量子力学的な干渉効果を利用し,物質の吸収,発光,屈折などの光学特性を劇的に変化させる,電磁波誘起透明化とよばれる物理現象が近年注目を集めている.この現象の利用により,従来レーザーに不可欠と考えられていた反転分布を必要としないレーザーが可能となる.そのため,反転分布の実現が困難な短波長領域での新しいレーザー動作原理として期待されている.從来,気体でのみ観測されていたこの現象を素子化に有利な固体で誘起することが最近可能となった.本稿では,国体でこの新物理現象を実現した方法について解説する.また,固体での実現で新しく開ける可能性について述べる.
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