耳鼻咽喉科展望
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59 巻 , 6 号
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カラーアトラス
綜説
臨床
  • 坂口 雄介, 森脇 宏人, 高畑 喜臣, 井上 なつき, 久保田 俊輝, 石井 祥子, 山口 宗太, 大久保 はるか, 吉川 衛
    2016 年 59 巻 6 号 p. 291-297
    発行日: 2016/12/15
    公開日: 2017/12/15
    ジャーナル フリー

     今回われわれは鼻中隔より発生した多形腺腫を2例経験し, 内視鏡下に摘出し得たので報告する。
     1例目は70歳女性で, 右鼻閉および鼻出血を主訴に受診となった。 初診時, 右鼻中隔を基部とする易出血性の腫瘍性病変を認めた。 CT 検査では鼻中隔の腫瘍以外に病変はなく, 明らかな骨破壊も認めなかった。 また MRI にて, 腫瘍は T1 強調画像では低信号, T2 強調画像で高信号, T1 造影では造影効果を認めた。 本症例に対し, 全身麻酔下に内視鏡下鼻内手術にて腫瘍を摘出した。 病理学的組織検査では異型の乏しい線毛円柱上皮に覆われた鼻粘膜であり, 上皮下に境界比較的明瞭な腫瘍を認め, 多形腺腫の診断であった。
     2例目は56歳男性で, 右鼻出血を主訴に受診となり, 初診時の鼻内所見では右鼻中隔に基部を持つ易出血性の腫瘍を認めた。 CT 検査では副鼻腔に病変はなく, 右鼻腔腫瘍周囲への明らかな浸潤や骨破壊は認めなかった。 また造影 MRI で腫瘍は, T1 強調画像で低信号, T2 強調画像で高信号と造影効果を認めた。 1例目と同様に鼻内内視鏡下に腫瘍を摘出した。 病理学的組織検査では大部分の表層粘膜上皮は糜爛により脱落した鼻粘膜であり, 上皮下に境界比較的明瞭な腫瘍が形成されており, 多形腺腫の診断であった。
     多形腺腫は筋上皮細胞の存在する腺組織に発生する腫瘍であり, 頭頸部領域で多くは大唾液腺に発生し, 鼻腔内に発生することは少ない。 多形腺腫は稀ではあるが悪性転化することも報告されており, 術後も慎重な経過観察が必要である。

  • 山田 由貴, 志村 英二, 武田 鉄平, 松浦 賢太郎, 長舩 大士, 和田 弘太
    2016 年 59 巻 6 号 p. 298-305
    発行日: 2016/12/15
    公開日: 2017/12/15
    ジャーナル フリー

     癌治療にともなう化学放射線療法において, 発熱性好中球減少症は重篤な合併症であり, 予防と早期対応が重要である。
     今回, われわれは頭頸部癌の化学療法中に発熱性好中球減少症 (febrile neutropenia: FN) を認めた2症例に対して, 2014年9月より本邦で承認された持続型 G-CSF 製剤ペグフィルグラスチム (ジーラスタ®) が重篤な感染症の回避に有効であった症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
     症例1は62歳男性。 上咽頭原発神経内分泌癌に対して化学放射線療法 (CBDCA+ETP) を施行した。 化学療法1コース目の day 8 に38.9℃ の発熱, 好中球減少 G4 (80/mm3)を認め, 発熱性好中球減少症と診断した。
     症例2は72歳男性。 声門上扁平上皮癌に対して導入化学療法 (TPF 療法) を施行した。 化学療法1コース目の day 7 に好中球減少 G4 (144/mm3), day 8 に38.3℃ の発熱を認め発熱性好中球減少症と診断した。 それぞれの症例に対して2コース目よりペグフィルグラスチムを二次予防的投与したところ発熱性好中球減少症の発症を予防することができ, 安全に治療を完遂することができた。
     ペグフィルグラスチムの頭頸部癌症例における使用報告はほとんどなされていない。 他癌も含め国内でのペグフィルグラスチムの使用経験はまだ少なく, 長期使用した場合の副作用などの問題点は明らかになっていない。 今後も症例を重ね更なる使用方法の検討を行っていく必要がある。

境界領域
  • 下山 恵美, 吉村 萌子, 久保田 敬乃, 下山 直人
    2016 年 59 巻 6 号 p. 306-311
    発行日: 2016/12/15
    公開日: 2017/12/15
    ジャーナル フリー

     頭頸部がん患者に対する緩和ケアは現在でも困難であるとされている。 その理由として, 腫瘍によって感覚神経が圧迫されて起こる神経障害性疼痛の発生頻度が高く, 治療が難しい痛みの存在だからである。 そして, 外科手術などの治療に伴う外見の変貌や発声障害にともなうコミュニケーション障害など, 痛みだけでなく心理的な苦痛を伴うことが多いことなどにより, 全人的な苦痛緩和を必要とするからである。 それらに対しては, 耳鼻咽喉科主治医を中心として, 緩和ケア医, 精神腫瘍医, 看護師, 薬剤師などからなる緩和ケアチームによる緩和ケアが, 入院, 外来, 在宅のどの分野においても適切に行われる必要がある。

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薬剤の特徴と注意点
学会関係【第17回 耳鼻咽喉科手術支援システム・ナビ研究会】
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