耳鼻咽喉科展望
Online ISSN : 1883-6429
Print ISSN : 0386-9687
ISSN-L : 0386-9687
51 巻 , 6 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
カラーアトラス
綜説
  • 藤枝 重治
    2008 年 51 巻 6 号 p. 420-435
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/01/21
    ジャーナル フリー
    Occupational rhinitis (OR) and occupational asthma (OA) are closely associated and share aetiological agents. Although the prevalence and determiants of OA have been widely studied, the epidemiology of OR has been investigated less, mainly because it is not considered such a serious disease. Additionally, there is no standardized approach to diagnosing OR. Several determinants of OR (such as incidence, pervalence, natural history and pathogenic mechanisms) are not well understood, and the morbidity burden of OR on workers remains unknown. However, several surveys of workforces exposed to sensitizing agents indicate that OR is two to four times more common than OA.
    This review covers new developments on the diagnosis, monitoring, management, and socio-economic impact, preventive strategies and medicolegal issues. We most emphasize that OR will develop OA. It is a particularly important point as an accurate and early recognition of OR in surveillance programs is not only important per se, but also useful in the prevention and early diagnosis of OA.
研究
  • 清水 雅明, 小川 恭生, 萩原 晃, 鈴木 伸弘, 鈴木 衞
    2008 年 51 巻 6 号 p. 436-441
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/01/21
    ジャーナル フリー
    内耳疾患における前庭誘発筋電位 (Vestibular Evoked Myogenic Potential: VEMP) について検討した。対象は2002年4月から2007年5月までに東京医科大学耳鼻咽喉科を受診し前庭誘発筋電位を施行したメニエール病62例, 突発性難聴33例, 前庭神経障害39例とした。結果はメニエール病で19耳 (30.0%), 突発性難聴で9耳 (27.2%), 前庭神経障害の13耳 (33.3%) に前庭誘発筋電位異常を認めた。メニエール病, 突発性難聴において, 前庭誘発筋電位正常例と異常例間に聴力レベルの検定で有意差を認めた。前庭神経障害において, 前庭誘発筋電位異常例に眼振消失期間の遷延傾向がみられた。前庭神経障害を分類すると, 半規管麻痺があり前庭誘発筋電位正常の症例の占める割合が20例 (51%) と最多で, 半規管麻痺があり前庭誘発筋電位異常のある症例が7例 (17%), 半規管麻痺がなく前庭誘発筋電位異常のある症例が6例 (15%), 半規管麻痺がなく前庭誘発筋電位正常の症例は6例 (15%)であった。前庭誘発筋電位はメニエール病と突発性難聴の聴力予後推定に有用であることが示唆され, また前庭神経障害の障害部位の推定に有用であると考察された。
臨床
  • 本間 悠介, 橋本 茂久, 大野 雅昭, 野村 智幸, 高橋 姿
    2008 年 51 巻 6 号 p. 442-446
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/01/21
