耳鼻咽喉科展望
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61 巻 , 6 号
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カラーアトラス
綜説
臨床
  • ―成人例を中心に―
    大平 真也, 武田 鉄平, 梶原 理子, 松井 秀仁, 古谷 花絵, 松浦 賢太郎, 和田 弘太
    原稿種別: 臨床
    2018 年 61 巻 6 号 p. 310-317
    発行日: 2018/12/15
    公開日: 2019/12/15
    ジャーナル フリー

     異物を主訴に耳鼻咽喉科を受診する症例の多くは外来で簡単に摘出可能であるが, 時に難渋し, 摘出に全身麻酔を要することがある。 今回われわれは摘出に全身麻酔が必要であった耳鼻咽喉科領域の異物症例を検討したので報告する。 当院で過去10年間に外耳道, 鼻腔, 咽頭, 喉頭の異物を主訴に受診した1,426例の中で全身麻酔下に異物を摘出した症例は13例であった。 小児例が10例, 成人例が3例であり, 小児例が全例体動による摘出困難を理由に全身麻酔が施行されたのに対し, 成人例は全例高齢者の有鈎義歯の誤飲による咽頭異物であった。 有鈎義歯の誤飲は他の異物の誤飲と比べ, 時に重篤な転帰を辿ることがある。 摘出に際しては合併症, 副損傷のリスクを踏まえ, 摘出前の異物の状態, 摘出方法などを迅速に判断する能力が求められる。 また, 義歯誤飲症例は高齢者, 認知症・脳梗塞・統合失調症等の神経疾患, 精神疾患などの背景があることが多く, その予防には医療従事者や周囲の介護者の義歯誤飲に対するリスク管理を意識していくことが重要であると考える。

  • 高畑 喜臣, 山口 宗太, 中野 光花, 坂口 雄介, 井上 なつき, 久保田 俊輝, 石井 祥子, 穐山 直太郎, 吉川 衛
    原稿種別: 臨床
    2018 年 61 巻 6 号 p. 318-323
    発行日: 2018/12/15
    公開日: 2019/12/15
    ジャーナル フリー

     耳性頭蓋内合併症は現在減少傾向にあるが, 発症した場合は生命予後に関わるため, 見逃してはならない疾患である。 しかしながら, 小児や高齢者, 発達障害がある患者等では訴えがはっきりせず発見が遅れる場合があり, 特に注意を要する。 今回, われわれは発達障害のある患者が真珠腫性中耳炎から小脳膿瘍をきたした1例を経験したので報告する。

     症例は発達障害を有する21歳の男性で, 2週以上続く発熱, 食欲不振に加え意識障害, 歩行障害が出現したため当院内科に入院となった。 不明熱に対して病巣の全身検索を行ったところ, 頭部 CT 検査で右小脳に膿瘍形成を認め, 当院脳神経外科で脳膿瘍排膿術, 減圧開頭術を施行したのち, 原因病巣の検索目的に当科を紹介受診となった。 右耳内に膿性耳漏が充満していた。 側頭骨 CT 検査では右鼓室, 乳突腔に充満する軟部組織陰影と S 状静脈洞周囲の骨欠損を認めた。 右真珠腫性中耳炎から波及した小脳膿瘍が疑われ, 入院10日目に右外耳道後壁削除・乳突開放型鼓室形成術を施行した。 術中所見として真珠腫塊は上鼓室, 乳突洞から乳突蜂巣まで及び, 周囲に肉芽を伴っていた。 天蓋では一部硬膜が露出し, S 状静脈洞の周囲に骨欠損を認めた。 また, 耳小骨はキヌタ骨長脚およびアブミ骨上部構造の一部が欠損していた。 病巣を十分に取り除いた後に骨パテで硬膜および S 状静脈洞周囲の骨欠損部を被覆し, 伝音再建は自家皮質骨を用いて IVc とした。 術後は抗菌薬投与を長期行い, 術後9ヵ月後には全身状態は寛解した。

  • 滝澤 悠己, 清水 雄太
    原稿種別: 臨床
    2018 年 61 巻 6 号 p. 324-329
    発行日: 2018/12/15
    公開日: 2019/12/15
    ジャーナル フリー

     今回, われわれは慢性副鼻腔炎術後に IgG4 関連疾患の診断に至った1例を経験したので報告する。

     症例は66歳男性であり, 鼻閉, 左頬部痛, 嗅覚障害を主訴に佐久医療センター耳鼻咽喉科を受診した。 鼻内所見では粘膜腫脹, 膿性鼻漏, 易出血性を認め, 副鼻腔単純 CT にて汎副鼻腔に軟部濃度陰影を認めたことから慢性副鼻腔炎と診断した。 保存的に内服加療するも抵抗性を示し改善しなかったため, 内視鏡下鼻副鼻腔手術を施行した。 術後は度々粘膜のびらんや痂皮の付着を認めた。 そして術後経過観察中の健診において肺の異常陰影を指摘され精査したところ, 血液・画像検査所見や鼻腔粘膜の病理所見などから IgG4 関連疾患と診断された。 眼球乾燥や口腔乾燥も認められ, プレドニゾロン 30mg/日より治療開始し, 現在は 15mg/日まで漸減して継続中である。 術後約20ヵ月経過しているが, 鼻内所見の増悪や副鼻腔炎の明らかな再燃は認めてない。

     IgG4 関連疾患患者が本症例のように鼻症状のみで受診されることもある。 IgG4 関連疾患は症状が出にくいために診断が遅れることが多い。 その中でも比較的症状が現れやすいのが耳鼻咽喉科領域であり, 診断の端緒になることを踏まえて日常診療にあたることが必要と考える。

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薬剤の特徴と注意点
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