応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
65 巻, 7 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 春日 正伸
    1996 年 65 巻 7 号 p. 675
    発行日: 1996/07/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
  • 中村 修二
    1996 年 65 巻 7 号 p. 676-686
    発行日: 1996/07/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    発光ダイオード (LED) の高光度フルカラー,あるいはディジタルビデオディスク (DVD) などの光ディスクの高密度記録のため短波長青色発光素子の実現はワイドバンドギャップ半導体材料を研究している研究者にとっては長年の夢であった.最近 GaN 系半導体材料を使用して従来の LED より約100倍明るい高光度青,緑色 InGaN 単一量子井戸構造 LED が相継いで開発製品化された.また半導体レーザーの中では最短波長である390~430nmの青紫色半導体レーザーも InGaN 多重量子井戸構造を発光層とすることにより 1995 年末に世界で初めて開発された.ここではこれらGaN系発光素子の現状と将来の展望について述べる.
  • 奥山 浩之, 石橋 晃
    1996 年 65 巻 7 号 p. 687-696
    発行日: 1996/07/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    II-VI族化合物半導体レーザーの実用化はあとわずかのところまで迫ってきた.室温連続発振する ZnCdSe 活性層/ZnSSe ガイド層/ZnMgSSe クラッド層分離閉じ込め型ヘテロ構造レーザーの現在までに報告された最もよい特性は,発振波長 510nm 程度での闌値電流密度 210A/cm2,閾値電圧3.3Vであり,動作時間は100時間を突破した.しかし,デバイスの商品化のみならず,II-VI族化合物半導体の研究はその組み合わせの豊かさ,その物性のIII-V族化合物半導体などとの違いと類似点の存在,イオン性においてIV族からI-VII族化合物半導体までの中間的な物質であることなど,基礎的な研究の範囲はかなり広いものがある,このII-VI族化合物半導体の最近の研究について,発光素子を中心にその物性からデバイスまでを解説する.
  • 西永 頌
    1996 年 65 巻 7 号 p. 697-703
    発行日: 1996/07/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    エピタキシヤル成長技術の概要とそのメ力ニズムにつき解説した.まず,エピタキシー技術が果たしてきた役割について概観し,新しいデバイスが生まれるきには必ず新しいエピタキシー技術があったことを述べた.次に,液相エピタキシー,分子線エピタキシー,有機金属気相エピタキシーをとり上げ,これらの技術の概略を説明したあと最近開発ざれたエピタキシー法を二つとり上げその特徴を述べた.その後,エピタキシーのメ力ニズムにっき考察し,ステップ端での過飽和度が重要であることを説明した.最後に今後のエピタキシーの進む方向につき議論し,熱力学,統計力学,量子力学といった学問を武器とし,科学としてのエピタキシーの研究が重要であることを述べた.
  • 柿本 浩一
    1996 年 65 巻 7 号 p. 704-709
    発行日: 1996/07/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    バルク結晶成長における熱と物質の輸送現象を制御する方法の紹介をする.ざらに熱平衡に極めて近いバルク結晶成長において有効な相図が材料設計に与える効果についても紹介する.また最近話題となっている結晶成長中の熱と物質との輸送現象について,ウエープレット変換法などを利用した新しい解析手法を用いた研究結果について概観する.最後に,最近注目を浴びている原子レベルの現象とバルク結晶成長との係わりについても概観する.
  • 羽深 等, 片山 正健, 島田 学, 奥山 喜久夫
    1996 年 65 巻 7 号 p. 710-713
    発行日: 1996/07/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    常圧 SiHOl3-H2系のシリコンエピタキシャル成長におけるガス,熱と化学種の輸送現象と基板表面の Si 生成の化学反応およびリアクターの形状を考慮した三次元輸送・エビ成長モデルをもとに数値計算を行うことにより,実用に用いられる成長条件(濃度,基板回転数)における成長速度と膜厚分布を予測できることを紹介する.特に,複雑な輸送現象の解析に必要な項目と表面化学反応を簡潔に取り扱うモデルについて述べ,輸送律速領域において確認した結果を紹介する.さらに,今後進められるべき数値シミュレーションについても展望する.
  • 国井 泰夫, 永瀬 雅夫
    1996 年 65 巻 7 号 p. 714-717
    発行日: 1996/07/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    半導体デバイスの分野では,将来のギガビット級DRAMやナノスケールデバイスをにらんで,シリコン表面制御の研究が盛んに行われている.シリコン表面(界面)は,エピタキシヤル成長や高温の水素,酸素雰囲気でのアニールにより興味深いモフォロジーを呈する.これらのモフォロジー形成過程のAFMを用いた詳しい解析やモデリングが進展してきている.ここでは,このような話題を中心にしてシリコン表面/界面制御技術の展望を述べる.
