外傷性顔面神経麻痺に関して、手術療法はその意義、時期、形式に関して様々な意見がある。また近年、手術療法や検査技術の発展によって、外傷性顔面神経麻痺の治療法は変化した。
側頭骨骨折による外傷性顔面神経麻痺に対して、聴覚・平衡機能を温存しながら、錐体尖部から鼓室部・乳突部に至る顔面神経の神経管開放を確実に行うためには、中頭蓋窩法単独あるいは経乳突法に中頭蓋窩法を併用する方法を選択・導入していく必要がある。
今回は当科で経験した外傷性顔面神経麻痺全8例中、中頭蓋窩法併用により迷路部・膝神経節までの開放を行った4例中の2症例を中心に、手術治療の時期・適応について説明する。
抄録全体を表示