応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
78 巻, 11 号
『応用物理』 第78巻 第11号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
巻頭言
企画の意図
総合報告
解説
  • 岸野 克巳
    2009 年 78 巻 11 号 p. 1029-1034
    発行日: 2009/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    赤色(635nm),青色(445nm)域ではGaInP系,GaInN系材料によって高出力半導体レーザーが達成されており,まずその高出力化の技術的ポイントをまとめた.これを参考にして緑色半導体レーザーの進展と課題,新しい展開について述べた.最近,GaInN系で緑色半導体レーザーの室温連続動作が得られたが,500nm以上の緑色域ではしきい値電流密度はnm刻みで高くなって,高出力化のために解決すべき課題も多い.本稿では,緑色レーザーに向けた別の手法についても紹介し,GaNナノコラム,InP基板上? -?族系材料の可能性を述べた.

最近の展望
研究紹介
  • 島田 悟
    2009 年 78 巻 11 号 p. 1044-1048
    発行日: 2009/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    三次元映像を三次元空間に直接投影する空間立体描画装置(レーザープラズマ3Dディスプレイ)について紹介する.今回開発した描画装置はレーザー焦点近傍でのプラズマ発光現象を利用したものであり,レーザー光の焦点位置をXYZ 軸で制御することで,空気以外何もない空間(三次元空間)に実像としてのドットアレイからなる三次元映像の描画を実現した.

  • 杉井 信之, 土屋 龍太, 石垣 隆士, 森田 祐介
    2009 年 78 巻 11 号 p. 1049-1053
    発行日: 2009/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    CMOSの微細化が進み,素子のしきい値電圧(Vth)ばらつきの増大が深刻化している.これは回路の動作電圧低減を困難にさせ低消費電力化の障害となる.この問題を解決するために,完全空乏型SOIの一種で埋め込み絶縁(BOX)層が10nm程度と薄い,薄膜BOX-SOIを開発した.Vth ばらつきの主要因である不純物個数ゆらぎの影響を抑えるために低不純物濃度チャネルとし,極薄のSOIおよびBOX層により優れた短チャネル特性を実現させた.その結果,従来バルクCMOSの半分程度のばらつきが実現でき,0.6V程度の低電圧でSRAMが動作可能なことを示した.さらに,基板バイアスによる適応制御が可能な特長を生かしてLSIの大幅な低電力化が可能である.

  • 成沢 忠
    2009 年 78 巻 11 号 p. 1054-1057
    発行日: 2009/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    高エネルギーのイオンビームをテーパー付きの細いガラス管(キャピラリー)に導き,通過させて収束する技術とその応用について述べる.典型的には,入口径を1mm,出口径を10μmとし,これに2MeV,10nAのヘリウムイオンビームを入射させると,出口からは10μm径で0.1nA程度のイオンビームがエネルギー損失なしで得られる.イオンはキャピラリー内壁で数回反射して出てくると考えられる.この現象は結晶中でのイオンのチャネリングによく似ている.入射させるイオンビームは,結晶のチャネリング実験で使われるイオンビームのように,発散角(扇形の頂角)が大きくても0.1°程度の平行なビームであることが必要である.

オーラルヒストリー
基礎講座
  • 斎木 敏治
    2009 年 78 巻 11 号 p. 1073-1077
    発行日: 2009/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    光がエネルギーを運ぶことは知識としてだけでなく,日常的な体験からもよく知られている.本解説では,空間に蓄えられている光のエネルギーとその流れの基本的な概念を整理し,実用上重要な光の強度という物理量を正確に理解していただくことを目指す.また,物質中ではそれを構成する電子との相互作用を通して,光は損失を受け,熱エネルギー,電気エネルギーなどに変換される.応用上はエネルギー変換効率が性能として重要となるが,その最適化のためには物質中を伝搬する光の強度変化に対する理解が必須である.

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