耳鼻咽喉科展望
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58 巻, 4 号
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カラーアトラス
綜説
臨床
  • 遠藤 朝則, 鈴木 香, 一ノ瀬 沙和子, 浅香 大也, 小島 博己
    2015 年 58 巻 4 号 p. 198-203
    発行日: 2015/08/15
    公開日: 2016/08/15
    ジャーナル フリー
     頭部外傷後に呼吸苦を来たした咽頭後間隙血腫の1例を報告する。 症例は82歳の男性で, 自宅で転倒して前額部を打撲し, 前医の頭部 CT 所見で明らかな異常を認めなかった。 抗血小板薬を内服していることから当院へ紹介受診となった。 頭部外傷後から第1病日目に呼吸苦が増悪し, 喉頭ファイバー所見にて咽頭後壁の腫脹を認め, 頸部 CT 所見にて咽頭後間隙に血腫を認めた。 気道閉塞の可能性を考慮して気管切開を施行した。 血腫は術後に自然軽快し, 術後10ヵ月の時点において, 経過良好である。
     咽頭後間隙血腫は, 気道閉塞をきたす可能性のある気道緊急疾患で, 適切な気道確保が必要であり, 高齢者に多い疾患であるため ADL の低下を来たさない対応が必要であると考えた。
  • 山口 航, 浅香 大也, 和田 弘太, 大櫛 哲史, 鴻 信義
    2015 年 58 巻 4 号 p. 204-209
    発行日: 2015/08/15
    公開日: 2016/08/15
    ジャーナル フリー
     傍神経節腫の頭頸部領域における好発部位は, 総頸動脈分岐部, 頸静脈窩及び鼓室などが知られているが, 鼻副鼻腔に発生するものは極めて少ない。 今回われわれは, 右副鼻腔より発生した傍神経節腫の1例を経験したので報告する。
     症例は66歳女性で, 主訴は右鼻閉, 膿性鼻漏であった。 鼻内所見上, 右鼻腔に充満する褐色のポリープ様病変を認め, 副鼻腔 CT, MRI 所見にて鼻腔, 篩骨洞に限局した腫瘤性病変が認められた。 経鼻内視鏡的アプローチにて腫瘍摘出術を施行し, 当院における病理組織学的検査にて傍神経節腫と診断した。 現在術後12ヵ月を経過しているが, 再発を認めていない。
     傍神経節腫は良性悪性の鑑別は極めて困難で, 局所再発, 転移をきたす可能性もあり, 今後も定期的な経過観察が必要である。
  • 近藤 由以子, 今川 記恵, 櫻井 結華, 宇田川 友克, 力武 正浩, 小森 学, 谷口 雄一郎, 鴻 信義, 小島 博己
    2015 年 58 巻 4 号 p. 210-216
    発行日: 2015/08/15
    公開日: 2016/08/15
    ジャーナル フリー
     両側中等度伝音難聴を伴った, 発声発語器官の異常や明らかな知的発達の遅れを認めない構音障害児1症例の構音指導を行った。 3歳3ヵ月時の初回構音評価は鼻音 [m, n, ɲ], 両唇破裂音 [p, b] 以外のすべての子音が声門破裂音に置換していた。 補聴器は未装用であった。 系統的構音訓練に基づき構音訓指導を開始したが, 正常構音の獲得のために必要な聴覚刺激を得るために, 補聴器の装用も勧めた。 系統的構音訓練の実施に加え聴覚刺激が増加したことで, 正常構音の自然獲得もみられるようになった。 正常構音の獲得には適切な聴覚補償が重要であることが改めて示唆された。
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