応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
82 巻, 3 号
『応用物理』 第82巻 第3号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
今月のトピックス
巻頭言
企画の意図
総合報告
  • 上西 祐司
    2013 年 82 巻 3 号 p. 212-218
    発行日: 2013/03/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    未曾有の大規模災害となった2011年3月11日東日本大震災において,電力,情報通信,交通網,サプライチェーンなどのインフラが壊滅的な打撃を受け,我々の日常生活を大きく揺るがしたことは記憶に新しい.被災地ではいまだ非難生活を余儀なくされている方も多くあり,2年経た今なお,まだまだ復興途上にあるのが現実である.震災直後は固定系約150万回線以上のサービスが中断し,移動系においても約6700の基地局が機能不全となった.これに対し,NTTグループでは全国から約1万人規模の復旧支援部隊を投入し,通信インフラの早期復旧を図ってきた1).その復旧活動の中で,各地の被害状況の伝達と個々人の安否確認といった情報伝達の最重要性が改めて認識された.本報告では先の東日本大震災を改めて振り返ることで,大災害時での情報通信の役割として最重要事項である情報伝達の確保について考えるとともに,そのために通信インフラとして備えるべき機能・技術について考察する.

解説
最近の展望
  • 村山 英晶
    2013 年 82 巻 3 号 p. 234-238
    発行日: 2013/03/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    2011年は,東日本大震災,台風12号,タイの洪水などの自然災害によって我が国の多くの人命,社会・経済的な資産が失われ,それらの災害を経験・目撃し,災害に対する備えの重要さを強く認識した年であった.観測結果(情報収集)を基に,災害時の的確な情報分析・判断を支援し,危険情報の確実な伝達を実施する防災情報システムは,災害時の被害を最小化するだけでなく,ハザードマップの作成や設備計画といった事前準備にも活用することができる.本稿では,光ファイバセンサを用いた観測網を構築し,風水害や地震に対する都市域の防災力を高めるための研究開発について紹介する.

  • 早川 正士
    2013 年 82 巻 3 号 p. 239-242
    発行日: 2013/03/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    2011年3月11日の東日本大震災の惨状を目の当たりにし,多くの人が地震予知の重要性を改めて強く感じたと思う.しかし,阪神・淡路大震災(以降,神戸地震と略す)後,文部省(当時)の測地学審議会が「地震予知は将来にわたっても不可能」とする報告を発表し,地震学者,メディアを中心に地震予知不可能論が広く蔓延(まんえん)することとなった.今回の東日本大震災後にも再度その風潮が広がっている.従来の地震予知では,地殻変動を計測する力学手法が用いられてきたが,神戸地震後全く異なる電磁気手法が新たに提案され,ここ20年にてすさまじい発展が遂げられている.すなわち,多くの非地震(ほとんど電磁気)現象の前兆(予兆)が発見され,地震予知の可能性を強く示唆している.特に,電離層擾乱(じょうらん)は永年にわたる観測データから,地震との統計的因果関係が確立するに至っている.本稿では,これらの電磁気現象のいろいろを紹介し,地震予知の将来を展望する.

研究紹介
討論の広場
基礎講座
  • 山口 真史
    2013 年 82 巻 3 号 p. 264-267
    発行日: 2013/03/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    福島第一原子力発電所事故は,国民の原子力離れと太陽光発電などの再生可能エネルギーの飛躍的な導入の期待をもたらしている.また,2100年には世界のエネルギーの7割が太陽(光)発電で賄われるだろうと予想されている.こうした大きな期待や人類文明の維持発展への貢献のためには,太陽電池のさらなる高効率化,低コスト化や長寿命化が必要である.超高効率太陽電池として,光電変換効率50%以上の実現が期待できるIII-V族化合物半導体を用いた集光型多接合太陽電池を中心に,次世代超高効率太陽電池の研究開発動向と将来展望について述べる.

feedback
Top