Otology Japan
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最新号
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第31回日本耳科学会総会特別企画
耳科学会賞受賞研究
  • 樫尾 明憲
    2022 年 32 巻 2 号 p. 159-164
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    人工内耳術前に側頭骨HRCT画像所見から手術の難易度・術中の合併症が推測可能かを検討するとともに,ECAPによる蝸牛内病態解明についての基礎的な研究を行った.術中の正円窓の視野は外耳道と蝸牛基底回転のなす角度及び,蝸牛基底回転と顔面神経の位置関係によって影響を受けることが分かった.術中CSF Gusherは蝸牛軸の無い症例で多く,前庭水管が拡大しており,内耳道が短い症例ほど起こりやすいことが分かった.術後顔面神経刺激は内耳道長が短く,前庭水管径が小さい症例で起こりやすいことが分かった.髄膜炎後の蝸牛骨化症例では正常では200 HU以下の蝸牛CT値が500 HU以上を取ることが分かった.ECAPの測定で,遠方の記録電極で潜時の短い活動電位が記録できる症例が存在することを示し,current spreadを検討した結果,測定している神経群は同一であることが分かった.

シンポジウム1
  • 田渕 経司
    2022 年 32 巻 2 号 p. 165-169
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    シスプラチンやアミノグリコシド等の耳毒性物質は蝸牛において活性酸素を産生し,c-Jun-N-terminal kinase(JNK),p38 mitogen-activated protein kinase(P38MAPK),AKT(protein kinase B)等の各種キナーゼ経路を活性化する.これらのキナーゼ経路は有毛細胞障害性または保護性に働く.セラミド,スフィンゴシンやそれらのリン酸化物(セラミド-1-リン酸[C1P],スフィンゴシン-1-リン酸[S1P])は様々な細胞機能に関与し,耳毒性物質による蝸牛障害におけるスフィンゴ脂質の作用をまとめる.

    セラミド産生経路としてはde novo合成経路,スフィンゴミエリナーゼ経路が知られるが,耳毒性障害においてはスフィンゴミエリナーゼ経路を介してセラミドは産生される.セラミドは他のスフィンゴ脂質に代謝され,セラミドとスフィンゴシンは有毛細胞障害性に働き,C1P,S1Pは細胞保護性に機能する.S1Pの保護機序はS1P2受容体を介して発現され,C1PおよびS1PはAKT経路を活性化し,有毛細胞死を抑制している.耳毒性物質により産生されるスフィンゴ脂質は有毛細胞の最終的な生死の決定に重要な役割を演じる.

シンポジウム2
  • 西村 忠己
    2022 年 32 巻 2 号 p. 171-176
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    軟骨伝導補聴器の販売が開始され,普及が進んでいる.新しい補聴器であるため,どの様な症例にフィッティングするのが良いのか,十分な効果を得ることができる聴力の範囲はどの程度であるのかについて十分に解明されているとは言い難い.市販化後に行われた256例のフィッティング症例の結果では,外耳道閉鎖症や慢性耳漏などの気導補聴器の装用が難しい例で約8割の購入率が得られ,気導補聴器の装用が難しい例が良い適応になると考えられた.適応可能な聴力の範囲を気導,骨導補聴器の評価法に準じて評価したところ,非閉鎖耳では中等度の難聴,閉鎖耳では骨導閾値が20–40 dB以内の症例で良好な効果が得られると考えられた.なお軟骨伝導の音の伝わりは気導骨導とは異なる.さらに耳の状態によって変化する.そのため実際の効果についてはフィッティングした上で評価する必要がある.

シンポジウム4
  • ―遠隔医療・オンライン診療に向けての課題―
    伏木 宏彰
    2022 年 32 巻 2 号 p. 177-183
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    めまい・平衡障害の原因は診療科の枠組みを超えて多岐にわたるが,内耳・前庭神経の障害により生じる末梢性めまいの占める割合は高く,耳鼻咽喉科には他の診療科からめまい患者を紹介されることも多い.耳鼻咽喉科医師は平衡障害を的確に診断し適切な治療を提供することで患者や医療者の期待に応えることが望まれる.

    近年,スマートフォンやタブレット型端末などの普及とデータ通信技術の発展によりInformation and Communication Technology(ICT)技術が急速に普及している.我々は,めまい診療の普及と地域めまい診察力の向上を目的として,スマートフォンやタブレット型端末をベースとした,診療支援アプリケーション(アプリ)やデバイスを開発してきた.今回,支援アプリ・デバイス開発と国内外の先進事例を踏まえて,遠隔医療・オンライン診療のイメージを描き,めまい診療においてオンライン診療が円滑に行われた場合の患者側と医師側のメリットと普及のために障壁となる課題について検討した.

