結晶中にドープされたユーロピウムイオンは,低温において非常に鋭いホールバーニングを形成する事が知られている.即ち,不均一吸収線幅~10GHzに対し,ホール幅,あるいは均一幅は1kHz以下と固体中で最も狭く,さらに一度形成されたホールは永続的である.このため,この材料は記憶容還10
7ビットの大容量周波数領域光メモリーとして期待されるばかりでなく,そのきわめて短い書き込み時間により,ホログラフィーの手法を用いて,リアルタイムで動画像を周波数領域へ記録する事が実現できる.今回,われわれはEu
3+:Y
2SiO
5を用いてこの動画記録の実験的検証に成功した.この新しい動画記録方式は,従来の映画やビデオといった記録方式と本質的に異なり,記録媒質のメ力二力ルな移動を伴わないため,マイクロ秒やナノ秒領域の超高速動画像の記録を原理的に可能ならしめる.
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