Otology Japan
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24 巻 , 5 号
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原著論文
  • 高野 賢一, 實川 純人, 小笠原 徳子, 氷見 徹夫
    2014 年 24 巻 5 号 p. 729-734
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    2005年~2013年に札幌医科大学医学部附属病院耳鼻咽喉科において耳小骨奇形の診断で手術を行った25症例29耳を対象とし、臨床的検討を行った。手術時の対象年令は3歳~64歳で、男性12名、女性13名であった。奇形の種類は舩坂らによる分類に従うと、I群が10耳、I+II群が2耳、I+III群が3耳、II群が6耳、III群が8耳であり、全例を舩坂の分類に当てはめることができた。術前平均聴力の気導値は50.0±12.9dBであり、全周波数に気骨導差を認める水平型の聴力像が最も多かった。術式はIII型が9耳、アブミ骨手術が6耳、IV型が6耳、骨性癒合などによる固着の解除のみ(I型)が5耳という結果であった。試験的鼓室開放術のみとなった症例の3例は、いずれもアブミ骨固着症例であった。試験的鼓室開放術のみの3例、および純音聴力検査が施行できなかった1例を除く24耳中、成功耳は22耳(92%)であった。再手術を要したのは3例3耳、両側手術を施行したのは4例であった。
  • 山本 沙織, 奥野 妙子, 藤田 岳, 畑 裕子, 一瀬 和美, 堤内 亮博
    2014 年 24 巻 5 号 p. 735-741
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    Malleus barとは骨性鼓膜輪とツチ骨とを連結する骨梁であり、ツチ骨固着の一種ではあるが、現在広く用いられている舩坂の分類には含まれない比較的稀な耳小骨奇形である。当院では1995年から2012年までの18年間における耳小骨奇形27耳中、3耳のmalleus bar症例を経験した。
    症例1は術中にキヌタ骨・アブミ骨の癒合とmalleus barが判明し、レーザーにてbarを離解させた。症例2は術前CTにて鼓膜輪と耳小骨の癒合を確認した。耳内法にてツチ骨・キヌタ骨の癒合とmalleus barを確認し、bar削除のみ行った。症例3はmalleus bar単独の耳小骨奇形であった。全3耳が一側性で、患側の耳介低形成と外耳道狭窄を伴っており、顔面神経の走行異常はなかった。耳小骨への操作はMalleus barの切断のみであり、術後聴力成績は3耳すべてが成功と判定された。
  • 泰地 秀信
    2014 年 24 巻 5 号 p. 742-747
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    軟骨板を用いて鼓室形成術I型を行った5~15歳の慢性中耳炎19例19耳について検討した。18耳では鼓膜は閉鎖したが、1耳では再穿孔があった。術前の3分法平均聴力レベルは平均27.6dB、術後の3分法平均聴力レベルは平均18.9dBであった。術後の平均聴力レベルは19例すべてが30dB未満となり、日本耳科学会の術後聴力判定基準では全例成功となった。軟骨板を用いた場合、鼓膜面の音響インピーダンスが大きくなって中耳伝音特性および聴力が悪化する可能性がある。しかし、鼓膜形成で軟骨板を用いた場合と筋膜を用いた場合を比較すると術後の聴力に有意な差はないものとされており、今回の軟骨板を用いた結果でも術後聴力は良好であった。これを検証するためにPeakeらの中耳モデルをもとに検討を行った。蝸牛窓の遮音効果を計算に含めたモデルで考えれば、軟骨板を用いて鼓膜面のインピーダンスが増加しても中耳伝音特性が悪化しない理由は説明しうるものと考えられた。
  • -新潟大学の30年間の推移-
    大島 伸介, 山本 裕, 森田 由香, 高橋 邦行, 高橋 姿
    2014 年 24 巻 5 号 p. 748-754
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    鼓室形成術III型もしくはIV型を施行し、術後6か月以上経過してから聴力評価が可能であった122名126耳を対象とし、術後聴力成績を検討した。また、過去の当科からの報告と比較検討し、30年間の推移を考案した。最近4年間のIII型、IV型の全体の聴力成績は成功率71.4%、III型75.9%、IV型62.8%であった。再建形式別ではIIIiが最も良好で、次いでIViであった。IVcがIIIi、III型全体のそれぞれに比し、有意に低かった。気骨導差15dB以内の基準では、IIIiがIIIcに比し有意に好成績を示した。中耳真珠腫の成功率は有意に向上した。IIIi、IViの採用率は増加し、i型採用率の増加が全体の成績改善に大きく貢献した。更なる成績向上のために、i型が困難な症例に対するc型の再建法、特にIVc型の再建法の改良が重要と思われた。
