重水素化パラジウム(Pd-D)の一表面にAuを蒸着し,もう片面に酸化膜MnO
2を蒸着した試料を真空中に置いて,通電加熱することにより,
4Heの生成をリアルタイムで観測した.測定は,高分解能(4amuにおいて0.001amu)四重極質量分析装置を用いて行った.
4Heの質量(4.0026amu)に等しいピークは,重水素分子の質量(4.0282amu)に等しいピークと明確に分離し得,その出現は,通電加熱を始めて数時間後に突然起きる試料温度の急激な上昇と時間的な相関を有していた.一方,軽水素化パラジウム(Pd-H)を用いた同様の実験では,
4Heの質量に等しいピークの出現は観測されなかった.以上の実験結果は,固体中で新しいメ力ニズムによる核反応が生じていることを示唆する.
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