ダイヤモンドは,ブレークダウン電界,熱伝導度,飽和速度,キャリア移動度などが高いため,八イパワー,高周波,高集積におけるデバイスの性能指標が他の半導体と比べ著しく高い.これを生かす電界効果トランジスタ(FET)開発の視点から,水素終端表面,エピタキシャル成長,キャリア制御,シヨットキー障壁形成,各種FETについて解説した.著者が開発した水素終端表面を利用したダイヤモンドFETでは,室温での高いキャリア密度と低い表面準位密度のため,電流駆動能力が同サイズのシリコンFETに匹敵し,ダイヤモンドの特長を引き出すのに,現状では非常に適した構造になっている.ダイヤモンドFETの発展において,表面吸着原子制御は,結晶成長と同様に非常に重要なプロセス技術となろう.
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