  • 植田 広海, 平山 肇, 岸本 真由子, 土屋 吉正, 内田 育恵
    2014 年 24 巻 5 号 p. 755-759
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    小児期において先天性真珠腫は増加しているか、増加しているならその要因はなにかについて検討した。15歳以下の小児真珠腫手術例を、手術した年により小児前期手術群 (1982~1997年、58耳) と小児後期手術群 (2000~2011年、88耳) に分けて手術時年齢、真珠腫型を検討した。また、成人手術群 (2001~2007、165耳) として、真珠腫型を小児群と比較検討した。小児後期群手術群は、小児前期手術群や成人手術群より先天性真珠腫の占める割合が有意に多く、かつ小児前期手術群より有意に手術時年齢が若かった。若い理由は先天性真珠腫手術例が後天性真珠腫手術例より有意に若いためであった。小児前期手術群は成人手術群より有意に緊張部型が多かった。以上の結果と文献的考察により、小児期における先天性真珠腫の発見例は増加しており、その原因は先天性真珠腫が早期発見されるようになり、その結果1.以前は進行して後天性と診断されていた例が先天性と診断されるようになった、2.自然消退例も、先天性として診断されるようになったためと推察した。
  • 武田 憲昭, 神村 盛一郎, 嶽村 貞治, 太田 有美, 森鼻 哲生, 猪原 秀典, 北村 嘉章, 阿部 晃治
    2014 年 24 巻 5 号 p. 760-765
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    近年、難治性中耳炎症状を呈するANCA陽性症例の報告が増加している。これらの症例の中には、ANCA関連血管炎であるGPA、MPA、EGPAの診断基準を満たさず、2011年に我々が提唱した感音難聴と顔面神経麻痺を示すMPO-ANCA関連中耳疾患 (以下、MPO-ANCA関連中耳疾患) が含まれる。
    今回我々は、難治性の中耳炎症状を呈するANCA陽性症例において、MPO-ANCA関連中耳疾患とANCA関連血管炎であるGPA、MPA、EGPAとの関係を明らかにする目的で、近畿と四国の関連病院25施設にアンケート調査を行い、17例の回答を得た。この17例は、診断基準に基づいてGPAとMPO-ANCA関連中耳疾患の2疾患に診断できた。さらに、仮にGPAの診断基準にMPO-ANCA陽性を追加すると、全例がGPAと診断できることが分った。全身型GPAにはMPO-ANCA陽性の症例も存在することから、難治性の中耳炎症状を呈するMPO-ANCA陽性でPR3-ANCA陰性のMPO-ANCA関連中耳疾患は、病理組織検査では血管炎の所見が得られないものの、疫学研究結果からは限局型GPAに含まれると考えられた。
  • 菊地 俊晶, 奥村 有理, 角田 梨紗子, 香取 幸夫
    2014 年 24 巻 5 号 p. 766-772
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    ANCA関連血管炎性中耳炎 (OMAAV) 診断基準案に該当した7症例 (確実例5例、疑い例2例) の経過を報告した。全症例において肺障害・腎障害を認めず、鑑別疾患となる好酸球性中耳炎、結核性中耳炎、コレステリン肉芽腫、悪性外耳道炎、腫瘍性疾患 (癌、炎症性筋繊維芽細胞種) は認めなかった。副腎皮質ステロイド薬 (以下ステロイド) 使用歴がありANCA陰性の3症例では、発症からOMAAVを疑う最終判断までの期間は4か月~7か月、ステロイド使用歴がなくANCA陽性の4症例では、発症からOMAAVを疑う最終判断までの期間は6日~2か月であった。全症例に、中耳炎発症側に解熱鎮痛薬 (NSAIDs) ではコントロール困難な頭痛を認めた。顔面神経麻痺を3例、下位脳神経麻痺 (肥厚性硬膜炎) を2例、外転神経麻痺・視神経障害を1例に認めた。治療は内科主導で行い、ステロイド+免疫抑制薬を中心とした加療が行われた。7例中6例は、寛解維持中である (4か月~5年)。治療開始前に聾となった例では聴力の改善は認めなかった。不幸な転機をたどった1症例を除く6症例の治療に伴う合併症として、ステロイド糖尿病、高コレステロール血症、満月様顔貌 (100%)、カリニ肺炎1例 (16.7%)、大腿骨頭壊死2例 (33.3%)、大腸憩室穿破からの急性腹症1例 (16.7%) を発症した。ステロイド治療後に症状出現し加療されていた眼科疾患は3例 (白内障、緑内障、網膜中心静脈閉塞症) 認めた。OMAAVの診断・治療には、積極的に疑う姿勢と慎重な鑑別診断が求められる。
