耳鼻咽喉科展望
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56 巻 , 5 号
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カラーアトラス
臨床
  • 山本 和央, 宇田川 友克, 谷口 雄一郎, 鴻 信義, 小島 博己
    2013 年 56 巻 5 号 p. 238-244
    発行日: 2013/10/15
    公開日: 2014/10/15
    ジャーナル フリー
     1984年1月から2012年3月までの28年間に当科で施行した耳硬化症に対する全アブミ骨手術252耳のうち再手術症例8名9耳 (3.6%) を対象とし, 再手術までの経過, 再手術の術中所見, 聴力経過不良な原因, 再手術後の経過について検討した。
     前回手術から再手術までの平均期間は5年3ヵ月であった。再手術時の所見から, 聴力経過不良の原因が人工耳小骨の何らかの偏位・脱落によると考えられたものが7耳で, そのうちキヌタ骨長脚の先端が壊死していたものが1耳存在した。増生した線維性組織や肉芽によるものと考えられたものが2耳であった。
     再手術後, 米国耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 (AAO-HNS) ガイドラインの基準案に準じて術後骨導値による術後気骨導差が 10dB 以内の成功例と判断されたものは9耳中5耳 (55.6%) であった。9耳中1耳で再手術後高度感音難聴を認めた。初回手術に比し再手術の治療成績は劣るものの再手術前の聴力より改善する例も多く, 積極的な再手術を試みるべきであるが, より慎重な手術操作や再手術時のそれぞれの状況に合わせた柔軟な対応が求められると考えられた。
  • 櫻井 結華, 山崎 ももこ, 小宮 清, 鴻 信義, 小島 博己
    2013 年 56 巻 5 号 p. 245-252
    発行日: 2013/10/15
    公開日: 2014/10/15
    ジャーナル フリー
     社会的に 「可視化」 が推奨されているなか, 医療分野も例外ではない。しかし, 耳鼻咽喉科の卒後教育において概要は存在するが具体的な教育内容は現場の裁量にまかされていた。我々が以前行った若手医師への実績調査でも, 個人間で習得状況に差が生じており, 早い段階から専門性が濃くなる傾向であった。そのため, 我々は質が担保され, かつ技術レベルの高い耳鼻咽喉科医師を育てるための教育方法として 「技術の可視化」 システムを開発し, 耳鼻咽喉科の主な手術を習得目標年数で分類し, それぞれに対して目標執刀数を定めた。それをもとに若手医師の手術実績を調査した。その結果, 基本的な5年目標手術習得は入局後2~3年目での経験が重要であることが示唆された。またやや専門性の高い10年目標手術は, 急激に達成率が増加するのではなく, 緩やかな増加傾向を示した。今後もシステム発展のため研究を行っていく予定である。
  • 穐吉 亮平, 深美 悟, 中島 逸男, 山川 秀致, 今野 渉, 森 文, 月舘 利治, 平林 秀樹, 春名 眞一
    2013 年 56 巻 5 号 p. 253-257
    発行日: 2013/10/15
    公開日: 2014/10/15
    ジャーナル フリー
     自己免疫性好中球減少症は慢性好中球減少症の一つで, その頻度は10万人に1人と推定され, 軽微な細菌感染を反復し, 重症化するものは少ないとされる。今回われわれは, 頸部膿瘍を来した自己免疫性好中球減少症が疑われた症例を経験したので報告する。症例は1歳7ヵ月の女児で, 6ヵ月前より右急性中耳炎を反復しており抗菌薬を長期内服していた。1週間前より右耳漏の増悪と右頸部腫脹を認めたため, 当科を受診した。血液検査で炎症反応の上昇, CT で右顎下部と耳下部に膿瘍を疑わせる所見がみられたため, 精査加療目的に入院した。入院後より抗菌薬の点滴加療と膿瘍の穿刺ドレナージを施行した。血液検査にて白血球分画での好中球割合が3%と著明な好中球減少を認めたため, 骨髄検査を施行した。骨髄検査から内因性好中球減少症は否定され, 外因性好中球減少症と判断した。G-CSF の投与を行ったところ, 症状が軽快したため, 退院した。外来にて経過観察したが, 明らかな感染の再燃を認めなかった。抗好中球抗体は検出できなかったが, 初診時の血液検査所見と臨床症状, その後軽快していることより外因性では頻度の高い自己免疫性好中球減少症を疑った。乳幼児の耳鼻咽喉科診療において, まれながら本症例のような小児特有の病態があることを念頭に置き診療に臨む必要があると思われた。
境界領域
画像診断
薬剤の特徴と注意点
学会関係【第14回 耳鼻咽喉科手術支援システム・ナビ研究会】
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