シンポジウム5
  • 小森 学
    2022 年 32 巻 2 号 p. 185-188
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    日本耳科学会用語委員会では2015年に初回手術を施行した中耳真珠腫の全国疫学調査を行い全国74施設1,787例を登録した.さらに2018年に本疫学調査の追跡調査を全国49施設1,456例に対して行い,聴力予後について1,060例,再発予後について1,084例を検討した.聴力改善率は63.3%であり,152例(14.0%)で再発を認めることが判明した.2020年には鼓室形成術における付帯手技をより詳細にした「上鼓室・乳突腔病巣処理を伴う鼓室形成術の術式名称について(2020)」がまとめられた.用語委員会のメンバーを中心に各病態,手術ごとにどの程度付帯手技が行われているかを検討した.

    今回は弛緩部型真珠腫および緊張部型真珠腫においてその疫学,手術選択,付帯手技,治療成績に関する比較検討を行った.

    今後は進展度に応じた術式選択と付帯手技がより標準化されてくると考えられる.また,今後検討するべき課題や近未来における中耳真珠腫治療の展望なども述べていく.

シンポジウム8
  • 瀬尾 徹
    2022 年 32 巻 2 号 p. 189-193
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    耳石器機能検査として確立された前庭誘発筋電図(vestibular evoked myogenic potential: VEMP)には,球形嚢機能検査として同側の胸鎖乳突筋で記録される前庭誘発頸筋電図(cervical VEMP: cVEMP)と卵形嚢機能検査として対側の眼球直下で記録される前庭誘発眼筋電図(ocular VEMP: oVEMP)がある.VEMPによりいくつかの新知見が得られた.ひとつは,耳石器単独障害では,その平衡斑の平面上の直線運動をもつふらつきが生じることである.つまり球形嚢では矢状面,卵形嚢では水平面の動きをもつふらつきを生じる.また良性発作性頭位めまい症の頭位性めまいは頭位治療により早期に消失するが,軽度のふらつきが持続することがある.これらは残存する卵形嚢障害による可能性がある.耳石器機能検査としてVEMPに代替するものはなく,網羅的な内耳機能の検索には必須である.

  • 堤 剛, 伊藤 卓, 本田 圭司, 竹田 貴策, 渡邉 浩基, 山崎 あやめ, 大岡 知樹
    2022 年 32 巻 2 号 p. 194-199
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    近年の超高齢社会において,高齢者の転倒予防は喫緊の課題である.我々はそのために「ふらつき」の定量評価に関する研究を続けてきた.耳石器は重力を感知し,視覚・体性感覚と共同で重力認知座標を構築する.耳石眼反射を定量化することで転倒リスクを評価し,高リスク症例の抽出と予防医学的介入を行うことを目的としている.前額断面の耳石眼反射は眼球反対回旋によって,また矢状断面ではListing平面を描出することで定量評価可能である.我々がこれまで行ってきた健常者のListing平面の特性評価や各種疾患による変化,マウスを対象とした動物モデル,計測に必要な回旋性サッケードの特性の解明,耳石眼反射と相補的に働く静的頸眼反射の存在の検証,回転刺激や温度刺激負荷後のふらつきのメカニズムの解明について概説する.さらに今後の展望として,VRゴーグルを用いた検査・リハビリテーションの実装についても触れる.

原著論文
  • 李 信英, 小池 卓二
    2022 年 32 巻 2 号 p. 201-208
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    内リンパ水腫による難聴の発症機序の仮説の一つである内リンパ圧の上昇説をコンピュータシミュレーションに基づいて検証することを試みた.内リンパ圧の上昇は正常蝸牛モデルの基底板表面に準静的に圧力を加えることにより表現した.正常蝸牛モデルでは純音入力時に基底板上に生じる進行波の包絡線は紡錘形を示し,基底板の特定部位で明確なピークを示す.一方,基底板に静圧を加えると基底板の頂部側にたわみが生じ,進行波の包絡線形状のピークは不明瞭なものとなった.基底板振幅は減少し,最大振幅を示す基底板位置も正常耳とは異なった.これらの変化は基底板に生じたたわみにより構造剛性が増加したことによるものであり,聴力閾値の増加および周波数弁別能の低下につながるものと考えられる.加えた静圧の大きさによって,特に頂部側の基底板が異なった挙動を示したことから,内リンパ圧の変動と低音域の変動性難聴が関係している可能性が示唆された.

