耳鼻咽喉科展望
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61 巻 , 1 号
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カラーアトラス
綜説
  • ―マウスモデルによる検討―
    岩井 大
    2018 年 61 巻 1 号 p. 12-23
    発行日: 2018/02/15
    公開日: 2019/02/15
    ジャーナル フリー

     慢性進行性難聴の要因のひとつとして遺伝因子が挙げられるが, 自己免疫性疾患やⅡ型糖尿病, 心血管障害, 慢性炎症 (白血球数や CRP の持続上昇) の症例でも難聴が進行することが知られている。 したがって, 難聴対策として全身疾患に目を向けることも重要である。 筆者は, マウスを用いた基礎実験レベルであるが, 全身免疫機構と内耳免疫機構との交通性や, 全身免疫機構改変による蝸牛の変化について検討してきたのでここに紹介する。 蝸牛障害には, 不潔 (感染) 環境, カロリー過剰摂取, 運動不足, 免疫機能異常, 血行障害, 酸化ストレス, サイトカインなど, 多くの蝸牛外因子の関与が報告される。 したがって, 全身と蝸牛との相互作用の全容を明らかにする研究が一層重要である。

臨床
  • 小森 学, 吉浜 圭祐, 藤井 可絵, 守本 倫子
    2018 年 61 巻 1 号 p. 24-28
    発行日: 2018/02/15
    公開日: 2019/02/15
    ジャーナル フリー

     低汗性外胚葉形成不全症は汗腺・毛髪・歯牙の形成異常を3主徴とする先天性疾患である。 毛髪や歯牙の異常を契機として発見されるため, 幼児期以降に診断されることが多く, 乳児期に診断することは困難であることが多い。 今回, われわれは乳児期の萎縮性鼻炎から診断に至った乳児例2例を経験した。

     2症例ともに生後1ヵ月前後から鼻腔からの悪臭を認めていた。 鼻内は固い痂皮が付着しており, 萎縮性鼻炎の状態を呈していた。 外胚葉形成不全を疑い, 各種検査を施行し早期診断に至った。 治療の原則は対症療法ではあるが, 乳児期の鼻呼吸は成長発達において重要な役割を担うため, 早期からの耳鼻咽喉科医の介入は QOL 向上のために非常に有意義である。 萎縮性鼻炎の鑑別として, 多発血管炎性肉芽腫症や NK/T 細胞性リンパ腫, 放射線治療後後遺症などが耳鼻咽喉科医には知られているが, 乳児期においては本疾患が鑑別疾患の一つとなり得る。

  • 長舩 大士, 太田 伸男, 松浦 賢太郎, 志村 英二, 和田 弘太
    2018 年 61 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 2018/02/15
    公開日: 2019/02/15
    ジャーナル フリー

     OK-432 は抗悪性腫瘍薬であるが, 小児のリンパ腫に局所注入することにより手術による摘出と同等の効果があることが報告されている。 今回, 2013年12月から2015年10月までの期間に当科で OK-432 嚢胞内注入療法を行った頭頸部嚢胞性疾患症例12例について報告する。 疾患はガマ腫8例, 耳介血腫1例, 耳下腺嚢胞1例, 下口唇嚢胞1例, 側頸嚢胞1例で, 年齢は5歳から60歳, 性別は男性3例, 女性9例であった, 側頸嚢胞以外は消失ないしは縮小と効果があり, 消失した症例においては現在も再発はみられていない。 OK-432 の局所注入療法は簡便かつ, 低侵襲であり安全で, 有効な治療法であることが再確認された。

  • 瀬戸 由記子, 松浦 賢太郎, 大平 真也, 梶原 理子, 武田 鉄平, 長舩 大士, 和田 弘太
    2018 年 61 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 2018/02/15
    公開日: 2019/02/15
    ジャーナル フリー

     石灰沈着性頸長筋腱炎は, ハイドロキシアパタイトが頸長筋腱に沈着し, その吸収過程で生じる炎症が原因とされ, 咽頭痛, 嚥下時痛, 頸部痛, 開口障害, 頸部可動制限といった症状が急激に生じる疾患である。 臨床経過や, CT 検査で咽頭後壁に低吸収域を呈することから, 特に咽後膿瘍との鑑別を要する。

     今回われわれは, 石灰沈着性頸長筋腱炎の症例を2例経験した。 いずれの症例も臨床症状,所見や画像所見から, 咽後膿瘍も疑われたが, CT 検査で環椎前面に石灰化を認めたこと, 比較的重度な臨床症状と比較し, 血液検査で炎症反応の上昇が軽度に留まること等から石灰沈着性頸長筋腱炎の診断となり, 保存的加療にて治癒に至った。

     咽後膿瘍が死に至るケースもある予後不良の疾患であるのに対し, 石灰沈着性頸長筋腱炎は保存的治療にて治癒可能な, 予後良好な疾患である。 侵襲的な処置や, 検査などを回避するためにも, 本疾患を念頭に置いて診療にあたるべきと考えられた。

境界領域
画像診断
薬剤の特徴と注意点
学会関係【第17回 頭頸部表在癌研究会】
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