応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
78 巻, 3 号
『応用物理』 第78巻 第3号
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巻頭言
企画の意図
総合報告
  • −半導体スピントロニクスの最近の進展−
    田中 雅明
    2009 年 78 巻 3 号 p. 205-216
    発行日: 2009/03/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    キャリアの電荷を主に用いていた半導体材料やデバイスに,従来あらわにはかかわってこなかった“スピン”という物理量を積極的に導入することにより,新しい機能を生み出そうとする「半導体スピントロニクス」の研究が世界的に大きな潮流となっている.強磁性半導体をはじめ,スピンや磁性の性質が顕著に現れる半導体をベースとした材料の開発,半導体へのスピン注入と検出,スピン制御についての研究の経緯と現状を概説し,デバイス応用も含めた将来の展望を述べる.

解説
  • −スピン流・スピントルクを中心に−
    佐久間 昭正
    2009 年 78 巻 3 号 p. 217-223
    発行日: 2009/03/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    磁性体に電流を流した場合の磁気モーメントの運動方程式を微視的立場から考察した.電子の運動によってLLG方程式にスピン流 JiS の発散項 −∇·JiS が付与される.これにより磁性体内の磁気モーメントには角運動量を保存するようなトルクが働く.また,LLG方程式におけるギルバート緩和項の起源について最近の理論に基づき概説した.

  • −薄膜・多層膜の埋もれた層・界面の密度,膜厚,ラフネスの決定−
    桜井 健次
    2009 年 78 巻 3 号 p. 224-230
    発行日: 2009/03/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    X線反射率法は,薄膜・多層膜の深さ方向の構造を非破壊的かつ簡便に与える実用的な技術である.微小角で単色X線を試料表面に入射させ,その角度を変化させたとき,特徴的な干渉縞を含む強度プロファイルとして取得され,理論式と実験値のフィッティングやフーリエ解析によって,各層の密度・厚さ,表面および各界面のラフネスを決定することができる.原子層レベルのわずかな変化を敏感に検出できる点は特に優れている.また,結晶構造などには依存せず,平坦かつ平滑な表面・界面でありさえすれば,どんな構造のどんな物質の薄膜・多層膜にも適用できる.本稿では,日々の研究開発にX線反射率法をどのように活用できるかという点を主に解説する.

最近の展望
研究紹介
基礎講座
  • 梅干野 晁
    2009 年 78 巻 3 号 p. 261-264
    発行日: 2009/03/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    ヒートアイランド現象や熱中症のような熱環境問題に焦点を当てて,都市を広域かつ俯瞰的にとらえられる航空機によるマルチテンポラル・マルチスペクトラル画像と,都市の中の生活空間における熱放射環境をとらえるための全球熱画像を示しながら,その特徴や有効性について解説する.さらに,筆者らが開発している環境計測技術と数値シミュレーションによる環境予測・評価技術についても紹介する.

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