著者が,ソニー・コンピュータ・サイエンス研究所の設立と運営を通じて,直感的に感じている, 21世紀の技術革新を展望した.
ひとつには,ネットワークをはじめとするあらゆるシステムが「生体的挙動」を示すようになること.さらには,「量子コンピューター」や「量子通信」のみならず,微細化した電子回路が「量子状態」をそのまま利用するようになる,などが予測される.
これらの技術革新には,物理学,化学,生物学,機械工学,複雑系の科学,コンピューター科学,通信工学,システム工学などの融合が重要である.それぞれの学問の殻の中のみで仕事をする人は,技術革新に参加できないだろう.
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