応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
74 巻, 11 号
『応用物理』 第74巻 第11号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
巻頭言
企画の意図
総合報告
  • 成川 幸男, 長濱 慎一, 玉置 寛人, 向井 孝志
    2005 年 74 巻 11 号 p. 1423-1432
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    小型LEDチップ(320μm×320μm)を用いた白色LEDの発光効率は,定格20mA駆動で,製品レベルで70 lm/Wに達し,実験室レベルでは蛍光灯の効率を上回る113 lm/Wにまで達した.さらに,大型LEDチップ(1mm×1mm)を用いた白色LEDの定格350mA駆動での全光束は85 lmにまで高出力化された.さらに,LDを用いた新しい白色光源の開発に成功し,白色LEDよりも高輝度な光源が作製できた.GaN系LEDを用いた白色光源が従来のランプを置き換え,固体照明が日常のものになるのもそう遠い将来ではなくなった.

解説
最近の展望
  • 広崎 尚登, 解 栄軍, 佐久間 健
    2005 年 74 巻 11 号 p. 1449-1452
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    窒化物・酸窒化物ホスト結晶にEu2+ イオンを付活したCa -α サイアロン黄色蛍光体,CaAlSiN3 (CASN)赤色蛍光体,β サイアロン緑色蛍光体の3種類の蛍光体を開発し,それらの蛍光体と青色LEDとを組み合わせて白色LEDを試作した.これらの蛍光体は450nmの青色光で励起できることが特長である.青色LEDとCa -α サイアロン黄色蛍光体を用いて,相関色温度3080K,電力視感効率50.4 lm/Wの高効率電球色を得た.青色LED素子と前記3種類の蛍光体を用いて,相関色温度2800〜6600K,平均演色評価数Raが80以上,電力視感効率25〜32 lm/Wの高演色白色LEDを試作した.いずれも,温度上昇に対する色度安定性に優れていた.これらの白色LEDは,一般照明用途に好適であると考えられる.

  • 大橋 啓之, 藤方 潤一, 石 勉, 西 研一, 馬場 寿夫
    2005 年 74 巻 11 号 p. 1453-1457
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    GHz台で応答する光電変換素子をSi材料主体のCMOS製造プロセスに適合させるために,筆者らは近接場光を利用したナノフォトダイオードを開発した.これは,素子表面に設けたプラズモン共鳴を生じるための金属製のアンテナとナノスケールの微小な受光部とを組み合わせることで,高速性と高感度特性を両立させた光電変換素子である.これら二つの特性が両立可能な受光素子は,VLSIの配線遅延問題解決に向けたチップ内光配線導入に必要である.ナノフォトダイオードは,高機能なエレクトロニクスと高伝送容量の光配線をつなぐ基本素子として期待される技術である.

研究紹介
  • −発振波長域240〜360nm−
    川西 英雄, 高野 隆好, 瀬沼 正憲, 貫井 猛晶
    2005 年 74 巻 11 号 p. 1458-1462
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    最近実現されたAlGaN系深紫外半導体レーザーの光励起による室温レーザー発振についてまとめる.AlGaNはGaNからAlNまでの広いバンドギャップを有し,紫外から深紫外域の波長域で発光可能な半導体である.新しく開発した「交互供給法」により,高Al組成AlGaNの高品質エピタキシャル結晶成長が可能になったことから,AlGaN多重量子井戸型半導体レーザーを製作し,光励起によりレーザー発振が達成された.そのときの最短波長は,室温で241nmであった.

  • 佐々木 勝
    2005 年 74 巻 11 号 p. 1463-1466
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    蛍光灯代替などの一般照明用途に向けて,大光量白色発光ダイオード(Light Emitting Diode : LED)の開発が加速されているが,これらのLEDは多くの場合,輝度の不足により,自動車ヘッドランプには使用できない.数十m以上の遠方を照らすヘッドランプの特殊性から,光源に要求される最も重要な光学特性は高い輝度であり,それなくして,LEDヘッドランプは成立しない.十分な性能のLEDヘッドランプを実現するためには,LEDの輝度は少なくともハロゲン電球並みの20cd/mm2以上を実現する必要がある.試作したヘッドランプの明るさは,HIDヘッドランプと同等のレベルを達成した.

  • 一宮 彪彦, 河裾 厚男, 深谷 有喜, 林 和彦
    2005 年 74 巻 11 号 p. 1467-1471
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    高速陽電子は,結晶に対する斥力ポテンシャルのために,結晶表面で全反射を起こさせることができる.この全反射条件における陽電子ビームの進入深さはほとんどの領域で0.1nm以下であり,陽電子は極表面からバルク内部に入り込まない.この性質を利用して,結晶の極表面の構造と物性の測定を,バルクの影響なしに行うことができる.この手法を用いたシリコン表面の構造,吸着構造,熱振動振幅などの最近の研究結果について紹介する.

基礎講座
feedback
Top