耳鼻咽喉科展望
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55 巻 , 2 号
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カラーアトラス
綜説
臨床
  • 小島 博己, 谷口 雄一郎, 山本 和央, 近澤 仁志, 中条 恭子, 小森 学, 田中 康広, 森山 寛
    2012 年 55 巻 2 号 p. 84-91
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/04/15
    ジャーナル フリー
    錐体部真珠腫症例20例20耳について手術法, 手術成績などを検討した。進展範囲からの分類では広範迷路型が11耳, 迷路上型が8耳, 迷路下型が1耳であった。聴力保存術式である経中頭蓋窩法または経上半規管法などは11耳に施行され, 聴力保存の成績は良好であった。症例によっては積極的に聴力を保存すべきであると考えられた。
  • 井上 雄太, 矢部 多加夫, 平石 光俊
    2012 年 55 巻 2 号 p. 92-98
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/04/15
    ジャーナル フリー
    片頭痛に関連してみられるめまい症例に対し, 片頭痛関連めまいという疾患概念が提唱されているが我が国ではあまり認知されていなかった。片頭痛関連めまいは国際頭痛分類第2版に診断基準の記載がなく, いくつか診断基準が提唱されているがNeuhauserらによるものが一般的である。この度片頭痛関連めまい4症例を経験したので文献的考察と既に診断基準がある小児良性発作性めまい症, 脳底型片頭痛等との関連について報告する。症例1は44歳男性。症例2は6歳男児。症例3は34歳女性。症例4は36歳女性。いずれもロメリジンを投与開始後症状の改善を認めた。予防的治療薬のロメリジンが成人のみならず小児でも有効であった。めまい外来における片頭痛関連めまいの患者割合は欧米で約7%, 本邦では約3.5%との報告があり, めまいと頭痛を合併する症例は片頭痛関連めまいも考慮する必要があると思われる。
  • 新井 千昭, 飯村 慈朗, 渡邊 統星, 山本 耕司, 宇野 匡介, 太田 史一
    2012 年 55 巻 2 号 p. 99-104
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/04/15
    ジャーナル フリー
    気管支喘息合併のある好酸球性副鼻腔炎症例およびアレルギー性鼻炎合併のある好酸球性副鼻腔炎症例に対し手術的治療を施行し, 術後治療として鼻内洗浄, ロイコトリエン受容体拮抗薬内服, ステロイド点鼻を行っていた。そして術後経過中に血管炎症状が出現し, Churg-Strauss症候群と診断された2症例を経験した。
    Churg-Strauss症候群は重症症例では呼吸不全, 腎不全, 心不全などにより死に至る疾患であり, ロイコトリエン受容体拮抗薬およびステロイド薬が発症の原因薬剤となる可能性がある。好酸球性副鼻腔炎症例の治療としてこれらの薬剤を必要とするが, 耳鼻咽喉科医としては局所だけではなく全身状態を把握しChurg-Strauss症候群を疑った際には原因薬剤の中止, 内科との協力をスムーズに行うことが早期診断, 早期治療へ繋がると考える。
  • 山川 秀致, 月舘 利治, 今野 渉, 穐吉 亮平, 平林 秀樹, 春名 眞一
    2012 年 55 巻 2 号 p. 105-111
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/04/15
    ジャーナル フリー
    眼窩内および鼻副鼻腔IgG4関連疾患の1例を経験した。症例は62歳男性, 主訴は右眼周囲腫脹と右鼻汁であった。副鼻腔CTにて両側篩骨洞・右上顎洞・蝶形骨洞・眼窩内に陰影を認め, 眼窩内腫瘍の疑いにてナビゲーション下に鼻内内視鏡手術を行った。右篩骨洞は浮腫様であった。右眼窩紙様板を除去し, 眼窩骨膜を切開すると眼窩内の組織は脂肪の少ない結合織のようであった。眼窩骨膜, 眼窩内組織, 篩骨洞粘膜を病理組織検査へ提出したところHE染色にて形質細胞の浸潤を認めた。免疫染色ではIgG4陽性の形質細胞を多数認めたためIgG4関連疾患と診断した。血清IgG, IgG4値を測定したところそれぞれ1,933mg/dl (870~1,700), 921mg/dl (4.8~105) と高値であった。ステロイド薬治療により右眼周囲腫脹は著明に改善し現在のところ再燃はなく経過観察中である。
    副鼻腔陰影を伴う眼瞼腫脹症例においては鼻性眼窩内合併症, 悪性リンパ腫などの腫瘍の他に, IgG4関連疾患を念頭に入れなければならない。
  • 高石 慎也, 岡野 晋, 飯野 孝, 牧野 陽二郎, 石田 勝大, 加藤 孝邦
    2012 年 55 巻 2 号 p. 112-117
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/04/15
    ジャーナル フリー
    腎細胞癌に対する根治的腎摘出術後の長期経過を経てからの耳下腺転移は稀である。我々は腎細胞癌に対する根治的腎摘出後10年を経て肺, そして耳下腺に転移をきたした症例を経験したので報告する。
    症例は57歳男性, 主訴は左耳下部腫瘤であった。他院にて腎細胞癌に対し根治的腎摘出術を施行され, 術後10年を経て左耳下部腫瘤を認め当院に紹介受診となった。各種検査を行うも診断の確定にはいたらず, 臨床経過からは腎細胞癌の耳下腺転移も疑われたが, 明らかな悪性を示唆する所見や臨床症状を認めないため経過観察の方針となった。その後3年の経過を経て耳下部腫瘤の急速な増大, 疼痛および顔面神経麻痺を認めたために手術を行った。病理結果は淡明細胞癌であり, 腎細胞癌の転移と考えられた。
    転移性耳下腺腫瘍の術前診断において, 画像検査や穿刺吸引細胞診などの検査では診断の確定が困難であり, 病歴, 臨床症状, 経過などより総合的に判断をすることが必要である。治療については予後やQOLを考え, 個々の症例に応じた治療を行う必要があると考える。
解説
  • 間島 雄一
    2012 年 55 巻 2 号 p. 118-125
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/04/15
    ジャーナル フリー
    好中球を中心とする炎症による慢性鼻副鼻腔炎は副鼻腔自然口の閉鎖が主な成因である。好酸球性副鼻腔炎は気道全体にまたがる全身疾患が鼻・副鼻腔に出現していると考えるべきであろう。診断は「鼻副鼻腔炎と鼻茸についてのEuropean position paper」の慢性鼻副鼻腔炎の定義を参考にする。治療効果の判定は自覚症状, 他覚所見のsymptom scoreの改善度を組み合わせて評価する。治療効果の判定にはSNOT-20などの慢性鼻副鼻腔炎に特化したQOLの評価も欠かせない。小児における慢性鼻副鼻腔炎の病態は成人のそれとはかなり異なっているため, 同一の疾患として取り扱うべきではない。好中球を中心とした副鼻腔炎は患者が症状に悩み一定期間の保存的療法に効果がなければ鼻内副鼻腔手術を施行する。好酸球性副鼻腔炎は患者が鼻茸による鼻閉や粘膿性鼻漏に悩むようであれば手術療法を施行する。経口薬物療法とくにマクロライド療法, システイン製剤, ステロイド, ロイコトリエン受容体拮抗薬について効果と適応を示した。またエアロゾル療法の効果についても述べた。
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