応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
76 巻, 7 号
『応用物理』 第76巻 第7号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
巻頭言
企画の意図
総合報告
解説
最近の展望
研究紹介
  • 友澤 稔
    2007 年 76 巻 7 号 p. 780-784
    発行日: 2007/07/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    シリカガラスは,電子材料としても光学材料としても重要な物質である.ガラスの性質は一般に,冷却速度によって変化する.組成が同じで構造および性質の異なるガラス試料を区別するため,融液がガラスに変化したと考えられる温度として,ガラスの仮想温度という概念が使われる.シリカガラスの仮想温度は赤外分光計を使って簡単に測定でき,その一定温度での経時変化からガラスの構造緩和速度を決めることができる.これらの測定から,シリカガラス表面層の構造緩和速度は,ガラス内部の構造緩和速度に比べて速いことがわかった.この現象のため,シリカガラスの表面や薄膜,ファイバーや微粒子などは,同じ熱処理後でもバルクのシリカガラスとは異なった性質をもつ場合がある.

  • 内野 隆司
    2007 年 76 巻 7 号 p. 785-789
    発行日: 2007/07/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    アモルファスシリカは,シリコン酸化膜,光ファイバーなどさまざまな分野で基幹材料として用いられている.しかし,これまでその微粒子状態の構造や物性については,十分に研究されることがなかった.近年,筆者らは粒径が数〜数十nmのアモルファスシリカ微粒子が,バルクや薄膜状態とは異なる興味深い構造,物性を有することを報告した.本稿では,アモルファスシリカ微粒子特有の構造的特徴について述べるとともに,同微粒子およびその焼結体で観測される多彩な可視発光現象について紹介する.

  • 鵜殿 治彦
    2007 年 76 巻 7 号 p. 790-793
    発行日: 2007/07/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    金属,半導体,磁性体と多彩な性質を示す鉄シリコン化合物の中で,半導体鉄シリサイド(β-FeSi2)は,Si基板上へのエピタキシャル成長が可能なことから,Siベースのオプトエレクトロニクス材料として期待されている.しかし,高品質なバルク単結晶の成長が難しいため,その諸物性については十分な研究が行われていない.本稿では,溶液成長法による β-FeSi2 バルク単結晶の成長技術と,得られた単結晶の電気的特性,光学的特性,構造特性について紹介する.

基礎講座
  • 黒田 新一
    2007 年 76 巻 7 号 p. 795-798
    発行日: 2007/07/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    有機分子材料の中でも,導電性高分子は最も盛んに研究されている材料の一つである.炭素原子間の一重結合と二重結合が交互に繰り返したπ共役系の分子骨格を有し,有機半導体としての優れた電子光機能性を示す.また,薄膜形成が容易であることから,低コストのエレクトロニクス材料として注目される.現在,高分子EL素子,電界効果トランジスタ,太陽電池などへの応用研究が盛んに行われている.ここでは,これらの素子へ用いられる代表的な高分子材料を中心として,その分子構造や,薄膜の構造と電気的,光学的特性について紹介する.また,デバイス中のキャリアのミクロ観測についても紹介する.

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