有機系新素材の一つとして注目されている導電性高分子は,共役系の高度に発達した高分子であるが,一次元性が強いのか二次元的に共役系が広がっているかで,その性質は大きく異なる.最近,分子設計のうえ,禁止帯幅が非常に狭いもの,さらに適当な置換基の導入により,従来の常識に反して,溶媒に可溶なもの,加熱により溶融するものも得られ,材料面でかなりの進展をみた.また,ドーピングによる絶縁体-金属転移の機構を含めて,基本的な導電性高分子の電子過程が,かなり明らかとなった.一方,導電性高分子の特異な優れた特性を生かした,さまざまな機能応用が提案されているが,二次電池など,かなり研究の進んでいるものもある.
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