  • 小山 泰司, 平塚 康之, 隈部 洋平, 山田 光一郎, 古田 一郎, 岩永 迪孝
    2014 年 24 巻 5 号 p. 773-778
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    大阪赤十字病院で2008年1月から2012年12月までの5年間に、処置で耳漏が改善せず手術を必要としたMRSA中耳炎について検討した。MRSA中耳炎の診断は耳漏のグラム染色と培養所見から判断した。症例は78例88耳、疾患の内訳は慢性中耳炎初回手術例が47耳、真珠腫性中耳炎が25耳、過去に鼓室形成術を行いMRSA感染をおこした再手術症例が16耳であった。
    手術のみで乾燥耳となったのは55耳、術後に浸出液が継続し処置を要したものの乾燥した例は27耳、処置でも改善せず再手術の上で乾燥耳となったのは2耳で、最終的に84耳 (95.5%) が乾燥耳となった。術後聴力改善例は、真珠腫段階手術後などの例を除くと85耳中50耳 (58.8%) であった。術前の乾燥状態や人工物の使用は術後乾燥に影響しなかったが、術前に乾燥している方が術後聴力は改善する傾向にあった。
    MRSA中耳炎に対しては、術前後の洗浄や耳浴などの適切な処置、手術の際の清掃と感受性のある抗菌薬の投与が重要であると考えられた。
  • -自験例での非側頭骨症例との比較-
    中村 真美子, 深美 悟, 春名 眞一, 平林 秀樹, 金谷 洋明, 柏木 隆志, 田中 康広
    2014 年 24 巻 5 号 p. 779-784
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    ランゲルハンス細胞組織球症は、全身臓器にランゲルハンス細胞が増殖、浸潤する原因不明の疾患である。今回、経験した側頭骨病変を伴ったランゲルハンス細胞組織球症4例のうち1例を提示し、側頭骨病変を伴わない症例との比較、および文献的考察を加えて報告する。症例は1歳の女児で、右血性耳漏を主訴に受診した。外耳道後上部に肉芽を認めたため、側頭骨CTを施行したところ、側頭骨に破壊性病変が認められた。自験例では側頭骨群は全例が3歳未満で多臓器多病変型 (MM型) であり、非側頭骨群よりも乳幼児に多かった。本疾患では、鼓膜正常な外耳道肉芽と側頭骨の破壊性病変、全身の多発性丘疹が高頻度に認められる。小児において、特色のある耳内所見、骨破壊を伴った側頭骨病変、多発性皮疹が本疾患の診断へと導く重要な所見であると思われた。
  • 丸山 絢子, 野口 佳裕, 高橋 正時, 喜多村 健
    2014 年 24 巻 5 号 p. 785-791
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    外耳道良性腫瘍は比較的稀な疾患であるが、母斑細胞母斑はその中の23%を占め、診断と対応を熟知する必要がある。今回我々は、外耳道入口部を充満し、慢性中心穿孔性中耳炎を合併した外耳道母斑細胞母斑の1例を経験した。症例は56歳男性で、小児期から左難聴と左外耳道腫瘤を認めていた。左耳漏を自覚し、当院耳鼻咽喉科を受診した。初診時に左外耳道入口部に、後壁に広基性の基部をもつ黒色腫瘍を認めた。純音聴力検査では、中等度の左伝音難聴を呈した。生検にて母斑細胞母斑と診断された。全身麻酔下に外耳道腫瘍摘出術を施行し、術中に明らかになった鼓膜穿孔に対し鼓室形成術I型を行った。腫瘍は15×12×8mmの大きさで、最終病理診断も母斑細胞母斑であった。術後11カ月の時点で外耳道腫瘍の再発や外耳道狭窄はなく、聴力は改善した。
  • 坪田 雅仁, 將積 日出夫, 中川 肇, 渡辺 行雄
    2014 年 24 巻 5 号 p. 792-797
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    めまいは外来受診における最も多い主訴の1つであり末梢性のものが多いが、脳血管障害あるいは腫瘍による中枢性のめまいも存在するため鑑別診断に注意を要する。今回我々は2009年10月から2012年3月に上越総合病院耳鼻咽喉科外来にめまいを主訴として受診した774例のうちCTやMRIで明らかな中枢性病変を指摘できた7例について報告する。7例のうち中枢性障害を疑う眼振所見が見られたのは1例のみであり、2例は末梢性めまいでも生じうる眼振所見であった。残りの4例については初診時に眼振は認められなかった。糖尿病・高血圧・高脂血症などの脳梗塞のリスクファクターとなる合併症が7例中5例で認められた。歩行できる症例では失調性歩行や体幹失調が全例に認められた。このことから、耳鼻咽喉科医として中枢性めまいを疑うポイントは既往歴、眼振所見、失調性歩行および体幹失調の3つが重要であることが挙げられた。
