耳鼻咽喉科展望
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58 巻 , 3 号
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カラーアトラス
綜説
臨床
  • 谷口 雄一郎, 和田 弘太, 小森 学, 茂木 雅臣, 山本 和央, 櫻井 結華, 鴻 信義, 小島 博己
    2015 年 58 巻 3 号 p. 145-152
    発行日: 2015/06/15
    公開日: 2016/06/15
    ジャーナル フリー
     本邦では先天性真珠腫の進展度分類に関して Potsic らが提唱した先天性真珠腫の Stage 分類 (Potsic 分類) をはじめとし, いくつかの分類が応用されているが, いまだ施設間での統一した基準はないのが現状である。 今回われわれは Potsic 分類に加えて, 「中耳真珠腫進展度分類2010改定案」の緊張部型真珠腫分類が先天性真珠腫の進展度分類に応用できると考え, これらを用いて各症例について臨床所見を検討し, 現行の進展度分類に関して若干の考察を加え報告する。
     症例は1984年から2010年までに当科にて手術を施行し, 先天性真珠腫と診断した70例70耳を対象とした。 結果として Potsic 分類は臨床成績をよく反映しており簡便であるが, 前上部に少なく後上部に多いという本邦の先天性真珠腫の特徴を加味する必要があると思われた。 また中耳真珠腫進展度分類2010改定案は後天性真珠腫の分類であるが, 緊張部型真珠腫分類及び PTAM 分類は先天性真珠腫の分類に応用可能であり, 今後は Potsic 分類と組み合わせた進展度分類が検討されることが望ましいと考えた。
  • ―その有用性と取り扱い―
    辻 富彦
    2015 年 58 巻 3 号 p. 153-157
    発行日: 2015/06/15
    公開日: 2016/06/15
    ジャーナル フリー
     当院を平成25年の1年間に受診した耳鼻咽喉科疾患の症例のストレス検査 (STAI=State-Trait Anxiety Inventory) の結果について集計した。 STAI の結果は特性不安, 状態不安に分けて Ⅳ, Ⅴ を呈した症例を高値例として集計した。 末梢性めまい, メニエール病を含む “めまい群” では STAI 高値の症例は特性不安で47.1%, 状態不安で80.8%であった。 突発性難聴, 低音型突発難聴などの “難聴群” では STAI 高値の症例は特性不安で50.0%, 状態不安で69.7%であった。 咽喉頭異常感症, 逆流性食道炎を含む “異常感症群” では STAI 高値の症例は特性不安で42.9%, 状態不安で57.1%であった。 正常成人では STAI で Ⅳ, Ⅴ を呈する割合は30~40%程度とされており, これと比較すると高値例の割合が高い傾向にあった。 このような耳鼻咽喉科疾患にはストレスが高い症例が多く存在していることがわかったとともに, ストレスを客観的に定量化する検査法として STAI は有用であると考えられた。
  • 上山 亮介, 金谷 洋明, 後藤 一貴, 平林 秀樹, 春名 眞一
    2015 年 58 巻 3 号 p. 158-163
    発行日: 2015/06/15
    公開日: 2016/06/15
    ジャーナル フリー
     IgG4 関連疾患は高 IgG4 血症と IgG4 陽性形質細胞浸潤, 線維化による腫瘤, 肥厚性病変の形成を認める原因不明の疾患群であり, 近年, 本疾患への悪性腫瘍合併例が報告されている。 今回われわれは肥厚性硬膜炎からの下位脳神経麻痺を初発症状とし, 食道癌を合併した IgG4 関連疾患を経験したので, 報告する。
     症例は75歳男性。 急激に出現した嗄声, 嚥下困難にて受診した。 左反回神経麻痺につづき舌咽神経麻痺, 副神経麻痺が見られた。 画像検査にて肥厚性硬膜炎および後腹膜線維症も認め, 血中 IgG4 が高値を示した。 食道癌を合併しており, 切除組織中の IgG4 陽性形質細胞数の上昇も認めた。 食道癌の切除のみ行い経過観察中である。
     IgG4 関連疾患の中には初発症状として肥厚性硬膜炎による脳神経障害をきたし, 耳鼻咽喉科を受診する例があることに留意すべきであると考える。 また, 諸臓器における悪性腫瘍の合併の可能性も念頭に置く必要がある。
  • 吉田 由記, 大前 祥子, 志和 成紀, 秋田 英貴, 鄭 子文
    2015 年 58 巻 3 号 p. 164-168
    発行日: 2015/06/15
    公開日: 2016/06/15
    ジャーナル フリー
     甲状舌管嚢胞は良性の嚢胞性疾患としてよく知られているが, 今回甲状舌管嚢胞に合併した乳頭癌症例を経験したので報告する。 症例は26歳女性で IgA 腎症に対する治療として口蓋扁桃摘出術の目的で当科受診となった。 口腔以外の所見として舌骨直下に 30mm 大無自覚の腫瘤を認めた。 頸部単純 MRI では嚢胞性領域と内部に一部充実性領域を認め, 穿刺吸引細胞診の結果から甲状舌管嚢胞と診断し, 両側口蓋扁桃摘出術と同時に甲状舌管嚢胞摘出術を施行したところ, 術後の病理組織学的検査にて嚢胞内の充実性領域に乳頭癌の所見を認め, 甲状舌管癌の診断に至った。 術後の全身検索では甲状腺自体の病変や他部位の転移性病変を認めず, また病理組織学的に切除断端が陰性であったため後治療を施行せず, 現在術後1年経過しているが, 再発はなく経過観察中である。 甲状舌管嚢胞の診療の際には, 稀ではあるが悪性腫瘍の合併を念頭におく必要がある。
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