耳鼻咽喉科展望
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55 巻 , Supplement1 号
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第35回 日本医用エアロゾル研究会
  • 竹内 万彦, 三輪 高喜
    2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s4
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/29
    ジャーナル フリー
  • 柴崎 修, 加瀬 康弘
    2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s5-s10
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/29
    ジャーナル フリー
    本邦における外耳道および中耳への外用薬の投与方法は, 点耳液あるいは軟膏などが中心である。我々は, 外耳道への的確で簡便な薬液投与方法として外耳スプレーの可能性について検討し, 外耳モデルおよびボランティアでの外耳スプレーの安全性と有効性について既に報告してきた。今回, cadaverを用いて鼓膜穿孔モデルを作製し, 点耳液と外耳スプレーでの中耳への薬液浸透について比較検討を行った。鼓膜の中等度以上の穿孔では点耳液, 外耳スプレーともに中耳への薬液浸透が確認されたが, 中心性小穿孔および鼓膜ドレイン留置モデルでは点耳液, 外耳スプレーともに中耳への薬液浸透は確認できなかった。鼓膜ドレイン内腔にポリプロピレン製線維を留置した状態では点耳液, 外耳スプレーともに中耳への薬液浸透が確認できた。今後, さらなる工夫も必要だが, 外耳スプレーは外耳道に加えて中耳への局所療法としても大いに期待が持てる投与法である。
  • 坂本 達則, 堀江 理恵, 田畑 泰彦, 中川 隆之, 伊藤 壽一
    2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s11-s14
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/29
    ジャーナル フリー
    内耳に対する薬物治療は, 全身投与でも局所投与でも効率が悪く, これが内耳障害の治療が困難である理由の一つである。全身投与による内耳選択的ターゲティングは実現されていないが, ステロイドを含有したステルス型ナノパーティクルを用いることで, モルモットの内耳局所でのステロイド濃度が向上し, 騒音難聴に対する治療効果が高まった。局所投与, 特に経正円窓膜投与について, 生体吸収性ポリマーによるマイクロパーティクルを用いてリドカインをモルモット内耳に徐放することができた。また, ゼラチンハイドロゲルを用いてインスリン様細胞成長因子1 (IGF-1) を持続投与することで, げっ歯類の内耳障害の治療ができた。これらの動物実験を踏まえて, ヒトの急性感音難聴に対するIGF-1徐放の治療効果を検討する臨床試験が行われている。第I/II相試験は終了し, 現在治療効果を鼓室内ステロイド投与と比較する第II相試験が行われている。
  • 志賀 英明, 山本 純平, 三輪 高喜
    2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s15-s19
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/29
    ジャーナル フリー
    脳内への高分子薬物の輸送のため血液脳関門 (Blood-brain barrier: BBB) を回避する経路として鼻腔内投与による嗅神経輸送が注目されている。インスリン様成長因子-I (Insulin-like growth factor-I: IGF-I) は脳神経の発達や成長に関わっている。脳梗塞などへの臨床応用が志向されているが, BBBで脳内への取り込みが阻害されるため経鼻投与が着目されている。
    ICR健常マウスに対しIGF-Iを経鼻投与したところ用量依存的な嗅球や脳組織へのIGF-I輸送増加が認められたのに対し, 三叉神経へのIGF-I輸送に投与量による変化は認めなかった。以上よりIGF-I経鼻投与による脳内輸送は主に嗅神経経由と考えられた。
    臨床で使用可能な嗅神経トレーサーが発見されていなかったため人体における末梢嗅神経を介した脳内輸送の詳細は不明であった。我々はこれまで核医学検査で使用されている塩化タリウム (201TlCl) を, 健常者鼻腔内の嗅裂に滴下することにより, 嗅球まで 201Tlが輸送されることを明らかとしてきた。さらに嗅覚障害者を対象とした 201Tl経鼻投与イメージングの結果, 嗅覚障害者では 201Tl嗅神経輸送能の低下傾向を認めた。今後IGF-Iなど高分子薬物の経鼻投与を行う際には対象者の嗅神経輸送能の評価が今後の課題といえる。