  • 今西 泰雄, 石原 慎吾, 小林 信也, 磯貝 正人
    1996 年 65 巻 7 号 p. 718-722
    発行日: 1996/07/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    新しい励起子閉じ込め系として,分子線蒸着法による銅フタロシアニン (CuPc) とナフタレンテトラカルボン酸二無水物 (NTODA) の有機超格子作製を試みた.低温(-50°C) で蒸着することにより,1層当たり数ナノメーター以下の膜厚のヘテロエピタキシャル構造が作製できた.超格子系で観測されたバルクと異なる吸収スペクトルと三次非線形光学性についても紹介する.
  • 篠田 傳, 苅谷 教治, 広瀬 忠継
    1996 年 65 巻 7 号 p. 723-727
    発行日: 1996/07/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    プラズマディスプレイ (PDP) は発光型で視野角が広く見やすい表示品質を持ち,また構造が簡単で作りやすいなど20型以上60型程度までの大型ディスプレイとして最適なデバイスである. 21型, 26型PDPの製品化が行われ, 40型の試作品が示された. 42型は今年の秋から量産化が予定されており,夢の壁掛けテレビも現実のものとなってきた.ここでは筆者らが開発を進めてきたAC型PDPの技術を中心に壁掛けTV開発の現状を述べる.
  • 安藤 精後, 小林 直樹, 安藤 弘明
    1996 年 65 巻 7 号 p. 728-731
    発行日: 1996/07/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    GaAs (111) B 基板上で,有機金属気相成長法による選択成長を用いると,側面が(110)面で構成されたGaAs/AlGaAsの六角柱構造を成長できる.この (110) 面は,基板に垂直で原子レベルの平坦性を持つため,これを光の反射器として利用した六角柱ファセットレーザーを製作した.この六角形のリング共振器型レーザーは,光の閉じ込めが強いという特徴を持ち,低しきい値でシングルモード発振する.さらにレーザー光を有効に取り出すため,六角柱の角に矩形の光導波路を結合した構造のレーザーを検討し,レーザー光を導波路先端から取り出すことに成功した.これらのレーザー構造を選択成長により作製する際には,成長用原料を交互に供給する成長法が有効である.
  • 伊藤 進夫
    1996 年 65 巻 7 号 p. 732-736
    発行日: 1996/07/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    X線回折を用いて薄いエピタキシャル膜を感度よく評価しようとするとき,結晶中へのX線の侵入深さを浅くすることが必要である.そのためには,完全結昂中のブラッグ反射による全反射の場合も,不完全結晶における吸収による減衰の場合でも,結晶表面に対するX線の視斜角を小さくすることが有効である.本稿では,まずエピタキシャル膜を評価するために工夫した二結晶法測定装置の自作例を紹介し,つぎに,試料表面を水平から少し傾けて置き垂直になった格子面から反射させることにより視斜角を小さくする手法(水平配置)とそれによる測定例を示す.
  • 原 史朗, 大串 秀世
    1996 年 65 巻 7 号 p. 737-741
    発行日: 1996/07/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    清浄な3C-SiC (001) 単結晶のSi飽和 (3×2) 再配列構造を有する表面において,構造的な乱れが観測された.表面格子の3×2の周期性は完全に保持されていながら,おのおののセル内で単位構造の配置に乱れが存在している,このような乱れは,セル型乱れと呼ばれる.セル型乱れは,これまで固体表面で観測されたことはなかった.セルを構成する2つのSiダイマーは互いにバックリングしており,これが乱れの直接原因である.バックリングの方向は,おのおののセルで独立に決まっており,表面全体にバックリングの配列に関するランダムネスが広がっている.この乱れは,セルの独立性に起因する低次元性によって生まれた, intrinsicな乱れである.
  • 青島 紳一郎, 伊藤 晴康, 土屋 裕
    1996 年 65 巻 7 号 p. 742-746
    発行日: 1996/07/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    波長選択自己注入同期法を適用し,100nm以上の波長可変制御が可能なCW全固体Gr:LiSAFレーザー,カーレンズモード同期によるフェムト秒全固体Cr:LiSAFレーザーについて述べた.後者では,繰り返し周波数89.4MHz,光出力2.6mW,パルス幅30fsのトランスフォーム限界の光パルス列の発生に成功した.このとき,ピーク波長907.6nm,スペクトル幅は29.1nmであった.また,新しく開発した219MHzの高繰り返し光パルス列が発生できる小型全固体フェムト秒レーザーについて述べた.
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