耳鼻咽喉科展望
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57 巻 , 2 号
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カラーアトラス
綜説
臨床
  • 今川 記恵, 宇田川 友克, 小森 学, 力武 正浩, 櫻井 結華, 濱 孝憲, 鴻 信義, 小島 博己
    2014 年 57 巻 2 号 p. 67-72
    発行日: 2014/04/15
    公開日: 2015/04/15
    ジャーナル フリー
     中耳炎後遺症例の人工内耳聴取能について, 福田版聴取評価を基に検討を行った。 子音の異聴の検討では, 無声と有声の弁別は容易であること, 有声接近音・通鼻音, 無声破裂音の正答率がその他の構音様式と比較して高いという特徴があった。 個別の子音に注目すると, b→w, dz→s, ʢ→tʃ, h→s, m→n と異聴傾向があった。 リハビリテーションの子音課題では, これらの弁別課題を中心にリハビリテーションを行うことで, より効果の高い聴取訓練が可能であると考えられた。 中耳炎後遺症例は, ラセン神経節の変性がなかったという報告があるが, 今回我々の検討した結果, 内耳性難聴により失聴した症例と比較して高い成績ではなかった。 中耳炎が引き起こす内耳障害は, ラセン神経節より中枢の蝸牛軸に及んでいる可能性が考えられた。
  • 矢富 正徳, 北村 剛一, 清水 雅明, 大塚 康司, 鈴木 衞
    2014 年 57 巻 2 号 p. 73-81
    発行日: 2014/04/15
    公開日: 2015/04/15
    ジャーナル フリー
     スギ花粉症患者は年々増加傾向であり, 鼻アレルギー診療ガイドライン (改訂第7版) では, ロイコトリエン受容体拮抗薬によるスギ花粉症の初期療法が推奨されている。 今回我々は2012年スギ花粉飛散期におけるモンテルカストの初期療法の有効性を検討した。
     対象は, 2012年1月から4月までに東京医科大学病院耳鼻咽喉科及び立正佼成会附属佼成病院耳鼻咽喉科を受診した59例である。 スギ花粉飛散前にモンテルカスト内服加療を開始した36例を初期療法群, 花粉飛散開始後にモンテルカスト内服加療を開始した23例を飛散後投与群とした。
     鼻アレルギー日記から鼻症状, 眼症状, 日中鼻症状 (DNSS), 夜間症状 (NSS) スコアを求め, エプワース眠気尺度日本語版 (JESS) から昼間の眠気スコアを, 日本アレルギー性鼻炎標準 QOL 調査票 (JRQLQ) から患者 QOL スコアを求め, 評価項目として各項目を比較検討した。
     飛散開始期の眼のかゆみ, 飛散ピーク期における鼻漏, 入眠困難, 夜間覚醒, Medication score, 飛散終了期におけるくしゃみ, 鼻漏, DNSS において, 初期療法群が飛散後投与群に比べ有意に低スコアであり, モンテルカストを用いた初期療法は, 花粉飛散期の患者の症状や QOL の改善に有用であると思われた。
  • 峯村 佐和子, 和田 弘太, 須田 稔士, 新井 千昭, 長岡 真人, 井田 裕太郎, 枝松 秀雄
    2014 年 57 巻 2 号 p. 82-86
    発行日: 2014/04/15
    公開日: 2015/04/15
    ジャーナル フリー
     髄膜癌腫症は癌細胞が脳・脊髄軟膜にびまん性に転移し, 髄膜刺激症状や脳神経症状などが多発性に出現する頭蓋内転移の中でも比較的稀な病態である。 悪性腫瘍の既往のある患者に脳神経症状が発症した場合には本症を疑うが, 潜在性の悪性腫瘍の初発症状として出現した場合には診断が非常に難しい。 予後は非常に不良で神経症状などの発症後1~2ヵ月で死に至る場合も多い。 今回われわれは進行性の感音難聴を初発症状とした, 胃癌転移による髄膜癌腫症の1例を経験した。 進行性の感音難聴や難治性の顔面神経麻痺を認める場合, 髄膜癌腫症も鑑別に入れ, 精査を行う必要があると思われた。
  • 結束 寿, 海邊 昭子, 穴澤 卯太郎, 田中 康広
    2014 年 57 巻 2 号 p. 87-93
    発行日: 2014/04/15
    公開日: 2015/04/15
    ジャーナル フリー
     症例は66歳女性。 2週間前より咽頭痛を認め, 近医にて抗菌薬の内服治療を受けるも改善せず当科を受診した。 初診時に口腔および咽喉頭に多発する異出血性のびらんを認めた。 感染に続発する粘膜病変を疑い外来にて抗菌薬の点滴治療を施行したが, びらんは依然として残存した。 各種ウイルスの抗体検査は陰性で培養検査も常在菌のみが検出され, 感染性の粘膜病変は否定的であった。 頬粘膜のニコルスキー現象が陽性であったため天疱瘡を疑い, 病変部より生検を施行した。 病理組織検査で有棘層の水疱形成と免疫染色で棘細胞周囲への IgG の沈着を認めた。 さらに血液検査で抗デスモグレイン1抗体が陰性, 抗デスモグレイン3 (Dsg3) 抗体が陽性であることから粘膜優位型尋常性天疱瘡と診断した。
     粘膜病変は尋常性天疱瘡の初発症状として多く認められる。 皮膚症状がなく, 口腔病変のみの患者では診断が遅れる傾向にある。 本症例において, 比較的早期に診断し得た理由として, 一見正常と思われる頬粘膜を吸引することでニコルスキー現象を確認できたことが挙げられる。 本法は天疱瘡患者の初診を診察する機会がある耳鼻咽喉科医にとって早期の粘膜表皮間の脆弱性を発見する有用な手段になる可能性があると思われた。
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