シリコン結晶中の格子間不純物酸素の運動に関して広く受け入れられている非線状欠陥分子モデルの根本的な誤りを指摘して,正しい運動の記述方法と,それにのっとった一つのモデル八ミルトニアン(非調和結合励起モデル)を提示する.これによって実際に, 30, 1100, および1200cm
-1帯の吸収ピークのエネルギーと相対強度が,同位体酸素の場合まで含めて定量的に説明されることを示す.その結果として,各吸収帯の物理的起源と酸素の運動描像を明らかにする. 500および1700cm
-1吸収帯についても,報告されているi翼験事爽が矛盾なく説明されることを示す.これまでの研究の経緯と問題点の紹介にも重点を置き,今後の問題として残されたピーク半値幅の温度変化の起源や,類似する一群の不純物系との形式論的な関連性についてもふれる.
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