SOI技術の各種LSIにおける最近の研究開発動向が述べられる.高速MPUにおいては,基板浮遊効果を回避しながら,バルクシリコン素子に比べて20~30% の高速化が達成されている. DRAM 応用においてはソフトエラ一フリー,ビット線容量低下などの利点とともに,ダイナミックリテンション特性の劣化問題などが指摘されている.通信用LSIでは,支持基板に高抵抗シリコンを用いることによりインダクターの性能改善とクロストーク改善が可能となる.そのほか,動作電圧0.5V 以下で動作するLSIへの応用,SOIを用いたポストスケーリング素子構造,および今後のSoCに向けた開発の方向性などが述べられる.
六方晶GaNを中心としたIII-V族窒化物で構成される青色発光および電子デバイスは極性面上に形成されている.われわれはこの極性構造を切り口にしてMOCVD-GaN 薄膜の成長,特性に関する研究を行ってきた.その結果,成長プロセス(基板処理,低温緩衝層など)と成長方位(極性)に非常に大きな相関があることを定性的ながら見いだした. GaN 薄膜成長や特性に極性が関与する現象(成長モードや特性)に対するわれわれの現在の理解を紹介する.