耳鼻咽喉科展望
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61 巻 , 5 号
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カラーアトラス
綜説
  • 和田 弘太
    原稿種別: 総説
    2018 年 61 巻 5 号 p. 250-255
    発行日: 2018/10/15
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

     Background:

     Endoscopic sinus surgery has become the standard surgical procedure for rhinosinusitis. However, there is no effective classification method for the opening of the sphenoid sinus. We reported the identification of the Onodi cell and classification of the sphenoid sinus using sagittal computed tomography (CT) for sphenoidotomy. We classified the anterior wall of sphenoid sinus into 4 types. Using sagittal CT, the relationships between the lateral side of the anterior wall of the sphenoid sinus and the optic nerve, and between the middle of the anterior wall of the sphenoid sinus and the skull base or pituitary gland were studied. Images were classified as demonstrating Skull base (without the Onodi cell), Optic canal, Sella, or Infra-Sella (all with the Onodi cell) type. This is very easy and useful classification for sphenoidectomy. Based on this identification, the operative procedures were classified into 4 types: olfactory approach (Type 1), ethmoidal approach (Type 2), both approach (Type 3), and median approach (Type 4). We examined the operative procedures in each of the 4 groups, classified on the basis of sagittal CT.

     We can recognize the critical area such as the optic canal and the internal carotid artery around the sphenoid sinus by understanding of this classification and prevent the serious injuries.

臨床
  • 結束 寿, 黒柳 拓樹, 阿久津 泰伴, 竹下 直宏, 原山 幸久, 志村 英二, 濱 孝憲
    原稿種別: 臨床
    2018 年 61 巻 5 号 p. 256-261
    発行日: 2018/10/15
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

     維持透析中のがん患者に対する侵襲性の高い手術加療は敬遠される傾向にある。 われわれは2009年から2017年までに維持透析中の頭頸部癌患者に対し施行した, 遊離皮弁を用いた再建手術症例8例につき検討した。

     原発部位は口腔2例, 中咽頭3例, 下咽頭2例, 喉頭1例で平均年齢60.8歳であった。 透析罹患平均期間は4.4年であり, IgA 腎症1例以外は何らかの心血管系の基礎疾患を有していた。 選択した再建皮弁は7例が遊離前外側大腿皮弁であり, 1例は遊離腹直筋皮弁であった。 平均手術時間は440分であり, 入院期間中央値は58日であった。 術後2日目より透析を開始し, 術後平均12日で経口摂取を開始した。 皮弁の壊死等, 再手術を必要とするような重篤な周術期合併症は認めなかった。 術後経過観察中に8例中4例が死亡 (原病死1例, 他病死3例), 5年全生存率は40% (95% 信頼区間 5.2~75%), 5年疾患特異的生存率は80% (95% 信頼区間 20~96%) であった。

  • 高津 南美子, 内尾 紀彦, 黒田 健斗, 重田 泰史
    原稿種別: 臨床
    2018 年 61 巻 5 号 p. 262-267
    発行日: 2018/10/15
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

     今回われわれは, 巨舌によるオトガイ部腫脹から診断に至った全身性アミロイドーシスの1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する。 症例は67歳女性, 3ヵ月前から出現したオトガイ部腫脹の精査目的に富士市立中央病院耳鼻咽喉科を内科より紹介受診した。 内科では同時期より心不全と胃壁肥厚の精査をしていた。 身体所見にて硬い巨舌を認め, MRI 検査ではオトガイ部腫脹は巨舌によるものであるとの診断であった。 血液検査で IgA の高値, IgM と IgG の低値を認め, 生理機能検査で心電図の低電位, 心エコーで心肥大を認めており, さらに両側手根管症候群の手術既往や巨舌の存在からアミロイドーシスを疑うこととなった。 そこで胃壁生検組織のアミロイド染色を追加し, 免疫電気泳動を行ったところ全身性 AL アミロイドーシスの診断に至った。 全身性アミロイドーシスは, 全身臓器にアミロイド蛋白が沈着することによりさまざまな臓器障害を引き起こす稀な疾患である。 ときに頭頸部領域の症状を主訴に耳鼻咽喉科を受診することもあるため, 全身状態にも着目しアミロイドーシスを鑑別に挙げる必要がある。

  • 清水 雄太, 滝澤 悠己
    原稿種別: 臨床
    2018 年 61 巻 5 号 p. 268-271
    発行日: 2018/10/15
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

     神経線維腫は全身性病変を呈する神経線維腫症にみられることが多いが, 今回, 舌に孤立性に生じた蔓状神経線維腫の症例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する。

     症例は神経線維腫症の家族歴がない82歳女性で, 数ヵ月前から右舌縁に小隆起を自覚して佐久総合病院耳鼻咽喉科を受診した。 右舌縁に色調・軟らかさ共に周囲の舌と同様の性状をした数ミリ大の結節を認め, 数ヵ月間の経過観察にて変化を認めなかったことから, 診断的治療として切除生検を施行したところ蔓状神経線維腫と診断された。 全身に随伴所見なく, 孤立性の神経線維腫と診断した。

     舌の孤立性神経線維腫は極めて稀であるが, 神経線維腫は悪性化する可能性のある腫瘍であり,注意を要する。

  • 古谷 花絵, 志村 英二, 松井 秀仁, 梶原 理子, 大平 真也, 和田 弘太
    原稿種別: 臨床
    2018 年 61 巻 5 号 p. 272-279
    発行日: 2018/10/15
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

     Lemierre 症候群は, 咽喉頭領域の先行感染に続発し内頸静脈の血栓性静脈炎から, 全身の遠隔臓器に血栓性塞栓をきたす全身感染症である。 今回われわれは, 早期に診断し適切な対応により合併症なく治療し得た症例を経験したため, 若干の文献的考察を加えて報告する。

     症例は54歳, ミャンマー在住の日本人男性。 発熱, 咽頭痛に対し現地にて抗菌薬や解熱鎮痛薬を使用するも徐々に増悪し, 頸部腫脹も出現してきたため緊急帰国し当院救急外来を受診した。 頸部造影 CT にて左深頸部膿瘍, 左内頸静脈血栓性閉塞を認めたため Lemierre 症候群と診断した。 外科的ドレナージと抗菌薬にて治療を開始し, 第4病日より抗凝固療法も開始した。 その後, 血栓性合併症をきたすことなく速やかに改善し, 第32病日で抗菌薬を終了, 第52病日で抗凝固療法も終了となった。

     Lemierre 症候群は現在では比較的まれな疾患とされているが, 咽頭痛や頸部痛, 頸部腫脹を診察する際に, 本疾患も念頭に入れ早期に対処することで重篤な合併症を防ぐことができると考えた。

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