  • 黒野 祐一, 大越 俊夫
    2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s20
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/29
    ジャーナル フリー
  • 山口 宗太, 大木 幹文, 大久保 はるか, 石井 祥子, 櫻井 秀一郎, 久保田 俊輝, 大越 俊夫
    2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s21-s26
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/29
    ジャーナル フリー
    現在, 耳鼻咽喉科の日常診療においてネブライザー療法は広く普及しているが, 実際にはその適応疾患, 利点や欠点, 使用薬剤など多くの課題がある。今回ネブライザー療法の過去の報告について検討し, ネブライザー療法の現状を把握するためアンケート調査を行った。ネブライザー機器の使用は大学群では76.6%, 実地医家群では98.2%, 病院群では100%であった。大学群での使用が低い理由としては頻回の受診が困難などの理由があげられる。使用している機器はジェット式ネブライザーが多く使用されていた。鼻副鼻腔炎に使用している抗菌薬はセフメノキシムが65.1%と過去の報告より増加している。理由としてはセフメノキシムが1996年にネブライザー用薬として認可されてから15年が経過し普及がすすんでいることや, 薬剤の有効性が評価されていることなどが考えられる。咽喉頭炎においてネブライザーに使用している抗菌薬はセフメノキシムが46.3%であった。
    ネブライザー療法についてどのような機器, 薬剤を使用するとよいのか, またその併用薬, 薬剤の割合など課題は多い。ネブライザー療法の有用性について正しく評価していくことが重要である。
  • 藤澤 利行
    2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s27-s31
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/29
    ジャーナル フリー
    エアロゾル療法は日常診療で頻繁に行われており, 保険診療としてジェットネブライザーで12点, 超音波ネブライザーで24点の算定ができる。施設により使用されるネブライザー用抗菌薬は様々でネブライザー用抗菌薬として開発された塩酸セフメノキシム (CMX) やアミカシン (AMK), ホスミシン (FOM) などが用いられている。ネブライザー療法は安全性が高く, 小児から高齢者まで幅広く使用できるが, そのエビデンスについては少ないのが現状である。急性鼻副鼻腔炎診療ガイドラインでも推奨グレードとしてはC1 (科学的根拠はないが行うよう勧められる) とされている。本稿では過去のネブライザー療法に関する報告を検証し, ガイドライン作成の準備として必要な項目について報告する。
  • 高野 頌, 大木 幹文, 大越 俊夫, 伊藤 正行
    2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s32-s39
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/29
    ジャーナル フリー
    耳鼻咽喉科領域における高度なエアロゾル療法では, 吸入デバイスの選択と使用方法が十分に把握され臨床適応されなければならない。ここでは, 各種吸入デバイスの仕様, 特長と欠点, 使用方法と注意点を示した。特に, 吸入デバイスの仕様への薬液物性の影響, ならびに使用方法として鼻腔への噴霧角度や副鼻腔への薬剤送達手技などを取り上げた。さらに, 吸入療法の新たな展開とそれに対応する新規吸入デバイスの開発にも言及した。
  • 吉山 友二
    2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s40-s43
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/29
    ジャーナル フリー
    エアロゾル療法は, 病変部位に薬剤が直接到達して効果を発現する理想的な局所療法であり, 耳鼻咽喉科を中心とした各科領域において有用視されている。
