応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
75 巻, 2 号
『応用物理』 第75巻 第2号
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巻頭言
企画の意図
総合報告
  • 斗内 政吉
    2006 年 75 巻 2 号 p. 160-170
    発行日: 2006/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    近年の光・ナノ技術の進歩により,テラヘルツ分野における技術革新が進んでいる.テラヘルツ時間領域分光法,テラヘルツ量子カスケードレーザー,サブテラヘルツ無線通信,サブテラヘルツ電気信号処理技術およびテラヘルツデバイスなどさまざまなテラヘルツ関連研究成果が広がっており,新しい科学技術分野として,また,新規産業の開拓を担うものとして,大いに期待されている.そのような中,具体的な将来展望を明らかにするため,テラヘルツ技術に関する動向調査が実施された.本稿では,同動向調査の結果を踏まえて,テラヘルツ波技術の現状と展望について解説し,次世代キーテクノロジー創製を目指した,テラヘルツ電磁波・テラヘルツフォトニクス・テラヘルツエレクトロニクス三研究分野の総合的推進を提案する.

解説
  • 小宮山 進
    2006 年 75 巻 2 号 p. 171-178
    発行日: 2006/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    半導体二次元電子系の量子ホール効果,半導体量子ドット,量子井戸などを用いたテラヘルツ帯の超高感度検出器について紹介する.波長が約100μmより長い領域では単一光子検出によるフォトンカウンティング測定が可能になっているが,その動作原理と検出器特性を解説する.また,中赤外域に波長範囲を拡大する試みについても触れる.さらに,走査型顕微鏡に組み込んで量子ホール電子系からの極微弱なサイクロトロン発光のイメージングを得る応用研究の例を紹介する.

  • 永井 正也, 田中 耕一郎
    2006 年 75 巻 2 号 p. 179-187
    発行日: 2006/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    フェムト秒レーザーを用いたテラヘルツ電磁波の発生,検出技術を紹介し,時間領域分光法の基礎的な概念を強誘電体材料を例に詳述する.次に,特に粉体や水溶液の測定に有効な全反射分光技術に焦点を絞り,その手法について述べる.この全反射分光法を含めた反射配置における測定感度に関して,スミス図表により議論する.後半部では,半導体,生体関連材料におけるわれわれのグループで行った最新の実験結果を紹介する.

  • 大谷 知行, 有吉 誠一郎, 佐々木 芳彰, 川瀬 晃道
    2006 年 75 巻 2 号 p. 188-195
    発行日: 2006/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    従来,サブミリ波あるいは遠赤外線と呼ばれた帯域にまたがるテラヘルツ波は,これまで発生・検出が困難であったため,その産業や科学研究分野への応用に関する研究は進んでいなかった.しかし,近年のレーザー技術の進展などによって発生法や分光法の開発・研究が進み,テラヘルツ波が新たなセンシングツールとして脚光を浴びてきている.本稿では,本グループがこれまで行ってきたテラヘルツ波に関する技術開発および応用研究について紹介する.

  • 齋藤 永宏, 井上 泰志, 高井 治
    2006 年 75 巻 2 号 p. 196-201
    発行日: 2006/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    環境汚染,エネルギーの大量消費などが人類にとって早急に解決すべき課題となっている今,地球環境への負荷が少ない「バイオミメティックス」を用いた材料プロセッシングが注目されている.本稿では,「生物の形に学ぶ」,「生物のプロセスに学ぶ」,「生物の機能に学ぶ」という三つのアプローチから,われわれが行っている「バイオミメティックス」を用いた材料プロセッシングの試みについて紹介する.アプローチ「生物の形に学ぶ」では透明超はっ水薄膜について,アプローチ「生物のプロセスに学ぶ」では自己組織化単分子膜を用いた各種マイクロパターンの作製について,アプローチ「生物の機能に学ぶ」では微細構造化したInNのエレクトロクロミック特性について述べる.

最近の展望
研究紹介
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