耳鼻咽喉科展望
Online ISSN : 1883-6429
Print ISSN : 0386-9687
ISSN-L : 0386-9687
59 巻 , 1 号
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
カラーアトラス
綜説
  • 小林 一女
    2016 年 59 巻 1 号 p. 12-18
    発行日: 2016/02/15
    公開日: 2017/02/15
    ジャーナル フリー

     口蓋裂児は耳管を開大する筋の走行異常があり, 耳管軟骨が脆弱である。 側頭骨乳突蜂巣の面積も小さい。 そのため滲出性中耳炎を早期から高率に合併する。 口蓋裂児には新生児聴覚スクリーニングを受けるように勧める。 新生児聴覚スクリーニングが refer の場合, 鼓膜の視診, 聴覚検査, 言語発達検査, 画像検査を適宜行う。 画像検査は被曝の影響が最少になるように配慮する。 チューブ留置の適応がある症例は1歳前後の口蓋形成術時に同時に手術を行う。 または補聴器装用も考慮する。 チューブ留置術は全例に必要ではないが, チューブが必要となる症例は長期にわたり, 経過観察が必要である。 新生児聴覚スクリーニングを pass した場合でも, 定期的な鼓膜の観察などの診察が必要である。 発達, 成長に応じ適宜検査を行う。 いずれの場合も長期にわたる経過観察が必要である。

臨床
  • ―Minimally invasive surgery の有用性―
    佐々木 優子, 枝松 秀雄
    2016 年 59 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 2016/02/15
    公開日: 2017/02/15
    ジャーナル フリー

     慢性中耳炎 (慢性穿孔性中耳炎) の手術に, 内視鏡を使用する侵襲の少ない Minimally invasive tympanoplasty (MIT) を導入し, 有用性を検討した。 著者らは MIT を, 従来の顕微鏡法で行われる耳後部切開と外耳道後壁皮膚の剥離による術野の確保は行わず, 皮膚切開は耳上部の筋膜採取に止め, 内視鏡下に経外耳道的に行う鼓室形成術と定義した。
     2008年1月から2011年12月までの4年間に, 当科で行った慢性中耳炎に対する鼓室形成術Ⅰ型80耳を対象とした。 MIT 群28耳と従来の顕微鏡下鼓室形成術 Conventional tympanoplasty (CT) 群52耳で患者背景と手術成績などを比較した。 MIT を行うために内視鏡の挿入が可能となる外耳道の広さを手術前の側頭骨 CT で測定した。 MIT の術後成績は CT とほぼ同等であったが, 視野の確保が困難な鼓膜大穿孔例などでは, CT よりも良好な成績であった。 また MIT は外耳道の狭い小児手術にも適応可能であった。 MIT は低侵襲手術が可能であり, 今後の展開が期待できる有用な手術法であると判断された。

  • 高林 宏輔, 長峯 正泰, 藤田 豪紀
    2016 年 59 巻 1 号 p. 26-30
    発行日: 2016/02/15
    公開日: 2017/02/15
    ジャーナル フリー

     眼窩吹き抜け骨折の治療目標は, 眼球運動障害の改善と眼球陥凹の改善である。
     当科では2000年4月から2014年4月までに83症例を眼窩吹き抜け骨折と診断し手術を施行した。 眼窩下壁線状型骨折以外は, 全例鼻内内視鏡下に遊離骨片をすべて除去する経鼻内視鏡下整復術を施行した。 必要時に篩骨洞にはシリコンプレートによる固定をし, 上顎洞内には尿道バルーンカテーテルを留置し固定した。 今回われわれは術後1年以上経過し, 術後の眼球陥凹について評価できた47症例について検討した。
     内側壁骨折においては術後眼球陥凹を自覚する症例は認めなかった。 下壁骨折では吹き抜けた面積と術後眼球陥凹には相関関係が認められた。 混合型骨折においては面積との相関は認めなかったものの, 手術患者の25%が眼球陥凹の自覚を認めていた。

  • 厚見 拓, 齋藤 弘亮, 関根 基樹, 播摩谷 敦, 岸野 吏志, 飯田 政弘
    2016 年 59 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 2016/02/15
    公開日: 2017/02/15
    ジャーナル フリー

     慢性副鼻腔炎の手術治療施行症例を対象に, メシル酸ガレノキサシン水和物 (GRNX) の手術部位への組織移行について検討した。 2011年6月~2012年1月の期間に,手術治療目的で入院した慢性副鼻腔炎症例の患者9例を対象に検討を行った。手術前に GRNX を7日間経口投与し, 手術当日 GRNX 内服後3時間以内の血中濃度と手術中に採取した組織濃度について比較検討した。 9例全体における GRNX の血中濃度は平均 8.06±4.41μg/mL, 組織濃度は平均 6.98±2.82μg/mL という主要起炎菌の MIC を上回る濃度が移行していた。 GRNX は, 組織移行性の悪い副鼻腔粘膜にも組織移行性が高く, 効果的に抗菌作用を発揮することが予測され, 副鼻腔炎に対する治療薬として有効な抗菌薬であると考えられる。

境界領域
画像診断
薬剤の特徴と注意点
学会関係【第16回 頭頸部表在癌研究会】
feedback
Top