    有用なエアロゾル療法を適正に展開するために薬剤の特性とその適切な取り扱いを提言したい。
    エアロゾル療法は安定性の良い微粒子が比較的均一に得られるという観点から理想的な局所療法と考えられる。しかしながら, ネブライザー噴霧により薬剤の安定性は保持されたまま100%噴霧されているとの未検証の前提に基づきエアロゾル療法が施行されてきた。我々は, ネブライザー使用時に一部の薬剤で安定性に問題があることを指摘してきた。また, エアロゾル療法に用いる薬剤は, たとえ薬理作用に問題がなくとも, 臭気の発生や味覚が悪いとかえって喘息様発作を誘発することがあるといわれ, 薬剤安定性はもとよりにおいや味などについても考慮すべきである。薬液の中には生理的な浸透圧を逸脱し, 刺激を有することも懸念される。噴霧薬剤による周辺汚染も十分な対策が必要であることを指摘したい。
    これまでエアロゾル療法専用の市販製品は少なく, 抗生物質などでは一般に注射剤を代用することが問題視され, エアロゾル療法専用薬剤の開発が強く要望されてきた。1996年にエアロゾル療法専用の薬剤の臨床使用が可能となり, エアロゾル療法における新しい局所耳鼻科用剤として繁用されている。
    適正エアロゾル療法に向けたガイドラインの活用など学会が貢献するチャンスであると考える。本研究会での有意義な討議が, 今後のエアロゾル療法の道標となるとを強調したい。
  • 大木 幹文, 山口 宗太, 大久保 はるか, 石井 祥子, 櫻井 秀一郎, 久保田 俊輝, 大越 俊夫
    2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s44-s48
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/29
    ジャーナル フリー
    鼻アレルギーの局所療法の主体は定量噴霧器による点鼻療法と考えられる。日常診療ではネブライザーによる局所治療も一般に実施されてきたが, 最近下気道用に小型化された, メッシュ式ネブライザー装置は安定した粒子径を維持できる。鼻疾患の治療には, 鼻腔内に効率的に吸着させる器械に改良する必要性を生じる。そこで, 薬事承認の範囲内で適切なデバイスと吸入法を作成し実際の鼻アレルギーの治療に貢献するか検討した。
    対象としたのは中等症以上のスギ花粉症患者12名である。これらの患者にたいし, 市販のロブメディカル製改良型メッシュ式ネブライザー装置を用いて自宅で吸入させた。次のように分けて検討した。ブデソニド0.5mg/ml 2週間間歇型にて使用, その後0.5mg連続型2週間使用をA群, 逆に先に0.5mgを先に2週間連続型使用, その後2週間間歇型使用群をB群, さらに, 0.25mgと薬液濃度を間歇型で使用し後半2週間は0.5mg連続型を使用したものをC群とした。
    3群ともほぼ同様な鼻腔抵抗の低下を認めたが, 使用2週間後の比較では鼻腔抵抗の低下に有意差を認めなかった。自覚症状においても, 2週間後には低下を認め, 改善傾向を示した。間歇型装置ではブデソニド吸入液濃度を半量にしても効果に有意差はなく, 鼻疾患の治療には間歇型のメッシュ式ネブライザー装置が有益と思われた。
  • 高野 頌, 北里 翔大, 村山 史秀, 進藤 千代彦, 楠澤 英夫, 伊藤 正行
    2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s49-s55
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/29
    ジャーナル フリー
    上気道感染症としての季節性インフルエンザ治療に, ドライパウダー吸入剤として製剤化された抗インフルエンザウイルス吸入剤が臨床適用されている。吸入剤の気道局所送達率が薬剤の粒子径分布と吸気条件に依存することから, 本報ではこの最適吸気条件を検討した。実験には, 吸入剤として, ザナミビル水和物製剤およびラニナミビルオクタン酸エステル水和物製剤を用いた。製剤の粒子径分布の測定結果および気道粒子沈着解析の結果から, 上気道局所への製剤送達率は吸気条件により変化し, 最適吸気条件は正座位での正常時吸気であることを明らかにした。
  • 吉山 友二, 田代 陽子, 大島 崇弘, 橋本 いく子, 有海 秀人, 宮崎 智子, 川上 美好
    2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s56-s59
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/29
    ジャーナル フリー
