応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
65 巻, 6 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 飯吉 厚夫
    1996 年 65 巻 6 号 p. 567
    発行日: 1996/06/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
  • 田中 大, Ludwig BOESTEW, 籏野 嘉彦
    1996 年 65 巻 6 号 p. 568-577
    発行日: 1996/06/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    原子力および放射線の利用,宇宙科学,新エネルギーの研究,地球環境の研究などの科学技術の変遷の中には,常に原子・分子過程研究へ立ち返ることが求められてきた.そして今,機能性薄膜の創製や超LSIの微細加工に活用されているプロセス用低温プラズマ技術も同様である.プラズマを原子・分子過程で捉らえることは,プラズマのより深い理解へつながる.ここでは,プラズマ中の電子・イオン・フリーラジカル・励起原子・分子・光子によるさまざまな反応素過程を概観する.特に電子分子衝突過程と原子衝突を伴うエネルギー移動過程を中心に,その断面積また反応速度定数の測定法を紹介し,系統的データの必要性を強調したい.
  • 佐藤 幸夫
    1996 年 65 巻 6 号 p. 578-586
    発行日: 1996/06/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    炭素やネオンなどの重イオンを物質に照射した場合,イオン種と運動エネルギーで決まる飛程の終端部付近で急激に線エネルギー付与 (LET) が増大し,いわゆるBragg・ピークを形成する.これはX線やγ線とは異なるきわだった特性であり,重イオンを深部がんの治療に用いれぱ体表面での放射線被曝による損傷を大幅に軽減できる可能性を示している.重イオンのこのような特性を十分にいかし,効率的ながん治療を行うため1987年に千葉市の放射線医学総合研究所敷地内でHIMAO (Heavy-lon Medioal Aooelerator in Crliba) の建設が開始された. HIMACはシリコン・イオンを人体中 30cm の深さに達するに必要なエネルギーである800MeV/核子まで加速できる能力を持ち,患者を治療するための治療室を3室有している. 1994年3月には装置に関する調整・検査が完了し,約3カ月間の基礎実験期間を経て6月から臨床試行が開始された. 1995年度末までに,約100人の患者に対する治療照射が行われたが,初期の段階にもかかわらず多くの症例に対しかなりよい結果が期待されている.
  • 石川 順三
    1996 年 65 巻 6 号 p. 587-593
    発行日: 1996/06/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    負イオンを用いた新しい材料プロセスが注目されるようになったのは,負イオンが正イオンと異なる属性をもつからである.電子親和力が小さく粒子衝突に弱い負イオンは,発想を転換して,金属のフェルミ準位と原子の電子親和力準位間の電子の移動を積極的に利用した表面効果法を最適化することにより,高効率で負重イオンを発生させることができる.負イオンの電荷が負の極性を持つことから,絶縁された電極や絶縁物への注入において,表面からの二次電子放出による負の電荷放出とのバランスがとれやすく,その表面帯電電位が数V程度に収まる特長が生じる.
  • 渡辺 征夫
    1996 年 65 巻 6 号 p. 594-600
    発行日: 1996/06/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    プラズマCVDにおいて気相中に発生する微粒子は,堆積膜の膜質劣化や作製デバイスの歩留り低下という深刻な問題もたらすことが知られている.一方,最近,プラズマ中微粒子の特徴をいかして,これを積極的に利用しようとする動ぎがある.本稿では主にRFシラン放電において気相反応により生じる微粒子を取り上げ,最近の実験結果をもとにその発生メカニズムと成長抑制・制御の方法について解説する.また,プラズマ中の微粒子を利用して,原子・分子とも,また固体バルクとも異なる物性を有する「超分子」を大量に作製しようとする研究について紹介する.
  • 武部 雅汎
    1996 年 65 巻 6 号 p. 601-607
    発行日: 1996/06/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    X線フィルムより100倍も感度の高いイメージングブレートは最近急速に利用が進み始めた.その特長は感度の高い以外に線量計測範囲が5桁に及ぶこと,低ノイズでの計測が可能であること,本来デジタル画像計測であるので計算機取り込み,処理に優れオートラジオグラフィーではもはや不可欠な手段となっている.しかし放射線計測器としてはまだ線質弁別,中性子計測などの分野への開発段階である.それらの現状と開発の課題についてまとめた.
  • 水澤 純一
    1996 年 65 巻 6 号 p. 608-613
    発行日: 1996/06/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    マルチメディア通信サービスを実現するさまざまな試みが行われている.その代表的な実験サービスの例を5件私見を交えて説明する.またその背後にある通信ネットワ-クの技術の大局的な変化についてわかりやすく解説する.しめくくりとして21世紀のネットワークに不可欠なラスト1マイルをつなぐ光ファイバーネットワークのパラダイム議論の一部を紹介する.
  • 菅原 充, 向井 剛輝
    1996 年 65 巻 6 号 p. 614-620
    発行日: 1996/06/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    半導体量子構造に閉じ込められた励起子の自然放射と誘導放射について解説する.前者は超高速非線形光スイッチへの応用,後者はII-VI族青色半導体レーザーへの応用の可能性から注目を集めてきた.量子井戸面内で励起子が局在化すると,自然放射寿命が数十倍に増加することを実験的に示す.光波と励起子重心運動の間の波数ベクトル選択則に基づいて,メゾスコピックな量子ディスクにおける励起子自然放射寿命を理論的に導く.量子井戸面内で周在化した励起子分子の誘導放射を利用して,室温での励起子レーザー発振が実現する可能性を指摘する.
  • 堀岡 一彦, 青木 尊之
    1996 年 65 巻 6 号 p. 621-625
    発行日: 1996/06/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    コヒーレントで輝度の高い短波長光源(軟X線レーザー)は,大規模なレーザー装置で生成ざれるプラズマでのみ実現可能と考えられてきたが,最近の高速放電技術を用いてXUV領域でのレーザーの発生が可能になった,放電励起することにより,電気エネルギーが直接プラズマに注入されるため,非常に高効率でコンパクトかつ低コストで極端紫外から軟X線領域のレーザー装置を実現できると予測ざれている.さらに短波長化を実現するためには,実験結果と適切にモデル化された数値シミュレーションの定量的な比較検討を行いプラズマのエネルギー密度を高める必要があり,実用化のためには,繰り返し能力の改善,小型化,ショット当たりの出力エネルギーの限界などを明らかにしていかねばならない.
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