600nm帯可視光半導体レーザーの研究開発は,ここ数年,かつてなかった急速な進展を遂げつつある.歴史的課題であった素子の寿命も,発振波長678nmのレーザーにおいて,室温で4000時間を越えるものが得られはじめており,実用化もそれ程先の話ではなくなりつつある.これは, 1980年代にはいり,従来結晶成長が不可能であった,ワイドギャップIII-V族半導体AlGaInPのエピタキシャル成長が可能となり,その高品質化が進んだためである.本稿では,この新しいうねりをつくりだしている新材料AIGaInPと,これを用いた可視光半導体レーザー研究開発の進歩について,著者グループの仕事を中心に述べる.
抄録全体を表示