    高齢者における口腔乾燥状態は, 口腔領域だけでなく, 全身状態にも大きく影響すると考えられる。本研究では, 保険薬局における高齢者の口腔乾燥ケアの有用性を客観的評価から明らかにした。さらに, 薬局で可能な口腔乾燥に対する対処法の一つである保湿剤のヒアルロン酸配合洗口液 (商品名: 絹水スプレー) の有用性を検証した。
    保険薬局に来局した65歳以上の高齢者を対象とし, 主観的 (患者アンケート) および客観的 (唾液湿潤度試験) に評価した。また, 口腔乾燥に対する対応の一つであるヒアルロン酸配合洗口液スプレーを使用し, その前後で唾液湿潤度試験を実施し, 口腔内の保湿効果を評価した。保険薬局に処方せんを持参した高齢者140名のうち, 口腔乾燥自覚者は54名 (38.6%) であった。主観的には, 口が渇く, 水をよく飲む, 口がネバネバするといった症状が認められた。唾液湿潤度試験では, 口腔乾燥の自覚症状をもつ患者が客観的にも乾燥状態にある傾向が示された。口腔乾燥自覚者における口腔内の唾液湿潤度は2.2±1.3mmから, ヒアルロン酸配合洗口液スプレー使用後には3.6±1.6mmと有意に改善した (p<0.05)。保険薬局における聞き取り調査により口腔乾燥状態が明らかとなった高齢者は客観的にも乾燥状態にあったことから, 保険薬局における日常業務において, 唾液湿潤度試験を実施することなく, 口腔乾燥の自覚症状を聞き取ることが有用であることを明らかにした。さらに, 口腔乾燥自覚者に該当した高齢者に対し, 保険薬局で可能な対応の一つであるヒアルロン酸配合洗口液スプレーを提供することの有用性が示唆された。保険薬局において口腔乾燥自覚者を積極的に見出し, 薬剤の適正使用を評価した上で, ヒアルロン酸配合洗口液スプレーの使用等によって適切に対応し情報提供することは, 高齢者のQOL向上, さらに健康寿命を延伸しうる新たな薬剤師の役割となりうると考えられる。
  • 高橋 正幸, 平野 卓哉, 瀧本 瑞恵, 加藤 由紀子, 木幡 明子, 猪上 尚徳, 齋藤 善也, 田澤 佑基, 熊井 惠美, 吉山 友二, ...
    2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s60-s64
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/29
    ジャーナル フリー
    個々の患者背景の違いを考慮した服薬指導の実践は薬剤師の重要な職責の一つであり, 使用方法や注意事項を理解してもらうことが最大の治療効果を引き出す鍵を握っている。正確な操作が必要なエアロゾル製剤は, 製薬企業から使用に関する注意事項が記載された指導箋が提供されているが, 必ずしも患者背景に応じた説明や補足が行われていないことが問題視されている。我々は適切な使用方法を理解してもらうため, 患者説明ツールと, 薬剤師用の服薬指導支援ツールを作成し, これらの利用による適切な服薬指導について検証した。
    患者説明ツール及び服薬指導支援ツールを用いることで, 患者に適切な使用方法を理解してもらうことができた。この事は残薬の減少へとつながり, アドヒアランスの向上につながった。継続した使用が可能となることで, より早い症状の改善が期待できる。適切な服薬指導が患者の治療効果に重要な役割を果たしていることを強調したい。
  • 高野 頌, 真鍋 美智子, 山村 舞, 竹本 智, 西田 潤一, 楠澤 英夫, 伊藤 正行
    2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s65-s69
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/08/29
    ジャーナル フリー
    吸入デバイスにおける器差の検討は十分ではない。ここでは, 気道炎症治療に適応される吸入ステロイド喘息治療剤・ブデソニド吸入用懸濁剤を用いて, ジェット式およびメッシュ式の吸入デバイスにおける霧化特性を測定し器差を実験的に明らかにした。ブデソニドの生理食塩水希釈液での0, 25, 50, 75, 100%ごとに, 吸入デバイスの薬液霧化量を実測した結果, ジェット式ではブデソニド吸入液での霧化量に十分な器差は認められず, また, メッシュ式において, 霧化量は生理食塩水でジェット式とほぼ同等であるものの, ブデソニド吸入液ではジェット式より低い値を示した。一方, 霧化液滴の幾何平均粒子径は, ジェット式においてブデソニド吸入液で生理食塩水より小さな値を示した。また, メッシュ式において, 吸入デバイスごとの幾何平均粒子径および幾何標準偏差には差異が認められなかった。さらに, ヒト肺五葉モデルにより, 小児 (3~5歳, 10歳) および成人における薬剤の気道局所送達度が評価された。
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