応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
76 巻, 4 号
『応用物理』 第76巻 第4号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
巻頭言
企画の意図
総合報告
解説
最近の展望
  • 榮 武二
    2007 年 76 巻 4 号 p. 390-393
    発行日: 2007/04/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    陽子線治療の施設の概要と,それによるがん治療の現状を説明する.筑波大学の新施設は,いくつかの改造の後,十分な性能を達成し,治療運転の実績が得られている.本報告ではまた,実用的観点から陽子線治療の研究・開発の展望について述べる.

  • 斧 高一, 鷹尾 祥典
    2007 年 76 巻 4 号 p. 394-398
    発行日: 2007/04/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    マイクロ・ナノ工学と宇宙工学は親和性のよい組み合わせである.最近,宇宙マイクロ・ナノ工学として,材料,デバイス,マイクロシステムに関する研究開発が世界中で展開され,電子的・機械的機能を基板上に集積化して構成する人工衛星,シリコンナノサテライトも提案されている.本稿では,次世代超小型衛星(<10kg)の姿勢・軌道制御に不可欠なマイクロスラスターについて,マイクロ電気推進技術の研究開発動向・課題とともに,〜mmサイズのマイクロプラズマスラスターの研究を紹介する.マイクロ波励起マイクロプラズマとマイクロノズル流れの特徴に注目し,数値解析と実験により,この構成が実用に必要な推進性能を与えることを示す.

  • 吉武 道子
    2007 年 76 巻 4 号 p. 399-404
    発行日: 2007/04/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    まず,仕事関数の定義,電子的描像,最近の第一原理による仕事関数計算などについて述べ,仕事関数がバルクのみではなく表面の結晶配列や欠陥などに敏感な物性量であることを示した.次に,仕事関数の測定法についていくつか紹介するとともに,測定の注意点について触れた.さらに,仕事関数の異なる二つの表面の接触=界面へと仕事関数の電子的描像を拡張し,電極材料開発で問題となっている実効仕事関数制御へと関連づけした.

研究紹介
  • 佐藤 俊一, 寺川 光洋, 小原 實
    2007 年 76 巻 4 号 p. 405-409
    発行日: 2007/04/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    高エネルギーナノ秒パルスレーザー光を光吸収材(ターゲット)に照射することにより,立ち上がり速度が速く(>108 MPa⋅s-1),ピーク圧力の高い(数十MPa),圧縮性の応力波を発生させることができる.われわれは,このレーザー誘起応力波(LISW : laser-induced stress wave)を細胞ないし生体組織に作用させることにより,高効率な遺伝子導入が可能であることを実証した.遺伝子の発現はレーザー照射部に限局して観測され,高い空間選択性が得られることがわかった.本稿では,このLISWを用いた遺伝子導入に用いる実験装置とその特性,および各種培養細胞と動物の皮膚組織,脳組織への遺伝子導入の実例について紹介する.

  • 小平 哲也
    2007 年 76 巻 4 号 p. 410-414
    発行日: 2007/04/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    多孔質結晶であるゼオライトのナノ空洞に金属原子を導入することにより,金属クラスターが周期配列した三次元金属超格子構造を作製できる.ゼオライト中の配列金属クラスターでは,クラスター間の相互作用により構成元素からはおよそ想像できない電子物性が発現することが報告されている.クラスター間相互作用の制御ができれば,多様な物性・機能が期待されるが,半導体超格子構造における量子井戸間の電子のトンネリング制御技術に類似した手法により,これを実現できることがわかってきた.金属クラスター集積体の三次元周期ポテンシャルの制御法について紹介する.

feedback
Top