シンポジウム4
  • 司会のことば
    東野 哲也, 森山 寛
    2014 年 24 巻 5 号 p. 799-800
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
  • 比野平 恭之
    2014 年 24 巻 5 号 p. 801-804
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    2010年改定の真珠腫進展度分類に基づいて、最も頻度の高い弛緩部型 (上鼓室型) 真珠腫における進展度に応じた鼓室形成術の術式選択の要点を解説した。
    Stage I: 経外耳道的に外耳道を削開、拡大して真珠腫を明視下に置き、耳小骨連鎖を保ったまま真珠腫を摘出する方法が一般的である。
    Stage II: 真珠腫の進展により耳小骨連鎖と外耳道後壁の処理が術式選択の上で重要となる。外耳道後壁を削除して広く視野を確保する術式が操作性にも優れる。外耳道後壁を保存する場合は視野と操作性に制限を受けるため、バーや鉗子がスムーズに術野に入るよう乳突削開を進める必要がある。段階手術を行う場合がある。
    Stage III: 迷路瘻孔や顔面神経麻痺、頭蓋内病変など合併症に対しての対処が必要となる。多くは外耳道後壁の削除を必要とする。耳小骨連鎖の再建は合併症によっては行わない。
  • 奥野 妙子
    2014 年 24 巻 5 号 p. 805-810
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    中耳真珠腫進展度分類を用い、多施設共同研究を行った。2009年と2010年の6施設で登録された症例から先天性真珠腫について検討した。
    534症例のうち70例が先天性真珠腫として登録されたが、後天性とまぎらわしいものは除外し、鼓膜正常の59例を検討の対象とした。
    中耳真珠腫進展度分類で、Stage Iが29例、Stage IIが30例、今回Stage IIIはなかった。
    副分類についても検討し、後天性真珠腫とは病態、術式、予後にも特徴があることがわかった。
    中耳真珠腫進展度分類は病気の解明に有意義であることがわかった。
  • 山本 裕, 森田 由香, 高橋 邦行, 大島 伸介, 高橋 姿
    2014 年 24 巻 5 号 p. 811-815
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    中耳真珠腫進展度分類を用いた多施設共同研究のデータから、二次性真珠腫の臨床像を分析し、取扱いの問題点について考察した。二次性真珠腫の手術症例は全真珠腫の約4%、後天性真珠腫の約5%の割合で存在していた。本症を他の真珠腫と比較すると、女性に多い、手術時年齢が高い、乳突蜂巣発育の高度抑制症例が少ない、アブミ骨の破壊度が高度である、複雑な進展経路を持つなどの特徴がみられた。二次性真珠腫は独立した真珠腫の病態として少なからず存在するため、他の真珠腫と明確に区別して取り扱うべきである。また独特の進展様式に留意した進展度分類が今後検討されるべきである。
  • 小島 博己
    2014 年 24 巻 5 号 p. 816-821
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    日本耳科学会の中耳真珠腫進展度分類2010年案において、緊張部型真珠腫のstage Iaは癒着性中耳炎との線引きが困難である。またstage Iaに全面癒着 (AE) を合併すると「緊張部型真珠腫のstage III」として分類されるが、このような症例は「全面癒着型の癒着性中耳炎」との判別に迷う。すなわち病態を緊張部型真珠腫として考えた場合と癒着性中耳炎の立場からみた場合で診断が異なってしまう。これらの点につき検討した結果、1) 緊張部型真珠腫stage Iaは癒着性中耳炎もしくは前真珠腫と分類し、debrisの存在するstage1b以上を真珠腫とする。2) stage Iaは全面癒着をともなってもstage IIIとせず、全面癒着型の癒着性中耳炎に分類する。 3)stage Ib以上は従来通りの扱いとし、全面癒着を伴えば緊張部型真珠腫stage IIIとして分類する。という案を提唱した。
  • 松田 圭二, 東野 哲也, 後藤 隆史, 小島 博己, 小森 学, 比野平 泰之, 小林 一女, 山本 裕, 森田 由香, 阪上 雅史, 三 ...
