耳鼻咽喉科展望
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56 巻 , 2 号
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カラーアトラス
臨床
  • ―内視鏡下手術と耳鼻咽喉科の役割―
    佐藤 公則
    2013 年 56 巻 2 号 p. 54-58
    発行日: 2013/04/15
    公開日: 2014/04/15
    ジャーナル フリー
    歯科インプラント治療の普及に伴って, 近年, 歯科インプラント治療に伴う医療トラブルは増加している。また歯科インプラント治療に伴うインプラントの上顎洞迷入も最近散見されるようになってきた。
    本論文では歯科インプラント治療によるインプラントの上顎洞迷入, 特に上顎洞炎を合併し, 上顎洞粘膜に埋伏したインプラントの摘出術と内視鏡下鼻副鼻腔手術の役割を報告した。
    手術侵襲が小さく患者の負担が小さい内視鏡下副鼻腔手術が, 耳鼻咽喉科では上顎洞迷入インプラント異物摘出術の第一選択であり, 耳鼻咽喉科医が果たす役割は少なくないと考えられる。
  • 吉川 衛, 柳原 健一, 久保田 俊輝, 石井 祥子, 大久保 はるか, 山口 宗太, 大木 幹文, 大越 俊夫
    2013 年 56 巻 2 号 p. 59-64
    発行日: 2013/04/15
    公開日: 2014/04/15
    ジャーナル フリー
    含歯性嚢胞は, 歯原性嚢胞の中でも歯根嚢胞に次いで二番目に多いと報告されているが, 上顎洞内にまで進展する上顎洞含歯性嚢胞は非常に稀である。しかし, 上顎洞含歯性嚢胞は鼻科領域に精通した耳鼻咽喉科で治療を行う機会が多いため, その治療に関する検討は耳鼻咽喉科医にとって重要である。近年の手術支援機器や画像診断の進歩によって, これまでlateral rhinotomyなどで行っていた上顎洞内側壁の切除を内視鏡下で行うEndoscopic medial maxillectomy (EMM) という手技が可能となった。さらに, Endoscopic medial maxillectomyをもとに下鼻甲介と鼻涙管を温存するEndoscopic modified medial maxillectomy (EMMM) が考案され, 種々の上顎洞病変に対して行われるようになってきた。今回われわれは, 上顎洞含歯性嚢胞に対しEndoscopic modified medial maxillectomyを行い, 短期的には良好な経過を得ているため, その有用性について検討を行った。その結果, 歯牙の位置や嚢胞の進展部位にかかわらず, ほぼ, どのようなタイプの上顎洞含歯性嚢胞に対しても, 本術式により低侵襲で鼻腔形態を損なうことなく嚢胞の摘出が可能と考えた。今後さらなる症例の蓄積と長期の経過観察により, 上顎洞含歯性嚢胞に対するEndoscopic modified medial maxillectomyの適応と限界を含めた有用性が明らかになるものと思われる。
  • 恩田 信人, 大前 祥子, 吉田 隆一, 中島 庸也
    2013 年 56 巻 2 号 p. 65-70
    発行日: 2013/04/15
    公開日: 2014/04/15
    ジャーナル フリー
    最近は多くのメディアで睡眠障害が取り上げられており, レム睡眠行動異常症 (RBD) もその一つである。その内容としては, 睡眠障害の概要から始まり, レム睡眠行動異常症の症状・増悪因子・治療, さらにはパーキンソン病との関わり等についてまで触れられている。こういった放送後からレム睡眠行動異常症を心配して当科外来を受診する患者が増え, いびきや睡眠時無呼吸症候群 (SAS) を主体としている当科としては対応に苦慮しているのが現状である。確かに近年の論文では, レム睡眠行動異常症とパーキンソン病をはじめとした, いわゆるシヌクレイノパチーと呼ばれる神経変性疾患との関連が取りざたされており, 神経内科や精神科との関わりが, 今後重要になると思われる。今回は当院でのいびき無呼吸専門外来におけるレム睡眠行動異常症の対処について検討した。
  • 小森 学, 力武 正浩, 宇田川 友克, 櫻井 結華, 小島 博己, 森山 寛
    2013 年 56 巻 2 号 p. 71-74
    発行日: 2013/04/15
    公開日: 2014/04/15
    ジャーナル フリー
    突発性難聴は頻度が高い疾患であるにも関わらず, その発症機序はいまだ解明されておらず原因不明のままである。国内において鼓室内ステロイド投与は徐々に認知されてきている治療ではあるが, 普及するには至っていない。今回我々の施設において鼓室内ステロイド投与を行った突発性難聴症例29例の治療成績を報告する。
    症例全体では31%の症例で治癒を示し, 有効率は48%であった。また, 初回治療で改善の得られなかった救済例においては17%の症例で治癒を示し, 有効率は39%であった。治療開始日が遅い症例ほど治癒率が悪くなる傾向を認めた。また全症例において有害事象を生じた症例はなかった。このことから, 突発性難聴に対する鼓室内ステロイド投与は有用であることが示唆された。
  • 井坂 奈央, 増田 文子, 満山 知恵子, 齋藤 ももこ, 志和 成紀
    2013 年 56 巻 2 号 p. 75-78
    発行日: 2013/04/15
    公開日: 2014/04/15
    ジャーナル フリー
    ラリンゴマイクロサージェリー後の舌下神経麻痺を経験したので報告する。症例は56歳女性で嗄声を主訴に当科を受診し, 左声帯ポリープと診断した。全身麻酔下でラリンゴマイクロサージェリーを施行したが, 直達喉頭鏡での喉頭展開は困難であった。術後より疼痛, 咽頭腫脹を認め, 術後1日目には, 喉頭ファイバー下で左舌根部に発赤腫脹と内出血を認め, 若干舌運動の制限がみられた。退院後, 術後性舌下神経麻痺としてビタミンB12 とステロイドで治療し, 経過観察していたが術後53日で症状は改善した。挿管時または直達喉頭鏡挿入時の舌根部への強い圧力が腫脹, 血腫を引き起こし, 局所の循環不全により舌下神経麻痺の原因になったと考えた。
    喉頭展開の難しい症例では, 舌下神経の損傷や周囲組織の挫滅による循環不全を起こす可能性もあるため注意しなければならず, 内視鏡等別の手段も考慮すべきである。
境界領域
  • 桐林 孝治, 草地 信也
    2013 年 56 巻 2 号 p. 79-84
    発行日: 2013/04/15
    公開日: 2014/04/15
    ジャーナル フリー
    外科系で重要となる院内感染は, 手術部位感染および術後呼吸器感染症である。その原因微生物を知ることにより, 感染予防および対策について概説した。手術部位感染の原因は術野の汚染 (術野感染症) であり, 汚染菌は患者自身が消化管内や気道, または皮膚の常在細菌であることがほとんどで, 内因性感染といえる。一方術後呼吸器感染症は術野外感染症 (遠隔感染症) であり, 多くは院内環境の汚染菌や抗菌薬による菌交代現象によって発症する外因性感染といえる。術後感染症は術後感染予防抗菌薬が投与されたあとで発症し, 耐性獲得されている可能性が高いため, 治療抗菌薬への変更が必要になってくる。その治療抗菌薬の選択に, 菌種の推定が可能なグラム染色の結果を参照にすべきであろう。
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