耳鼻咽喉科展望
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56 巻 , 1 号
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綜説
臨床
  • ―腫瘍性疾患からの出血を中心に―
    飯村 慈朗, 波多野 篤, 重田 泰史, 露無 松里, 安藤 裕史, 小森 学, 荒井 聡, 新井 千昭, 鴻 信義
    2013 年 56 巻 1 号 p. 14-19
    発行日: 2013/02/15
    公開日: 2014/02/15
    ジャーナル フリー
    今回われわれは東京郊外に位置する一施設において, 1年間で鼻出血を主訴に当科を受診した346例を対象として, 原因疾患やその対処法に対する臨床的検討を行った。原因別では86.4%が特発性鼻出血と最も多かったが, 他に小児性鼻出血 (年齢が15歳以下), 外傷性鼻出血, 鼻科手術術後出血, Osler病, 腫瘍性出血なども認められ, これらは治療方針が異なっていた。腫瘍性疾患からの出血は1.7%に認められたが, 鼻出血を初診とした症例の中で1.7%という割合は決して少なくない。
    このため救急において鼻出血患者を診察する際にも腫瘍性疾患を念頭におき, 注意深く診察する必要があると思われる。深部鼻出血に対する外来診療においては, 硬性内視鏡を使用し, もう一方の手で血液を吸引しながら出血点同定を心がけるべきである。その上で腫瘍性疾患が疑われる場合には積極的に画像検査・病理検査をするべきと考える。
  • 井田 裕太郎
    2013 年 56 巻 1 号 p. 20-24
    発行日: 2013/02/15
    公開日: 2014/02/15
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫性疾患であり, 主に肺, 心臓, 眼, 皮膚などに好発し, そのうちの約5%に神経病変を合併する。脳実質, 髄膜, 脳神経など神経系のあらゆる場所に発生し, 中でも脳神経は好発部位である。顔面神経麻痺を伴う神経サルコイドーシスは40~60%で, 最も頻度の多い脳神経合併症状とされている。
    今回我々は, 顔面神経麻痺が初発症状となったサルコイドーシス症例を経験した。顔面神経麻痺の鑑別では頭蓋内病変や神経筋疾患なども念頭において診断することが重要であり, 前額のしわ寄せなどの診察所見とともに胸部レントゲン, 心電図, 脳MRI検査を定常的に行う必要があると思われた。
  • 會田 小百合, 飯野 孝, 小島 博己
    2013 年 56 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 2013/02/15
    公開日: 2014/02/15
    ジャーナル フリー
    鼻副鼻腔悪性リンパ腫は比較的稀な疾患であり, 副鼻腔原発よりも鼻腔原発のものが多いとされている。今回我々は副鼻腔悪性リンパ腫の1例を経験したので報告する。
    症例は89歳男性, 主訴は右上歯根部痛。他院より歯性上顎洞炎疑いにて当院歯科口腔外科へ紹介となった。右上6番の化膿性根尖性歯周炎に対し抜歯が行われたが, 副鼻腔CTにて右上顎洞骨壁の破壊を認め当科紹介となった。副鼻腔CT及びMRI上, 腫瘍が疑われ, 確定診断目的に内視鏡下鼻内手術及び鼻外切開を施行した。上顎洞内に限局した腫瘍性病変を認め, 病理組織診断は悪性リンパ腫 (diffuse large B-cell lymphoma) であった。
    後の検討にて悪性リンパ腫には画像上の特徴がいくつか存在し, 今回のCT上の骨破壊像は軽度であり, それも悪性リンパ腫の特徴の一つであることがわかった。本例のように副鼻腔に限局し術前に生検の施行できない副鼻腔悪性リンパ腫では, CT所見は術前診断の参考になると考えられた。
  • 宇野 匡祐, 中山 勝敏, 松脇 由典
    2013 年 56 巻 1 号 p. 31-37
    発行日: 2013/02/15
    公開日: 2014/02/15
    ジャーナル フリー
    今回, 我々は重症喘息に好酸球性副鼻腔炎と好酸球性中耳炎を合併した患者に対し, 抗IgE抗体製剤であるオマリズマブを投与し, ステロイド経口投与を減量, 離脱でき経過良好な1例を経験したので報告する。
    症例はコントロール不良な重症喘息患者で鼻閉, 嗅覚障害, 両側耳閉感, 両側耳鳴を訴えていた。血液検査上, 末梢血中好酸球数が9.1% (白血球数7,000/μl) と上昇, 中耳ムチン中に好酸球を群性に認め, 副鼻腔CT所見上, 篩骨洞を中心とした軟部濃度陰影を認めたことから, 好酸球性中耳炎, 好酸球性副鼻腔炎と診断した。保存的治療と内視鏡下鼻内副鼻腔手術を行ったところ, 両側耳漏, 両側耳閉感は残存したものの鼻症状と喘息症状は一時治まった。術後1年半頃より鼻症状と喘息症状が増悪したため, オマリズマブを投与した結果, 鼻症状, 喘息症状は治まり, 好酸球性中耳炎の増悪の回数が減少した。オマリズマブ投与5ヵ月でステロイド内服の中止が可能となり, 現在のところ副作用も認めていない。
    オマリズマブは喘息, 好酸球性副鼻腔炎, 好酸球性中耳炎に効果的であると考えられ, 好酸球性副鼻腔炎, 好酸球性中耳炎の病態にIgE産生が関係していることが示唆された。
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