    ジャーナル フリー
    2003年4月から2006年3月までの3年間に, 当科を受診した特発性鼻出血症例442例について検討した。
    対象は男性242例, 女性200例であった。平均年齢は58歳で, 50~70歳代に多くみられ, 月別受診者数は夏季 (7~9月) が他の季節に比較して有意に少なかった。出血部位は鼻腔前部が全体の48%を占めたが, 出血点不明および受診時止血状態であった症例が40%に及んだ。止血処置は軟膏ガーゼによる圧迫が227例 (51%), 電気凝固・化学的焼灼が83例 (19%) に行われた。基礎疾患をみると, 高血圧が114例 (26%) で最も多く, 次いで高血圧以外の循環器疾患が50例 (11%) であった。出血素因となる薬剤については, 抗血小板薬が51例 (11%), ワーファリン® が36例 (8%) に内服していた。再出血症例は55例 (12%), 入院症例は28例 (6%) に及び, それらの症例では関連する基礎疾患の合併率, 出血素因となる薬剤の内服率とも上昇し, 特にワーファリンの内服率は入院症例で有意に上昇していた。鼻出血の治療はその症例に適した止血処置を行うとともに, 再出血のリスクが高い患者には, 再出血時の対応に十分な説明が必要と考えられた。
  • 吉福 孝介, 黒野 祐一
    2008 年 51 巻 6 号 p. 447-451
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/01/21
    ジャーナル フリー
    鼻中隔膿瘍は, 比較的稀な疾患となりつつあるが, 早期診断・治療がなされなければ, 鞍鼻や非常に稀ではあるが髄膜炎, 海綿静脈洞血栓症, 敗血症などの重篤な合併症を引き起こす可能性のある疾患であり注意を要する。今回, 鼻中隔膿瘍を発症した1症例を経験したので報告する。症例は56歳女性で主訴は両鼻閉, 鼻痛であった。近医にて下垂体腺腫を発見され, 平成20年4月2日, 当院脳神経外科にて全身麻酔下に右経鼻的下垂体腺腫摘出術を施行した。5月上旬から鼻閉感, 鼻部圧痛を認め, 5月13日に脳神経外科を受診し, 同日当科紹介となった。前鼻鏡所見では, 両側鼻中隔粘膜は高度に腫脹し鼻腔全体を閉塞していた。副鼻腔造影CT検査にて, 鼻中隔膿瘍と診断した。局所麻酔下に切開排膿ドレナージ術を施行し5月21日に退院となった。本症例の原因としては, 手術のアプローチ部位よりも前方にあり特発性とも考えられるが, Hardy鼻鏡挿入などの術中操作による鼻粘膜の損傷が原因と思われ, 手術による影響が考えられた。また, 幸い重篤な合併症も起こさず治癒したが, 鞍鼻を生じてしまったことは残念であった。
  • 岩井 久幸, 溝呂木 紀仁
    2008 年 51 巻 6 号 p. 452-455
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/01/21
    ジャーナル フリー
    気管内チューブ抜管後に生じた披裂軟骨脱臼の1症例を経験した。症例は40歳男性, 心不全にて入院治療中に心肺停止を来たしたため, 緊急気管内挿管を施行した。全身状態軽快により, 気管内チューブ抜管後に嗄声が出現した。喉頭ファイバースコープ検査及びCT検査を施行し披裂軟骨脱臼と診断し, 静脈麻酔下にて非観血的披裂軟骨脱臼整復術を施行した。披裂軟骨脱臼は, 症状として嗄声が多いため, 反回神経麻痺と診断され見逃されることが度々ある。嗄声を訴える場合には, 披裂軟骨脱臼も鑑別疾患の一つとして考慮するべきである。
境界領域
  • 南波 広行, 和田 靖之
    2008 年 51 巻 6 号 p. 456-461
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/01/21
    ジャーナル フリー
    アデノウイルスは, 咽頭結膜熱や流行性角結膜炎などの原因ウイルスで, こうした感染症以外にも, 肺炎, 肝炎, 胃腸炎, 脳炎など多彩な病態をとることが特徴である。呼吸器感染症の病因として, アデノウイルスは全体の10%程度を占める。現在51の血清型が明らかになっている。国立感染症研究所が行っているサーベイランスからは, 3型の分離頻度が高く, 夏季に流行する咽頭結膜熱を除けば, 明らかな季節的偏りは認められず, 日常しばしば遭遇するウイルス感染症である。自然軽快する疾患がほとんどであるが, 1990年代後半には乳幼児におけるアデノウイルス7型による致死的な重症肺炎が多発した。幸いにも, 現在のところその流行は終息しているが, 14型や30型など他の血清型による重症肺炎の報告も散見される。迅速診断キットの改良により, その診断精度も向上しており, 一般外来での診断も容易になった。また, 比較的感染力が強く, 感染対策においても重要なウイルスである。
画像診断
薬剤の特徴と注意点
学会関係【第3回 頭頸部表在癌研究会】
feedback
Top