応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
80 巻, 5 号
『応用物理』 第80巻 第5号
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巻頭言
企画の意図
総合報告
  • 北澤 宏一
    2011 年 80 巻 5 号 p. 371-382
    発行日: 2011/05/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    幅広い複合技術である超伝導について,研究の歴史,現状および未来予測を,エネルギー,交通,通信の側面から述べた.超伝導は永久電流,完全反磁性,ジョセフソン効果を有し,他にはまねのできない特異な現象である.しかし,100年前の発見以来そのメカニズムは難解で,その解明には半世紀もの年月が必要とされた.その応用も,現在に至るまで極限的な性能を必要とする用途のみに限られている.その理由は「冷却のペナルティ」にあることは確かである.超伝導の特性を生かすためには,ナノテクノロジーの技術を必要とする精巧な複合材料のレベル達成を待たねばならなかったことにも由来する.高温超伝導の発見にも助けられ,100周年の今,持続可能な地球環境にとっても,これからの社会にとっても,超伝導は今後,重要な役割を演じていくことが予測できる段階に達した.

解説
最近の展望
  • 大崎 博之
    2011 年 80 巻 5 号 p. 403-406
    発行日: 2011/05/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    時速500kmでの安定走行が可能な超電導磁気浮上鉄道(超電導リニア)は,1997年4月から山梨リニア実験線において走行試験が行われ,要素技術・特性の試験や高速連続走行試験などが進められてきた.超電導リニアの採用が有力な中央新幹線は,三大都市圏を結ぶ幹線のさらなる速達性・利便性の向上と,東海道新幹線バイパスとしての役割などの点から必要性が高く,2027年の東京・名古屋間の営業運転開始へ向けて,国民も高い関心を寄せている.今後の技術開発の進展によっては高温超伝導マグネット導入の可能性もあるかも知れない.本稿では,超電導リニアの技術の概要と中央新幹線開業へ向けた最近の動向について紹介する.

  • 小泉 達雄
    2011 年 80 巻 5 号 p. 407-410
    発行日: 2011/05/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    極低温小型冷凍機は,主に半導体製造装置の真空排気用クライオポンプと低温超伝導磁石を用いたMRI,NMR,MCZ(シリコン単結晶引上げ装置用磁場印加装置)などに使用されている.近年,到達温度が4K以下に達したため,低温超伝導磁石の冷却が簡便となり普及してきた.一方,高温超伝導機器の開発では,特に,電力機器用途が加速されている.しかし,現存の小型冷凍機では温度範囲はカバーできるが,要求仕様を全て満足することはできない.ここでは,小型冷凍機の進展と今後の高温超伝導機器用途への展望を述べる.

研究紹介
基礎講座
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