  • 田中 千智, 山本 典生, 西村 幸司, 岡野 高之, 大森 孝一
    2022 年 32 巻 2 号 p. 209-216
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    CHARGE症候群では側頭骨奇形を伴い,人工内耳植込術の際に,乳突削開,後鼓室開放,蝸牛開窓や電極挿入に影響を与える.このような場合,手術用ナビゲーションシステム(Image-guided surgery system: IGSS)が有用であるが,通常のIGSSでは側頭骨手術に必要な精度は得られない.また精度向上のため骨に基準マーカーを埋め込む手法があるが,従来法では術前のCT撮影前に小手術が必要であった.今回,CHARGE症候群に対する人工内耳植込症例2例に対し,手術室で利用可能な移動式コーンビームCTを用いて手術開始後に設置した骨埋め込み型基準マーカーを含むレジストレーション用画像を作成し,IGSSを使用した.2例とも合併症なく蝸牛内に電極を挿入可能であった.電極挿入困難が予測されるような側頭骨奇形の合併症例の手術の場合は安全かつ正確な手術施行の為,IGSSの使用は有用な選択肢の一つであると考える.

  • 手塚 綾乃, 甲州 亮太, 野田 昌生, 島田 茉莉, 佐々木 徹, 伊藤 真人
    2022 年 32 巻 2 号 p. 217-221
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    小児髄膜炎の原因として内耳先天異常が知られている.今回,内耳充填術後に一過性顔面神経麻痺を呈した症例を経験した.

    6歳男児.ABRでは左高度難聴を認め,CTにて左内耳高度形成異常(IP-I)であった.当科では髄膜炎発症リスクが高いと考えられる内耳先天異常例に対しては,予防的内耳充填術を治療選択肢と考えており,試験的鼓室開放術+予防的内耳充填術を施行した.アブミ骨底板の瘻孔形成と髄液漏を認め,アブミ骨を摘出すると内耳腔は内耳道と交通していた.側頭筋膜を内耳へ挿入し,その上から卵円窓を軟骨片で塞いだ.髄液漏の停止は得られたが,帰室後から左顔面神経麻痺を呈したため,翌日に緊急鼓室開放を行った.内耳の充填材料を抜去し,内耳道底の瘻孔を塞ぐように軟骨を留置し,その手前に筋膜を挿入する形で再度内耳を充填した.術後7日で麻痺は完全に回復した.内耳-内耳道の交通を認める場合は,内耳道圧迫を避ける充填の工夫が必要と考えられた.

  • 野内 舞, 木下 淳, 井上 雄太, 西村 信一, 奥野 妙子
    2022 年 32 巻 2 号 p. 222-226
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    顔面神経減荷術後,伝音難聴を生じた症例を経験した.症例は46歳男性.右Bell麻痺に対し,経乳突法で顔面神経減荷術が施行された.術後平均聴力レベル約30 dBの伝音難聴を認め,6か月後に難聴改善目的で再手術が行われたが難聴は改善しなかった.難聴改善を希望して当院受診,術後約13か月後に手術を行った.顔面神経減荷術時,キヌタ骨のrepositionが行われているが連鎖に異常はみられず,伝音難聴の原因は,岬角からアブミ骨を埋めるように存在する骨性の板状組織ではないかと判断した.硬化病変をレーザーで蒸散し固着を解除するとアブミ骨の可動性は改善し,聴力は8000 Hz以外のすべての音域において改善を認めた.この骨性病変は顔面神経減荷術の際,骨削開により発生した骨粉が鼓室に残存し,伝音連鎖再建で使用したフィブリン糊との相乗効果で硬化したものと考えられた.顔面神経減荷術時,十分な洗浄を行い骨粉の残存がないことを確認する必要があると考えられる.

  • 織田 潔, 小泉 祥太郎, 日高 浩史, 小林 俊光, 大山 健二, 香取 幸夫
    2022 年 32 巻 2 号 p. 227-233
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    耳小骨筋は通常随意に動かすことはできず,強大音聴取時に耳小骨筋反射として不随意で動くだけである.顔面神経麻痺の既往がなく,耳小骨筋を意図的に動かし筋性耳鳴を生じた4症例を我々は経験した.病歴,鼓膜所見より4症例とも鼓膜張筋が関与していると推測された.1例は瞬目・閉眼に同期した強い鼓膜の内陥を認め,forceful eyelid closure syndrome(FECS)と診断した.FECSは小児に多く心因の関与が指摘されており,非常に稀な疾患である.他の3例は瞬目・閉眼とは無関係に耳の奥に力を入れると鼓膜がリズミカルに動き,鼓膜の随意運動と診断した.4症例とも筋性耳鳴による苦痛度はわずかで,薬物療法や耳小骨筋腱切断術等はせずに経過観察とした.筋性耳鳴の診断には詳細な病歴聴取,内視鏡による鼓膜の観察,瞬目または耳に力を入れた際のアブミ骨筋反射検査が有用と考えられた.

