新しい真空同時蒸着法により,直径1~5nmの金属微結晶を,方位のそろった状態で,酸化マグネシウム (MgO) 単結晶膜中に埋め込んだ複合膜を作成することができる. このような金属-セラミック複合膜はサーメットとして知られているが,本研究で作成した複合膜は,金属微結晶およびMgOマトリックスが,それぞれ単結晶性をもっていることが大きな特色である.この複合膜を,高分解能電子顕微鏡と電子回折法を用いて,原子レベルで構造解析した.さらに成長膜の熱処理により, Fe-MgO 複合膜では高温相のγ-Feの析出が観寮され, Ti-MgO複合膜ではMg
2TiO
4のスピネルへの変態が観察された.また,この複合膜の電気抵抗の温度依存性および,磁性灘定についても報告する.
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