応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
72 巻 , 2 号
『応用物理』 第72巻 第2号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
巻頭言
総合報告
  • 山本 喜久
    2003 年 72 巻 2 号 p. 146-156
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル 認証あり

    将来の量子情報システムの中核を担う単一光子光源について,その開発の現状を紹介する.半導体単一量子ドットをモノリシックマイクロキャビティーへ閉じ込めた系を光ポンプすることにより,フーリエ変換限界にある単一光子パルス列を高効率,高速繰り返しで発生することができる.単一光子を用いるBB84方式量子暗号への応用のみならず,エンタングル光子対を用いるBBM92方式量子暗号,量子テレポーテーション,量子中継,線形光学量子コンピューターなどへの応用が期待される.

解説
最近の展望
  • 面谷 信
    2003 年 72 巻 2 号 p. 176-180
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル 認証あり

    紙とディスプレイの長所を共存させた快適に“読める”媒体として電子ペーパーが注目され,実用をめざした開発が精力的に進められている.本報告では,電子新聞・電子本などへの適用が期待されるこの新しい電子メディアの狙い,実現形態,技術開発の現状,ヒューマンインターフェース面での検討状況,応用用途の見通しについて概説する.

  • 南部 芳弘
    2003 年 72 巻 2 号 p. 181-185
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル 認証あり

    近年,従来技術にパラダイムシフトをもたらす次世代技術として,量子情報処理技術が注目されている.量子暗号,量子通信や量子計算などの応用が検討されており,これらを実現するための要素デバイスおよびシステム技術の開発が重要な研究テーマとなっている.量子情報処理技術の開発においては,従来技術の開発と同様に信頼おけるデバイスおよびシステム評価技術が求められる.本稿では,量子情報処理技術の基本的評価技術である,量子チャネルの評価技術に関する実験的取り組みについて報告する.

  • 上妻 幹旺
    2003 年 72 巻 2 号 p. 186-190
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル 認証あり

    光は最も速く,最も堅牢な量子情報の伝達坦体であるが,お互いに相互作用をさせることができない,止めることができないという決定的な短所をもっている.一方,質量をもつ系である原子は,止めることもできれば,お互いに相互作用をさせることもできるが,量子情報を高速で伝達させることはできないという欠点をもっている.光と原子の間で量子情報を自由にやりとりすることができれば,相補的な系がもつ短所は相殺され,長所だけを生かすことができる.ここでは,光と原子の間の量子情報のユニタリーなコミュニケーションを実現しようという世界の研究の流れを紹介するとともに,著者らが行っている研究成果について説明をさせていただく.

研究紹介
  • 伊藤 彰義, 粟野 博之
    2003 年 72 巻 2 号 p. 191-195
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル 認証あり

    光の干渉限界を媒体の磁気特性により克服した磁区拡大再生法(MAMMOS)とそれによる光磁気記録における世界最高密度64Gbit/inch欝 の実験結果を示した.そのMAMMOSの2層化方法と短波長光学系での実証,加えて従来の磁区拡大法を改良し再生磁界を不要とした無磁界MAMMOSの実験結果を示した.無磁界MAMMOSではDVDと同じ赤色光学系を用いて,DVDの2倍の記録密度が達成でき,実用化に必要な各種マージンも広く確保できること,さらにDVD比4.5倍密度の記録再生にも成功した.これらのように媒体可換で情報の秘とく性にも優れた書き換え可能である光磁気記録の高密度化の最新技術と成果を述べた.

  • 長村 利彦
    2003 年 72 巻 2 号 p. 196-200
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル 認証あり

    超高密度と超高速記録・再生を両立させる新しいメモリーが求められている.その有力なアプローチの一つとして分子と光との相互作用を巧みに用いるフォトニック分子メモリーがある.本稿では,分子当たり1個の電子移動に基づく可視近赤外での超高速吸収変化材料,色素を含む導波モード薄膜の光誘起複素屈折率変化による光記録・変調についての最近の研究を紹介する.分子と光の優れた諸特性を情報処理に生かすための金属ー有機複合薄膜の重要性を述べる.

  • 横山 士吉, 大友 明, 益子 信郎
    2003 年 72 巻 2 号 p. 201-204
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル 認証あり

    1980年代後半,高分子化学分野で段階的成長反応の結果,デンドリマーと呼ばれる樹状分子が開発された.固有の物理化学特性のため幅広い分野へ浸透し現在に至るまで急速な発展が進み,化学・バイオ・医療などの領域で新展開がなされている.本稿では,デンドリマーを分子パーティクルとして取り扱うことを目的とし,発光媒体としての有効性について述べ,液体,固体,および微小空間におけるレーザー光の発生など光増幅特性を示すとともに,新材料としての可能性について紹介する.

  • 吉澤 明男, 土田 英実
    2003 年 72 巻 2 号 p. 205-208
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2019/09/27
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    量子暗号通信は送受信者の間で秘密暗号鍵を安全に共有する手段であり,単一光子の偏光や位相に1bitの情報を載せて伝送を行う.光ファイバーを利用して長距離にわたる鍵配布を行うためには,伝送損失が最低となる波長1550nmにおいて,単一光子を低雑音で,かつ効率よく検出できる受信器が必要である.本稿ではアバランシェフォトダイオードを用いた電子冷却式の単一光子検出器について,動作原理,および量子効率と暗計数率の評価結果を紹介し,その特性から予測される量子暗号鍵配布の性能について議論する.

基礎講座
  • 大嶋 重利
    2003 年 72 巻 2 号 p. 210-213
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2019/09/27
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    高温超伝導体のフィルターの原理と題して,超伝導フィルターの種類とその設計法,超伝導フィルターの特徴,超伝導フィルターの応用例およびこれからの超伝導フィルターに要求されることについて概説した.フィルターの設計に関しては,ローパスフィルターの等価回路から求める手法について述べた.また,応用例に関しては,米国の携帯電話基地局用バンドパスフィルターシステムの例を述べ,なぜ超伝導フィルターが必要なのかを記述した.

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