応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
73 巻, 12 号
『応用物理』 第73巻 第12号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
巻頭言
企画の意図
総合報告
  • 柳田 祥三
    2004 年 73 巻 12 号 p. 1509-1518
    発行日: 2004/12/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    有機薄膜太陽電地,あるいは,バルクヘテロジャンクション太陽電池の一つと見なしうる色素増感酸化チタン(TiO2)太陽電池(DSC)の特徴と最近の研究を論じた.DSCの多孔質TiO2電極において,拡散係数と電子寿命測定で求められる電子の拡散長が数μmと大きく,その結果,電極厚さが数μmの多孔質電極の使用によって高い変換効率を与える.ルテニウム金属を有しない有機色素の研究と,DSCに用いられてきたルテニウム増感色素の光・熱安定性を紹介した.イオン性液体を電解質とするDSCの長期光・熱安定性についても言及し,今後のDSC研究を展望した.

解説
  • 荒川 裕則
    2004 年 73 巻 12 号 p. 1519-1524
    発行日: 2004/12/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    安価で高性能な次世代型太陽電池の候補として注目されている色素増感太陽電池の高性能化について,その要素技術の観点から紹介し,将来の課題について述べた.まず,太陽電池の性能を支配する,短絡電流,開放電圧,フィルファクターの向上のためのアプローチの方法を紹介した.次に具体的例としてチタニア光電極の最適化として,チタニアナノ粒子と光散乱大粒子を組み合わせた層で構成される光電極で光吸収効率を上げる試み,いわゆる光閉じ込め効果について紹介した,この方法により,色素増感太陽電池の変換効率10〜11%を達成することができた.次に,新しい色素の設計指針を紹介し,変換効率8%以上の高性能なRu色素や有機色素の開発例について述べた.

  • 斉藤 和裕, 當摩 哲也, 近松 真之, 原浩 二郎, 吉田 郵司, 八瀬 清志
    2004 年 73 巻 12 号 p. 1525-1530
    発行日: 2004/12/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    素材経費と製造プロセス経費を含めたトータルで大幅なコストダウンの可能性を秘めた太陽電池の候補として,有機半導体を用いて作製される薄膜太陽電池がある.有機薄膜太陽電池に関する研究には長い歴史があり,第1次ブーム後しばらくの停滞期間を経て,今世紀に入り再び研究開発が活発化している.最近では,高効率化に向けて,有機材料の特徴を積極的に活用した素子構造が提案されるようになった.ここでは,有機薄膜太陽電池の最近の研究動向とその動作原理,今後の展望について紹介する.

最近の展望
研究紹介
基礎講座
feedback
Top