耳鼻咽喉科展望
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54 巻 , 1 号
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カラーアトラス
綜説
  • 宮崎 総一郎, 小林 隆一, 北村 拓朗
    2011 年 54 巻 1 号 p. 10-18
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/15
    ジャーナル フリー
    睡眠は高度の生理機能に支えられた積極的な適応行動であり, 健康を支えるための重要な役割を担っている。睡眠障害初診患者のうち, 睡眠時無呼吸症候群を中心とした睡眠呼吸障害が半数以上を占める。睡眠時無呼吸症候群では, 睡眠中の呼吸努力により呼吸中枢を介して呼吸性覚醒が生じ, 結果として睡眠の分断化, 睡眠障害へとつながる。質の良い睡眠がとれないことで, 睡眠時無呼吸症候群は, 循環器疾患や脳卒中, 糖尿病の発症に関連し, 集中力・記憶力・学習能力や感情のコントロール, 作業能率などを障害し, 産業事故, 交通事故等の原因となる。多彩な症状で臨床各科を横断的に受診する可能性が高い睡眠時無呼吸症候群を診療する際に, 陥りやすいピットフォールについて, 著者が今までに経験した症例, 文献からの症例報告に睡眠学の知見をまじえて概説した。
臨床
  • 若山 仁久, 池田 拓, 中島 逸男, 平林 秀樹, 春名 眞一
    2011 年 54 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/15
    ジャーナル フリー
    鼻腔異物は小児を中心とし, 日常診療でしばしば遭遇する疾患である。2005年1月から2010年8月までの過去5年8ヵ月間に当科を受診した小児の鼻腔異物症例は281症例であった。今回我々は年齢, 性別, 受診年, 受診月, 異物の形状・性質・大きさ, 合併症の有無などを検討した。症例の平均年齢は3.6歳 (SD±1.5歳) であり, 性差は認めなかった。異物の直径は平均8.6mm (SD±2.3mm) であった。気管異物や鼻中隔穿孔などの重篤な合併症を認める例はなかった。学童期以前の幼児には直径が6~12mmのものは鼻腔異物となる可能性が高く, 注意を要すると考えた。
  • 林 武史, 森 智昭, 嶋根 俊和, 卯月 彩, 江川 峻哉, 池田 賢一郎, 三邉 武幸
    2011 年 54 巻 1 号 p. 24-29
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/15
    ジャーナル フリー
    頸動脈小体腫瘍は比較的稀な腫瘍であり, 治療法は外科的切除による腫瘍の摘出が第一選択とされている。しかし, その解剖学的特徴から合併症として術中の頸動脈損傷や腫瘍からの出血, 術後神経障害が問題となる。そのため, 安全で正確な手術操作のためには術前画像診断で腫瘍と頸動脈との位置関係を正確に把握することが重要である。また術中の頸動脈操作を行ううえで, 術前の栄養血管塞栓術やBalloon Matas testは有用とされている。今回我々は, 当科で頸動脈小体腫瘍と診断し, 術中に頸動脈からの出血を認めたが, 術前の栄養血管塞栓術, 術中の血管修復術により後遺症を残さず腫瘍を摘出した症例を経験した。本腫瘍は術中・術後とも, 脳梗塞や神経障害など重篤な合併症を起こすことが危惧されるため, 他科との連携も重要であると考えられた。
  • 小林 賀子, 清水 顕, 北村 剛一, 飯村 陽一, 伊藤 博之, 鈴木 衞
    2011 年 54 巻 1 号 p. 30-34
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/15
    ジャーナル フリー
    耳介に発生したbasosquamous cell carcinomaを経験した。
    症例は60歳男性, 左耳介のびらんが治らないため受診した。数回の病理組織検査で判断がつかず, 増大傾向があったことより軟骨を含めて生検したところ, 診断結果は基底細胞癌であった。外科的切除を施行したところ, 術後病理診断ではbasosquamous cell carcinomaであった。手術から2年経過した現在も再発はみられていない。
    Basosquamous cell carcinomaは, その特徴のため治療前に確定診断される例が少ない。術前基底細胞癌と診断されても浸潤傾向にある場合は, 本疾患も考慮し十分な手術計画が必要である。
境界領域
画像診断
薬剤の特徴と注意点
薬剤関係
  • 黒野 祐一, 森山 一郎, 茶園 篤男, 友永 和宏, 大堀 純一郎, 松根 彰志
    2011 年 54 巻 1 号 p. 49-61
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/15
    ジャーナル フリー
    最近開発されたキノロン系抗菌薬, ガレノキサシンの臨床効果とその効果発現の速さについて, 16歳以上の上気道感染症患者 (急性副鼻腔炎32例, 慢性副鼻腔炎急性増悪20例, 急性扁桃炎18例) を対象に検討を行った。ガレノキサシンは1日1回400mgを7日間経口投与とし, ガレノキサシンの効果発現の速さを正しく評価するために患者日記を用い自覚症状の各項目の状態を毎日記録した。臨床効果は自覚症状と他覚所見の改善度から総合的に判定した。各疾患とも自覚症状項目のほとんどが, ガレノキサシン投与3日目で日常生活に支障のないレベルまで有意に改善し, 投与終了時の有効率は急性副鼻腔炎96.9%, 慢性副鼻腔炎急性増悪90.0%, 急性扁桃炎100%であった。副鼻腔炎のX線所見では, ガレノキサシン投与早期から改善し投与終了時の改善度は急性副鼻腔炎90.0%, 慢性副鼻腔炎急性増悪47.1%であった。急性扁桃炎の痛みの改善度は, 非ステロイド系解熱鎮痛薬 (NSAIDs) 併用の有無に関わらず速やかな改善を認めた。今回の検討でガレノキサシンは, 成人の上気道感染症に対して投与後早期から優れた治療効果をもたらすことが確認され, 難治性が予想される症例に対しては第一選択となりうる抗菌薬と考えられた。
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