耳鼻咽喉科展望
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55 巻 , 4 号
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カラーアトラス
臨床
  • 力武 正浩, 加我 君孝
    2012 年 55 巻 4 号 p. 212-217
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/15
    ジャーナル フリー
    二分脊椎 (spina bifida) は神経管欠損の一種であり, 脊椎裂または脊柱の不完全癒合を呈す疾患である。二分脊椎によって引き起こされる症状として, 水頭症, 髄膜炎, 裂傷部より下位の筋肉の衰弱や麻痺, 感覚の低下, 排尿排便障害がある。難聴の合併に関しての報告は少なく, 難聴をきたす症例が認められる。髄膜炎を合併しやすく, 治療上の薬剤の副作用による薬剤性難聴も生じうる。二分脊椎は顕在性と潜在性に分類されているが, 出生後早期に閉鎖術が必要となることが多く, 重篤な障害をもつものは脊髄髄膜瘤 (myelomeningocele) であり, 今回はその脊髄髄膜瘤症例を対象とした。過去15年間に心身障害児総合療育センターを受診した脊髄髄膜瘤患者6例において聴力とその病態を報告する。6例中3例は正常聴力で, その他の3例で難聴が認められ, 正常聴力例から重度の難聴を呈する例まで症例により違いがみられた。難聴の原因は他疾患合併や水頭症による中枢性聴覚障害と様々であった。
  • 志村 英二, 飯野 孝, 高橋 昌寛, 西嶌 嘉容, 荒井 聡, 小島 純也, 吉田 拓人, 飯田 誠
    2012 年 55 巻 4 号 p. 218-222
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/15
    ジャーナル フリー
    喉頭軟骨肉腫は非常に稀な疾患であり, これまで本邦での遠隔転移例や死亡報告例がないことが知られている。今回我々は, 甲状軟骨原発の軟骨肉腫で, 喉頭全摘出術を施行後, 早期に肺・骨転移をきたし不幸な転帰を辿った症例を経験したので報告する。
    症例は62歳男性で, 嗄声とのどのつかえ感を主訴に来院した。喉頭ファイバースコピーにて右仮声帯に粘膜下の隆起性病変を認め, CTにて甲状軟骨を内部より破壊する腫瘍性病変を認めた。気管切開後, 顕微鏡下喉頭微細術にて生検するも, 病理組織学的に悪性所見は認めなかった。しかし, 画像所見より悪性腫瘍が強く疑われたため, 術中迅速診断を施行のうえ, 喉頭全摘出術を施行した。最終病理組織結果は喉頭軟骨肉腫であった。術後3ヵ月に, 肺と骨に遠隔転移を認め, 9ヵ月後に原病死した。
    喉頭軟骨肉腫は, これまで比較的予後はよいといわれてきたが, 本症例のような高悪性度のものが存在することも念頭に入れて, 診断と治療を検討していく必要があると思われた。
  • 杉崎 洋紀, 井坂 奈央, 増田 文子, 志和 成紀
    2012 年 55 巻 4 号 p. 223-229
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/15
    ジャーナル フリー
    水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化による脳神経障害として, 耳鼻咽喉科領域ではRamsay Hunt症候群の顔面神経・内耳神経障害がよく知られているが, それらの障害を伴わない下位脳神経障害が報告されている。今回我々は水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化により舌咽・迷走神経麻痺を呈した1症例を経験したので報告する。
    症例は37歳の男性で, 咽頭痛と嗄声, 嚥下困難を主訴に当院を受診した。喉頭蓋左側と左被裂部に粘膜疹を認め, 軟口蓋左側の挙上障害と左声帯固定, 左側優位な咽頭反射の減弱を認めた。血液検査でVaricella-Zoster Virus IgM, Varicella-Zoster Virus IgG共に上昇を認めた。水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化に伴う舌咽・迷走神経麻痺と診断し, 抗ウイルス薬, ステロイド点滴治療を施行した。第11病日, 症状の改善を認め, 退院した。退院後2ヵ月で麻痺はほぼ消失した。現在退院後1年経過観察中だが症状の再発は認めていない。
    水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化に伴う舌咽・迷走神経麻痺では, 咽頭や喉頭に粘膜疹を認めないものの咽頭痛を伴うことがある。咽頭痛を伴う舌咽・迷走神経麻痺は, 粘膜疹を認めない場合でも, 原因として水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化を積極的に疑う必要がある。
  • 榎本 仁司
    2012 年 55 巻 4 号 p. 230-234
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/15
    ジャーナル フリー
    側頭部激痛を初発症状として突然発症し, 鼻汁から口腔内常在嫌気性菌Prevotella intermediaが検出された急性副鼻腔炎症例を経験した。症例は62歳男性で, 鼻副鼻腔の強い化膿性病変が緩解するのに発症から約50日を要した。
    経過中, 本菌種の特徴ともいえる黒色色素産生や粘性物質産生が臨床病態として確認されるなどの興味ある所見が得られた。治療としてはドリペネム水和物, ファロペネムナトリウム水和物, ミノサイクリンなどが有効であった。
    通院にて治療し得た嫌気性菌性急性副鼻腔炎の1例を報告した。
  • 石垣 高志, 谷口 雄一郎, 小島 博己, 森山 寛, 田中 康広
    2012 年 55 巻 4 号 p. 235-240
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/15
    ジャーナル フリー
    今回我々は中耳に発症したinverted papillomaの1例を経験したので報告する。
    症例は44歳女性, 左耳の聴力低下を自覚し近医を受診。滲出性中耳炎の診断にて左耳の鼓膜切開を施行したが, 中耳腔内にポリープ様の腫瘤を認め, 生検の結果papillomaと診断されたため当院へ紹介となった。画像診断では造影MRIにおいて腫瘍は鼓室内に限局し, 耳管などへの進展は見られなかった。腫瘍は鼓室内に限局していたため外耳道後壁は保存し, 段階手術を選択した。術後病理はinverted papillomaであった。術後2年8ヵ月の期間外来にて経過観察をしているが, 鼓膜所見および画像所見ともに再発を疑う所見を認めていない。
    中耳に発症したinverted papillomaは極めて稀であり, 現在までに15例の報告しかない。鼻副鼻腔発症例に比べると中耳発症例では再発率, 悪性化率ともに高い傾向を認めた。そのため今後外来での厳重な経過観察が必要と考えられた。
境界領域
画像診断
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