応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
81 巻, 1 号
『応用物理』 第81巻 第1号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
巻頭言
企画の意図
総合報告
解説
  • 石田 敬雄
    2012 年 81 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    分子エレクトロニクスは,AviramとRatnerの単一分子ダイオードの提案から38年という歴史をもつ.単一分子を電極で架橋した単一分子接合は,新たな物性発現の低次元構造体として基礎科学の面からも注目を集めている.それ以外にも金属錯体分子膜の高い電子移動能,導電性高分子電極,分子機械を利用したデバイスなどさまざまな研究が報告されている.本稿では,単一分子接合から単分子膜トランジスタ,分子機械を利用した分子素子,2次元平面を利用した超分子構造体の電気伝導測定など分子エレクトロニクスの最新の動向と今後の展望について解説する.

  • 石原 直
    2012 年 81 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    構成要素をナノスケールまで微小化した電気機械システムをナノエレクトロメカニカルシステム(NEMS)と呼ぶ.NEMSは,ナノ寸法化した機械振動子がもつ極めて高い共振周波数やQ値といった新奇な機械共振特性をフルに活用して,革新的な機能や性能を創出する.超高速・高感度センサはその代表的な応用分野である.ここでは,NEMSという新しいナノテク分野の研究について,主要素であるナノメカニカル振動子の特徴,NEMS開発のための振動測定技術,高性能なナノ機械振動子の作製技術,およびセンサ応用に向けた研究例について紹介する.

  • 木村 崇
    2012 年 81 巻 1 号 p. 26-32
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    スピン角運動量の流れを表すスピン流は,ナノスピンデバイスにおける磁化反転(書き込み)技術に革新をもたらしただけでなく,ナノエレクトロニクス・デバイスにおける新しい情報伝搬媒体としても注目されている.本稿では,スピン流の生成・伝搬機構について概説し,スピンデバイスの高性能化におけるスピン流の重要性について述べる.さらに,電気の流れを伴わない純スピン流とその制御技術についても紹介し,それらを応用することで実現が期待される高性能スピンデバイスの課題と今後の展望について述べる.

  • 山下 一郎
    2012 年 81 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    生物学の進化によりタンパク質超分子の構造と機能の理解が深まってきている.バイオミネラリゼーション研究(生物的無機材料合成)でも,タンパク質表面と無機イオンや材料表面の動的相互作用をナノ領域で明らかにしつつ,バイオ+無機材料複合体やナノ粒子,ナノワイヤの作製ができるようになってきた.得られる複合体はナノメートルオーダで制御でき,量子効果や触媒作用増強などの機能発現も確認されることから,ナノテクノロジーの基本部品として注目されている.さらにこの複合体は自己組織化能力をもつことから,トップダウン加工では作製できないエレクトロニクスデバイスのナノ構造作製が試みられ始めている.いくつかのグループでは既にそのナノ構造を生かしたメモリ,単電子トランジスタ,電池電極,量子効果素子などが実現されている.このバイオとナノテク,エレクトロニクスの融合はまだ始まって間もないが新しいフロンティアが拓【ひら】かれつつある.

最近の展望
研究紹介
  • 長谷川 剛, 伊藤 弥生美, 鶴岡 徹, 青野 正和
    2012 年 81 巻 1 号 p. 55-58
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    アトムトランジスタは,ゲート電極から供給された金属イオンが絶縁体薄膜中を拡散し,ゲート電極に対向して設置されたソース・ドレイン電極間に伝導経路を形成することで動作する.絶縁体でオフ状態を,金属でオン状態を実現することから,極めて低いリーク電流特性と高いオンオフ比が得られる.用いるゲート電圧に依存して,揮発性動作と不揮発性動作の選択動作が可能であることもわかってきた.

  • 冨岡 克広, 福井 孝志
    2012 年 81 巻 1 号 p. 59-64
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    近年,ナノメートルスケールの直径を有する半導体ナノワイヤが,ナノエレクトロニクス・フォトニクス・グリーンデバイスの構成要素として注目を集めている.本稿では,有機金属気相選択成長法によるIII-V族化合物半導体ナノワイヤ成長について,シリコン基板上の集積技術を紹介し,位置・サイズ・配向制御された半導体ナノワイヤの幾何的特徴を利用したナノワイヤ発光ダイオード・縦型サラウンディングゲートトランジスタ・太陽電池応用について紹介する.

基礎講座
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