 馬目 佳信
    2008 年 51 巻 4 号 p. 237-242
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/11/19
    ジャーナル フリー
    難聴に関連する遺伝子異常については, 近年, 自然発症の難聴モデルマウス解析などから次々と同定・報告されている。本稿では独自に系統化した難聴モデルマウス系を用い, 連鎖解析法による難聴発症の原因と予測される変異遺伝子の解析について述べる。難聴原因遺伝子が存在する染色体の同定はマウス各染色体上のマイクロサテライトを指標とし, 連鎖解析を行うための交配対象マウスとして, ゲノムのマイクロサテライト解析が明らかにされているMus. m. castaneus (CAST) を選択した。聴性脳幹誘発電位測定 (ABR) により難聴が確認されたマウスに対する連鎖解析を行った結果, この自然発症高度感音難聴モデル系では単一遺伝子の異常が予測され, その遺伝子は第11染色体に存在することが明らかになった。
境界領域
  • 小林 信一
    2008 年 51 巻 4 号 p. 243-249
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/11/19
    ジャーナル フリー
    EBウイルスは, 発癌ウイルとして知られているが, 特に小児領域で多くみられる疾患は伝染性単核球症, 移植後リンパ増殖性疾患 (Post-transplant lymphoproliferative disorder, PTLD), EB関連血球貪食症候群 (EB-VAHS, EB-HLH hemophagocytic lymphohistiocytosis), 伴性リンパ増殖性疾患 (X-Linked lymphoproliferative syndrome, XLP, Duncan症候群), 慢性活動性EBウイルス感染症などである。
    この中で特に現在問題となっている疾患は慢性活動性EBウイルス感染症である。これは発熱, リンパ節腫脹, 肝脾腫, 咽頭痛などが反復または持続して出現し, 基礎疾患を有せずEBウイルス抗体価の異常高値を示す。予後は不良で, NK細胞に感染した26例中5例 (20%), T細胞に感染した34例中17例 (50%) が死亡している。治療にはacyclovir, ganciclovir, ara Aなどの抗ウイルス剤, プレドニン, シクロスポリン, VP16, 各種抗腫瘍剤の併用 (CHOP療法など), IFNα, 活性化T細胞輸注療法などが試みられているが, 明らかに有効な治療法はまだ確立していない。骨髄移植は24例で行われたが生着は50%とやや低く, 現段階では唯一の根治療法とはいえない状況である。今後より有効な治療法の開発が急務である。
画像診断
薬剤の特徴と注意点
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