イオン衝撃下にある固体表面に発現するいわゆる“コーン”(円錐状突起)は,しばしば,結晶性の異なる脚部と先端部からなる“二重構造”を示す.一方,発達過程にあるコーンに気相より供給された不純物は,コーン斜面に薄膜状に堆積し,かつ,基板構造との整合性いかんでは堆積層はエピタキシャル成長する.これらは,イオン衝撃がコーン先端部における優先的原子再堆積を誘起し,また,堆積原子の規則配列を促す効果をもつことを示唆しており,コーン発現は,異方性エッチングの結果にすぎないとする既存モデルの見直しが求められる.
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