  • 森 裕介, 村上 信五
    2022 年 32 巻 2 号 p. 234-238
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    難聴・めまい・耳鳴等様々な耳症状を呈した巨大な三叉神経鞘腫について報告する.症例は34歳の女性で,左耳の滲出性中耳炎として近医にて約2年間,通院加療を続けていたが,左耳鳴と難聴の進行がみられたため,当科を紹介受診した.視診および血液検査にて上咽頭腫瘍や好酸球性中耳炎,ANCA関連血管炎性中耳炎は除外された.最後に内耳道・小脳橋角部病変を疑い,頭部造影MRI検査を行ったところ,中頭蓋窩底から前頭蓋底の硬膜外に進展する巨大な三叉神経鞘腫が診断できた.

  • 鹿毛 千聡, 濵本 真一, 福島 久毅, 原 浩貴
    2022 年 32 巻 2 号 p. 239-245
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    外リンパ瘻は,頭部外傷や中耳外傷といった直達外力や圧外傷などの介達外力によっても生じる.今回,迷路内だけでなく内耳道にも気腫を認めた外傷性外リンパ瘻例を経験した.野球の練習中に左側頭部へ直飛球が直撃した.直後から回転性めまい,左難聴が出現した.CTで迷路気腫だけでなく,内耳道および錐体尖部に気脳症を認めたため左外傷性外リンパ瘻を疑った.側頭骨や迷路骨包に骨折は認めず,中耳・内耳奇形も認めなかった.同日,緊急手術を施行した.キヌタ-アブミ関節は脱臼し,アブミ骨底板は全周性に陥入していた.卵円窓から持続的な液噴出を認めた.アブミ骨を整復し,底板周囲を筋膜片で覆い,噴出液の停止を試みたが,噴出圧が強く閉鎖は困難であった.そのため,アブミ骨を一旦摘出し,卵円窓を側頭筋膜片で覆い,その上をアブミ骨で圧迫するように耳小骨連鎖を整復した.一連の操作は内視鏡下に施行した.術後,聴力の改善は得られなかった.内耳道気腫の成因として,側頭部打撲の衝撃によりアブミ骨底板がfloating状態となり,内耳道底の微細な間隙から空気が侵入した可能性を考えた.

  • 物部 寛子, 中西 わか子, 川脇 和世
    2022 年 32 巻 2 号 p. 246-252
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    経鼓膜チューブ留置が複数回必要になる症例や鼓膜アテレクターシス症例などに対し,subannular tube(SAT)留置は長期留置が可能,また脱落後の穿孔のリスクが少ないなどの利点が指摘されているが,長期留置できない症例も経験する.このため,鼓膜換気チューブ脱落または抜去後に生じた鼓膜穿孔やアテレクターシス,癒着性中耳炎に対しSAT留置と軟骨鼓膜形成術を同時に施行した.この術式を施行した4耳の小児症例の経過について検討報告した.

    結果,意図しない人為的抜去があった1耳を除き,580–695日でチューブは維持され,穿孔拡大や再陥凹などの合併症は生じなかった.

    今回示した軟骨鼓膜形成術を併用したSAT留置は経鼓膜的な長期留置型チューブの合併症を回避するものとして代替になる可能性がある.

  • 原 稔, 加我 君孝, 神尾 友信
    2022 年 32 巻 2 号 p. 253-257
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー

    外耳道に限局したアミロイドーシスは,外耳道の腫瘤性病変の鑑別診断の対象となり,これまでもいくつかの報告がなされているが,比較的稀であるため一般的に広く知られるには至っていない.今回われわれが経験したのは70歳代女性.当院初診時,両側外耳道皮膚に小腫瘤病変を多数認めた.病理所見では上皮下に好酸性無構造物質を認め,ダイロン染色で赤橙色を呈したことからアミロイドーシスの診断となった.その後全身の検索を行うも他病変を認めず,外耳道に限局した皮膚アミロイドーシスと判断した.特に治療はせず,定期清掃と経過観察を行っているが,縮小傾向にはあるが完全消失には至っていない.

    皮膚科領域ではナイロンタオルやブラシの長期使用で,摩擦部に一致してアミロイドが沈着することが広く知られている.本症例のような外耳道アミロイドーシスの成因には,習慣的耳かきなどの慢性的な機械刺激の関与があるのではないかと考えられる.

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