耳鼻咽喉科展望
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62 巻 , 4 号
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カラーアトラス
綜説
  • 小川 洋, 山内 智彦, 小針 健大, 小野 美穂, 横山 秀二, 野本 美香
    2019 年 62 巻 4 号 p. 154-161
    発行日: 2019/08/15
    公開日: 2020/08/15
    ジャーナル フリー

     コーンビーム (cone beam) とフラットパネル (flat panel) を応用した小照射野に限定した CT が2001年頃から歯科, 頭頸部領域に臨床応用されているが, 照射野が拡大し副鼻腔全体が撮影できる装置が開発されさらに臨床応用の場が広がってきた。 コーンビーム CT (CBCT) は限定した関心領域の撮影に特化することにより, 低被曝線量ながら, 高い空間分解能をもち, 骨病変の描出に優れる X 線像診断装置である。 本画像診断装置は鼻副鼻腔領域において, 歯科金属アーチファクトの影響を受けにくいこと, 歯根と上顎洞底の関係を詳細に評価できること, 副鼻腔排泄ルートの詳細な評価ができることなどから有用性について多くの報告がなされている。 本稿では本装置の特徴および鼻副鼻腔領域における有用性について解説する。

臨床
  • 蓮 琢也, 海邊 昭子, 穴澤 卯太郎, 西嶌 嘉容, 田中 康広
    原稿種別: 臨床
    2019 年 62 巻 4 号 p. 162-168
    発行日: 2019/08/15
    公開日: 2020/08/15
    ジャーナル フリー

     従来, 耳後部切開創の処理は皮下と皮膚の縫合後, フィルムドレッシング剤 (テガダーム®) やハイドロゲル創傷被覆・保護剤 (カラヤヘッシブ®) などのドレッシング剤を貼付し抜糸までの期間, 汚染された場合のみ適宜交換を行ってきた。 しかしながら, 血液や滲出液により処置時の創部観察が困難であることやドレッシング剤の剥脱により頻回の交換を要する事例があること, 洗髪可能となるまでの期間が長いこと, 術後すぐに眼鏡を使用できないこと, など多くの問題点が見受けられる。 そこで今回, これらの問題点の解決を目的として, 耳後部切開を行う中耳手術症例に対し 2-オクチルシアノアクリレート (2-OCA: ダーマボンド® アドバンスド) を閉創時に使用し, ①Surgical site infection: SSI 発生頻度, ②手術時間, ③コストの3項目を検討項目としてその安全性および有用性について考察した。

     今回の検討では SSI の発生は1例もなく, 創部閉鎖時間は 2-OCA 群で有意に時間短縮が認められた。 コスト面では 2-OCA の方が創閉鎖について2~5倍のコストを要した。 術後処置や抜糸が不要であり早期の洗髪やメガネの着用が可能であることなど多くの利点を有することから, その安全性や有用性も加味し充分に使用する価値があるものと考えられた。

  • 西嶌 嘉容, 伴 慎一, 穴澤 卯太郎, 栃木 康佑, 海邊 昭子, 蓮 琢也, 田中 康広
    原稿種別: 臨床
    2019 年 62 巻 4 号 p. 169-174
    発行日: 2019/08/15
    公開日: 2020/08/15
    ジャーナル フリー

     唾液腺癌は頭頸部癌全体の約1%程度とされ, なかでも顎下腺原発の扁平上皮癌は特に稀とされる。 今回下顎骨への浸潤を伴う顎下腺原発扁平上皮癌の1例を経験した。 症例は71歳男性で約半年前より左顎下部の無痛性腫脹を認め, 精査目的で紹介となった。 左顎下部に下顎骨との癒着が疑われる可動性不良な硬結を認め, CT・MRI 上, 下顎骨浸潤が疑われた。 術前の穿刺吸引細胞診では class V であり組織型として扁平上皮癌が示唆されたため, 原発もしくは転移性リンパ節の同定の検査を行い顎下腺原発扁平上皮癌と診断し手術を施行した。 顎下腺全摘, 下顎区域切除, 左頸部郭清, 気管切開, 遊離前腕, 遊離腓骨皮弁再建, 全層植皮を実施した。 術後の病理所見では顎下腺を原発とする典型的な扁平上皮癌の像が認められた。

     顎下腺原発扁平上皮癌の報告はごくわずかであり, 骨浸潤を伴う顎下腺原発扁平上皮癌は渉猟し得る限りほとんど報告がない。 顎下腺腫瘍で扁平上皮癌と診断された場合は転移性リンパ節や浸潤性腫瘍とともに顎下腺原発扁平上皮癌も鑑別に考慮すべきである。

  • 野坂 瞳, 柳原 太一, 麻植 章弘, 永井 美耶子, 小森 学
    原稿種別: 臨床
    2019 年 62 巻 4 号 p. 175-178
    発行日: 2019/08/15
    公開日: 2020/08/15
    ジャーナル フリー

     逆生歯とは通常の歯列とは異なる部位に萌出した歯のことと定義されている。 鼻漏・鼻閉・鼻出血, もしくは偶然無症状で発見されることも多い。 好発年齢は若年者に多く20歳未満の症例が半数以上であるが, 就学児未満での報告は比較的少ない。

     今回1歳8ヵ月で逆生歯が偶然発見された症例を経験した。 低年齢であったため外来で経過観察を行っていたが鼻汁過多, 逆生歯周囲の肉芽増生などを認めてきたため2歳3ヵ月で内視鏡下で経鼻的に逆生歯を摘出した。

     鼻腔内逆生歯は診断がついた後にも保存的に経過観察されることも多い。 しかしながら最初は無症状でも成長とともに症状が出現する可能性もあり, 完全摘出が望ましいという意見も多い。 本症例のような低年齢の場合には両親の意向を踏まえながらより早期に加療を行っていくことが肝要であると考える。

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