最近,高温超伝導材料の研究が進み,その応用が真剣に検討され始めている.ビスマス系線材およびバルク材の応用としては,送電ケーブル,発電機,トランス,超伝導エネルギー貯蔵,限流器,実験室用各種マグネット,電流リードなどがあり,またイットリウム系バルク材の応用としてはフライホイールや磁気浮上搬送システム,電流リードなどがある.これらの機器のうちのいくつかはすでにプロトタイプが試作されており,試験運転が行われているが,電流りードや実験室マグネットなどを除いて,まだ性能が実用レベルには達していない.最大の問題は臨界電流密度が十分高くないことである.また交流損失が大きいことも交流応用には大きな悶題である.これらの問題を解決して実用化を達成するには,今後さらなる材料学的研究が必要不可欠である.
抄録全体を表示