    2014 年 24 巻 5 号 p. 822-827
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    2009~2010年に多施設共同研究 (6施設) として、初回手術を行った後天性一次性真珠腫446例を中耳真珠腫進展度分類 (2010) により解析した。型別では、弛緩部型73%、緊張部型22%、分類不能5%になった。弛緩部型では乳突進展例が79%を占め、緊張部型ではそれが37%に留まった。術式は、弛緩部型、緊張部型ともに限局例へは経外耳道上鼓室開放術または外耳道保存鼓室形成術が、乳突洞進展例では、外耳道保存鼓室形成術や外耳道再建型鼓室形成術がなされる事が多かった。聴力成功率は弛緩部型72%、緊張部型64%、分類不能型43%で、各型とも進展度があがるにつれて悪くなった。進展度分類は、容易に症例を識別でき、異なる施設からのデータ収集や施設間比較も問題なくできた。聴力予後とも良く比例し、妥当性のある手術分類であることがわかった。
シンポジウム3
  • 中島 崇博, 東野 哲也
    2014 年 24 巻 5 号 p. 829-833
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    先天性アブミ骨固着は底板の単純固着から複合奇形を伴うものまで多彩な伝音難聴病態を呈する。宮崎大学及び鹿児島市立病院での耳小骨奇形症例188耳のうち、先天性アブミ骨固着及び複合奇形は62耳で、耳小骨奇形の33%であった。発生学的見地に基づく船坂分類を参考にして、手術の観点から複合奇形に対する分類の再検討を試みた。結果、キヌタ骨長脚からアブミ骨上部構造に至る領域で、同部位の複合奇形を3つのパターンに分類する事でより効果的術式選択が可能と思われた。アブミ骨固着を合併する奇形症候群のうち、Branchio-oto-renal (BOR) 症候群およびNOG遺伝子変異による合指症症候群 (Teunissen-Cremers: TC症候群) を比較すると、いずれも船坂分類の複合奇形ながら、術式、成績とも後者が良好であった。遺伝的素因を背景とした症候群性難聴の理解、人工聴覚器を含めた治療選択肢の適応理解など、高い専門性が耳科医に求められる。
公募インストラクションコース2
  • 大田 重人
    2014 年 24 巻 5 号 p. 835-841
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/25
    ジャーナル フリー
    耳管機能の評価には耳管機能検査装置を用いた耳管機能検査がとても有用で、外来でも使いやすいコンパクトな装置が市販されており保険適応にもなっている。しかし、未だ全国の耳鼻科医に十分に普及しているとはいえない。耳科手術の術前検査としても、耳管機能検査は他の術前検査 (純音聴力検査、ティンパノグラム、味覚検査など) と比較すると、大学病院でさえ十分浸透しているわけではない。現在、日本耳科学会耳管委員会にて耳管機能検査マニュアルや耳管診療ガイドラインの作成を進めているところであるが、耳管機能検査の基準値も確定されてはいない現状がある。
    今回は、当科にて行っている耳管機能検査の実際について紹介させていただき、耳管機能検査の普及に少しでも貢献できることを期待する。
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